「なるべく安いCPUを選びたいんだけど、Core i3とCore i5って何が違うの?」って人に読んでほしいページです。
なるべく安くゲーミングPCを手に入れたいとき、CPUをCore i3とCore i5のどちらにするのかは悩むところだ。
このページではCore i3とCore i5の違いを解説している。
このページを読めば、どちらが自分に合っているのかを判断でき、満足度の高いゲーミングPCに仕上げられる。
なお、比較的新しいCore i3やCore i5に限定して解説している。
Core i3とCore i5の違い
- コア数によるゲーム性能やマルチ性能
- 「レア度」による価格差
- BTOでのラインナップの幅
なおCore i5には複数の種類があるが、ここではCore i5-12400や13400などの、Core i5の中でも安価なモデルを前提とする。
違い1:コア数によるゲーム性能やマルチ性能
コア数 | |
---|---|
Core i3 | 4コア |
Core i5(12世代以前) | 6コア |
Core i5(13世代以降) | 10コア(6コア+4コア) |
Core i3とCore i5の最大の違いはコア数だ。Core i3は4コア、Core i5は6コア以上となっている。
コア数とは脳の数であり、コア数が多いほど重い作業や多くの作業を同時に処理できる。
ゲームでは6~8コアが必要になるケースが多いので、Core i3の4コアはやや少ない。
以下はCore i3とCore i5のそれぞれのシングルスコア(=コア1つぶんの性能)とマルチスコア(=全コア合計の性能)を比較した表だ。
シングルスコア | マルチスコア | |
---|---|---|
Core i3-13100 | 1751 | 8843 |
Core i5-13400 | 1794 | 14865 |
マルチスコアではCore i5が勝っている。Core i5のほうがコア数が多いからだ。多くのコア数を使用する用途であれば、Core i5が有利となる。
一方でシングルスコアに関してはCore i3とCore i5は同等だ。つまり4コア以下しか使わないような用途であれば、Core i3とCore i5の差はないというわけだ。
違い2:「レア度」による価格差
発売当時の価格 | |
---|---|
Core i3-13100 | 25,800円 |
Core i5-13400 | 35,800円 |
Core i3はCore i5より「レア度」が低いので価格が安い。
CPUを製造する際、「シリコンウェーハ」という半導体の基のようなものからチップをいくつも取り出していくのだが、シリコンウェーハの品質は部分部分で異なるので、取り出したチップの品質も一定ではない。
高品質なチップほど高グレードに割り当てられ、品質が劣るチップほど低グレードに割り当てられる。
高品質なチップは数が少なく「レア度」が高いので高額になる。一方で品質で劣るチップは安く販売される。
例えるなら野菜や肉のようなものだ。状態が良い野菜や、絶品だが採れる量が少ない肉の部位は高級品として高額になる。反対に、状態や味が標準的なものは一般的な価格になる。
Core i3もCore i5も製造コストは同じだが、「レア度」の差によってCore i3のほうが安く設定されている。
違い3:BTOでのラインナップの幅
Core i3はCore i5よりBTOでのラインナップの幅が狭い。特にゲーミングPCにおいては、Core i3搭載モデルは存在しないと思って良い。
ゲーミングPCはゲームやクリエイティブ用途など、CPUのコア数が重要になる作業を前提としている。4コアしかないCore i3は、ゲーミングPC向けのCPUではないのだ。
一方でOfficeやブラウジング、ビデオ通話のような軽い作業であればCore i3でも十分なので、一般向けPCであればCore i3搭載モデルも存在する。
Core i3とCore i5の性能差
- ゲーム性能
- クリエイティブ性能
- オフィスワーク性能
ゲーム性能
Core i3-13100 | Core i5-13400 | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 66 100% | 85 129% |
Forza Horizon 5 | 195 100% | 194 99% |
Hogwarts Legacy | 56 100% | 60 107% |
※フルHD最高設定。グラボはRTX4090
ゲームによってCore i5の優位性が変わる。
4コアで足りるようなゲームではCore i3とCore i5の差はない。Core i3とCore i5のシングルスコアは同等なので、使用コアが4コア以下なら差はつかないのだ。
一方で4コアだと足りないゲームでは、Core i3とCore i5の差が広がる。
Core i3も十分に健闘しているが、幅広いゲームで高いパフォーマンスを出すという視点で見ると、Core i5を選ぶべきだ。
クリエイティブ性能
Core i3-13100 | Core i5-13400 | |
---|---|---|
Blender | 110 100% | 204 186% |
PCMark10 画像編集 | 10175 100% | 14327 141% |
PCMark10 動画編集 | 5446 100% | 6827 125% |
クリエイティブ用途では、圧倒的にCore i5が有利だ。
クリエイティブ用途では多くのコアを使用する傾向にあるので、4コアのCore i3は厳しい。
仕事でクリエイターをしているような場合はCore i5もコア数不足ではあるが、趣味程度であればCore i5を選びたい。
ゲーミングPCは幅広い用途で使える汎用性が売りなので、コア数が少なく用途が限られるCore i3の魅力度は低い。
オフィスワーク性能
Core i3-13100 | Core i5-13400 | |
---|---|---|
ビデオ通話 | 6907 100% | 7566 110% |
ブラウジング | 9857 100% | 10252 104% |
アプリ立ち上げ | 12736 100% | 13840 109% |
ワープロソフト | 7683 100% | 7911 103% |
表計算ソフト | 11712 100% | 11862 101% |
オフィスワーク程度の軽い作業の場合、Core i3→Core i5での伸び率は非常に小さい。
オフィスワークであれば4コアのCore i3でも十分であり、Core i5はオーバースペックのような状態だ。最大で10%の差であり、ほぼ同じパフォーマンスの作業もある。
オフィスワーク目的で、コア数の多いCore i5を選ぶ意味は薄い。
Core i3とCore i5のどちらを選ぶべきか
Core i3とCore i5のどちらを選ぶべきかは、用途によって結論が異なる。
ゲームやクリエイティブ用途が目的の場合
ゲームやクリエイティブ用途に使う場合、Core i5を選ぶべきだ。
ゲームやクリエイティブ用途では、Core i3の4コアでは足りないからだ。4コアと6コアとでは、汎用性に大きな差がある。さらに13世代以降のCore i5はコア数が増えているので、Core i3との差も広がっている。
ゲーミングPCは幅広い用途に使えるという汎用性が売りなので、ゲームやクリエイティブ用途が目的であれば、コア数の多いCore i5がおすすめだ。
›Core i5-13400の性能ベンチマークを比較解説
オフィスワークが目的の場合
オフィスワークで使う場合、Core i3を選ぶべきだ。
オフィスワークでは多くのコアを必要とせず、4コアのCore i3で十分だからだ。6コアのCore i5を選んだところで、コア数を活かしきれない。
Core i3とCore i5は1コアあたりの性能は同等なので、コア数を必要としないオフィスワークが目的ならCore i3をおすすめする。
Core i3とCore i5の違いまとめ
このページでは、Core i3とCore i5の違いを比較し、どちらを選ぶべきかを解説した。
内容を振り返ると以下の通り。
- Core i3とCore i5の最大の違いはコア数
- ゲームやクリエイティブ用途なら、コア数の多いCore i5を選ぶべき
- オフィスワーク用途なら、Core i3で十分
自分の用途にあったCPUを選んで、性能に過不足がないようにするべきだ。