
「ゲーミングPCを買おうと思ってCPUを見てるんだけど、型番に意味ってあるの?型番から性能が分かれば楽なんだけど」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- CPUの型番の意味を解説
- CPUの性能の見方
- 自分のPCに搭載されているCPUの型番を確認する方法
このページを読めば、CPUの型番の意味がわかり、型番からおおよその性能が把握できるようになる。
なお、デスクトップ用CPUに限って解説する。
CPUの型番の意味

皆が使っているCPUはほとんどがIntel製かAMD製だが、どちらの型番も「メーカー」「ブランド」「シリーズ」「プロセッサーナンバー」「機能」の5つから構成されている。
メーカー
Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen7 7700X
型番先頭の「Intel(インテル)」「AMD(エーエムディー)」は、CPUを製造している半導体メーカーを表している。
どちらもアメリカの世界的半導体メーカーであり、2社で世界のCPUシェアのほとんどを占めている。
Intel・AMDそれぞれのCPUに特徴はあるが、総合的に見れば同等クラスの性能であり、優劣つけがたいという現状だ。
›Intel・AMDの違いを比較|どちらのCPUを選ぶべきか
ブランド
Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen7 7700X
IntelとAMDはそれぞれ様々なブランドのCPUを発売している。その中でもゲーミングPC用・一般用のブランドが、IntelのCore(Core i)とAMDのRyzenだ。
IntelはCore以外にCeleronなど、AMDはRyzen以外にAthlonなどのブランドもあるが、今主流なのはCoreとRyzenだ。
シリーズ
Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen7 7700X
最初の数字の部分はシリーズを表し、数字が大きいほど高性能になる。「グレード」と言ったほうがわかりやすいかもしれない。
CoreもRyzenも基本的に3、5、7、9の4つのシリーズがある。シリーズによって向いている用途が異なる。ゲーミングPCに搭載するCPUであれば、5か7がおすすめだ。
シリーズ | クラス | 備考 |
---|---|---|
3 | エントリークラス | ネットサーフィンやOfficeなどの軽い作業なら十分 ゲーミングPCには採用しないことがほとんど |
5 | ミドルクラス | ゲームなら十分な性能 |
7 | ハイクラス | クリエイティブ性能とコスパに優れる |
9 | ハイエンドクラス | 最高峰の性能だが、価格が高い |
プロセッサーナンバー
Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen7 7700X
4~5桁の数字はプロセッサーナンバーだが、特に重要なのは下3桁以外だ。13700の「13」、7700の「7」はCPUの世代を表す。世代の数字が大きいほど新しいCPUで高性能だ。
なお、シリーズが高くても世代が古いと低性能だ。
例えばCore i7-2700KとCore i5-12600Kは、新しいCore i5-12600Kのほうが性能が高い。
なお、下3桁に関しても、数字が大きいほど高性能だ。
例 | |
---|---|
第10世代~ | Core i5-12600K Core i7-13700K |
第2~9世代 | Core i5-9600K Core i7-2700K |
第1世代 | Core i5-760 Core i7-875K |
第5世代 | Ryzen7 7700X Ryzen5 7600X |
---|---|
第4世代 | Ryzen7 5700X Ryzen5 5600X |
第1~3世代 | Ryzen5 1600X Ryzen5 2600X Ryzen5 3600X |
機能(サフィックス)
Intel Core i7-13700K
AMD Ryzen7 7700X
型番末尾のアルファベットは、様々な機能を意味する。
Intelの場合、「無印」「F」「K」「KF」「KS」を知っておけば良い。
意味 | |
---|---|
無印 | 特になし。標準モデル |
F | 無印と同性能だが、内蔵GPUを搭載しておらず、グラボと組み合わせる必要あり。無印より多少安い |
K | 高性能かつオーバークロック可能 |
KF | KとFを合わせたもの |
KS | Kの中でも選別された最高のモデル |
S | 省電力なぶん性能も控えめ |
T | Sよりさらに省電力 |
P | 内蔵GPUが搭載されていなかったり、最低限の内蔵GPUしかないもの |
C | オーバークロック可能 |
AMDの場合、「無印」「X」「X3D」を知っておけば良い。
意味 | |
---|---|
無印 | 特になし。標準モデル |
X | 高性能でオーバークロック可能。ゲーミングPCではXモデルが標準的 |
X3D | 「3D V-Cache」を搭載したゲーミングCPU |
G | 内蔵GPUを搭載したAPU。ゲーミングPCでは選ばない。 |
XT | Xをわずかに進化させたモデル。 |
CPUの性能の見方
- CPUの型番から性能差を知る方法
- CPUの型番ではわからない性能差を知る方法
- CPUの性能表の意味
CPUの型番から性能差を知る方法
性能の優劣 | 例 | |
---|---|---|
シリーズが同じで世代が違う場合 | 新しい世代のほうが高性能 | Core i7-13700 > Core i7-12700 |
世代が同じでシリーズが違う場合 | 上のシリーズのほうが高性能 | Core i9-13900 > Core i7-13700 |
無印とF付きの場合 | Fは内蔵GPUが無いだけなので、性能は無印と同じ | Core i5-13400 = Core i5-13400F |
無印とK付きの場合 | Kは無印より高性能 | Core i7-13700K > Core i7-13700 |
シリーズも世代も違う場合 | 場合による | Core i7-12700K > Core i5–13400 > Core i7-11700K |
CPUの型番ではわからない性能差を知る方法
CPUの型番の意味を知れば、型番を見るだけでおおよその性能を把握できる。とはいえ型番を見るだけでは、性能差があることはわかっても、どのくらいの差があるのかを知ることはできない。
どのくらいの性能差があるのかを知るには、ベンチマークスコアを用いる。
ベンチマークスコアとはCPUの性能を数値化したものだ。ただしあくまで性能の目安であり、すべての用途でベンチマークスコア通りの性能差になるわけではない。
PassMark | Cinebench シングル | Cinebench マルチ | |
---|---|---|---|
Core i9-13900K | 59657 | 2241 | 39652 |
Core i9-13900 | 48144 | 2165 | 32605 |
Core i7-13700K | 46747 | 2126 | 31062 |
Core i7-13700 | 38597 | 2107 | 24770 |
Core i5-13600K | 38298 | 2021 | 24320 |
Core i5-13400 | 25528 | 1749 | 14865 |
Ryzen9 7950X3D | 62627 | 2043 | 38571 |
Ryzen9 7950X | 63235 | 2072 | 38657 |
Ryzen9 7900X3D | 50660 | 2039 | 27084 |
Ryzen9 7900X | 52164 | 2034 | 29306 |
Ryzen7 7800X3D | 34543 | 1811 | 17762 |
Ryzen7 7700X | 36233 | 2010 | 20399 |
Ryzen5 7600X | 28730 | 1976 | 15315 |
PassMarkはCPUの総合的な性能を数値化したもので、色々なサイトで記載されている。
Cinebench(シングル)はコア1つぶんの性能を表す。ゲームでは少数のコアしか使わないことが多いので、シングルスコアはゲーム性能に近い傾向にある。(コアとは脳のようなもので、CPUには多数のコアを搭載されている)
Cinebench(マルチ)は全コアの性能を表す。クリエイティブ用途では多くのコアを使用することが多いので、マルチスコアはクリエイティブ性能に近い傾向にある。
CPUの性能表の意味
簡易説明 | 例 | |
---|---|---|
コア数 | CPUに搭載されている脳の数 コア数が多いほど重い作業やマルチタスクを快適にこなせる | 8コア 16コア |
スレッド数 | パソコンが認識するコアの数。右脳と左脳のイメージ 脳は1つだけだとしても右脳と左脳で2つとして認識できる | 16スレッド 32スレッド |
定格クロック | コアの通常運転時の作業速度 | 3.0GHz |
最大クロック | コアが本気を出したときの作業速度 | 5.4GHz |
L2/L3キャッシュ | コアの作業を手助けするもの コアの手元にあるメモ用紙のようなもので、容量が多いほど作業に必要な情報を書き込めるので作業がはかどる | 32MB/36MB |
対応メモリ | CPUが対応しているメモリの規格 主に自作する場合のメモリやマザーボード選びに役に立つ情報 | DDR4-3200 DDR5-5600 |
自分が使っているCPUの型番の調べ方
現在自分が使っているPCに搭載してあるCPUの型番は、タスクマネージャーで調べることができる。
- 画面下のタスクバー上で右クリックして「タスクマネージャー」を左クリック(画像はWindows11だが、Windows10でも同様。「タスクマネージャー」が表示されない場合は、Windowsを更新して欲しい)
- 上から2番目のパフォーマンスタブを開くと、CPUの欄で現在使用しているCPUの型番を確認できる
もしこの手順でタスクマネージャーが開けない場合は、タスクバーにある検索欄に「タスクマネージャー」と打ち込めば出てくる。
CPUの型番の意味と調べ方のまとめ
このページでは、ゲーミングPCに搭載するIntelおよびAMD製CPUの型番の意味と調べ方を解説した。
このページの内容を振り返ると以下の通り。
- CPUの型番は、「メーカー+ブランド+シリーズ+プロセッサーナンバー+機能」で構成されている
- 型番を見ればおおよその性能がわかる
- 具体的な性能差はベンチマークスコアを見ることで知ることができる
CPUの詳しい選び方については、以下のページを読むと良い。
≫ゲーミングPCに搭載するCPUの選び方を初心者向けに解説