「AMDのCPUを選ぼうと思ってるんだけど、Ryzen5とRyzen7って何が違うの?」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- Ryzen5とRyzen7の違い
- Ryzen5とRyzen7のどちらを選ぶべきか
Ryzen5とRyzen7のどちらを選ぶかは、ゲーミングPC選びでよく迷うことの1つだ。
このページを読めばRyzen5とRyzen7の違いがわかり、どちらのCPUが自分に合っているのかを判断できるようになる。
Ryzen5とRyzen7の違い
- コア数によるマルチ性能差
- 「レア度」の差による価格差
- ゲーム特化モデルの存在
違い1:コア数によるマルチ性能差
Ryzen5 | 6コア |
---|---|
Ryzen7 | 8コア |
Ryzen5は6コア、Ryzen7は8コアを搭載している。
コア数とは脳の数であり、コア数が多いほど重い作業やマルチタスクを快適にこなせる。
以下はRyzen5とRyzen7のシングルスコア(コア1つぶんの性能)およびマルチスコア(全コアぶんの性能)を記載した表だ。
シングルスコア | マルチスコア | |
---|---|---|
Ryzen5 5600X(4世代) | 1593 | 10988 |
Ryzen7 5700X(4世代) | 1532 | 13802 |
Ryzen5 7600X(5世代) | 1976 | 15315 |
Ryzen7 7700X(5世代) | 2010 | 20399 |
Ryzen7 7800X3D(5世代) | 1811 | 17762 |
Ryzen5 5600XとRyzen7 5700X、Ryzen5 7600XとRyzen7 7700Xのシングルスコアはそれぞれほぼ同等だ。一方でマルチスコアは、コア数と同じ程度の約1.3倍の差がついている。
つまり、多くのコア数を必要としないゲーム用途であればRyzen5とRyzen7の差はほとんどないと考えて良いが、コア数を必要とするクリエイティブ用途では差が大きいということになる。
違い2:「レア度」の差による価格差
発売当時の価格 | |
---|---|
Ryzen5 5600X | 35,800円 |
Ryzen7 5700X | 42,800円 |
Ryzen5 7600X | 49,900円 |
Ryzen7 7700X | 66,800円 |
Ryzen7 7800X3D | 71,800円 |
Ryzen7のほうが「レア度」が高く、高価格になる。
CPUを製造する際、「シリコンウェーハ」という半導体の素のようなものからチップを切り出していく。ただしシリコンウェーハは部分部分で品質が違うので、切り出したチップも様々な品質となる。
そこで高品質なチップをRyzen7や9といった高グレードのCPUに割り当て、中品質なチップをRyzen5といった低グレードのCPUに割り当てる。
例えるなら野菜や肉のようなものだ。出来の良い野菜や、採れる量は少ないが絶品な部位はプレミア品として価格が高くなる。一方で出来や味が普通なものは安めの価格で売られる。
Ryzen5だろうが7だろうが製造コスト自体は同じだが、高品質なチップほど採れる数が少なくて珍しいので価格が高くなるというわけだ。
違い3:ゲーム特化モデルの存在
Ryzen7には「X3Dシリーズ」というゲーミングCPUが存在する。(Ryzen5 5600X3Dも存在するが、海外の専売であり、日本で手に入れるのは不可能)
X3Dシリーズとは、「3D V-Cache」という追加のL3キャッシュを搭載することで、ゲームパフォーマンスの飛躍的な向上を実現したゲーミングCPUだ。
Ryzen7にはRyzen7 5800X3DとRyzen7 7800X3DというCPUがあり、ゲームのパフォーマンスを追求する人にとって魅力的な選択肢になる。
ただしX3Dシリーズは素の性能が若干低く設定されているので、ゲームだけでなくクリエイティブ性能も重視したい人には向いていないという弱点もある。
Ryzen5とRyzen7の性能差
Ryzen5とRyzen7のゲーム性能差とクリエイティブ性能差を見ていく。
ゲーム性能差
Ryzen5 5600X | Ryzen7 5700X | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 77 | 81 |
Hogwarts Legacy | 53 | 55 |
Forza Horizon 5 | 190 | 194 |
Red Dead Redemption 2 | 151 | 157 |
Horizon Zero Dawn | 171 | 198 |
平均の割合 | 100%(基準) | 107% |
※グラボはRTX4090、フルHD最高設定
Ryzen5 7600X | Ryzen7 7700X | Ryzen7 7800X3D | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 102 | 106 | 118 |
Hogwarts Legacy | 72 | 73 | 84 |
Forza Horizon 5 | 214 | 217 | 264 |
Red Dead Redemption 2 | 172 | 182 | 197 |
Horizon Zero Dawn | 214 | 227 | 272 |
平均の割合 | 100%(基準) | 104% | 121% |
※グラボはRTX4090、フルHD最高設定
Ryzen5とRyzen7のゲーム性能差は小さい。ゲームでは6~8コアで十分であり、Ryzen7の8コアが、Ryzen5に対してメリットになりにくいからだ。
ゲーム目的であればRyzen7を選ぶ必要はなく、Ryzen5で十分と言える。
ただしRyzen7 7800X3Dのゲーム性能はずば抜けている。ゲームによって3D V-Cacheの効き具合が違うが、平均で見れば大きな差をつけている。ゲーム性能を追求したいならRyzen7 7800X3Dを選ぶべきだ。
クリエイティブ性能差
Ryzen5 7600X | Ryzen7 7700X | |
---|---|---|
Premiere Pro Pugetbench | 619 | 695 |
Photoshop Pugetbench | 1485 | 1551 |
Blender | 215 | 279 |
Ryzen5とRyzen7との間にクリエイティブ性能差はあまりない。
コア数がパフォーマンスに直結しやすいBlenderでは約30%の差がついているが、Premiere ProやPhotoshopでは10%程度の差だ。
そもそも、クリエイティブ性能にこだわるのであれば12コア以上を持つRyzen9を選ぶべきであり、8コアのRyzen7はかなり中途半端な立ち位置と言える。
Ryzen5のクリエイティブ性能がRyzen7に劣っていることは間違いないが、Ryzen5でもRyzen7に近いパフォーマンスを出せていて健闘していることがわかる。
Ryzen5とRyzen7のどちらを選ぶべきか
ゲーム用途でもクリエイティブ用途でもRyzen5で良い。
Ryzen5とRyzen7とで迷うような初心者はRyzen5で満足できるからだ。
ゲーム用途ではRyzen5とRyzen7の差はほぼない。X3Dシリーズのゲーム性能は高いが、初心者に必要な性能ではない。
クリエイティブ用途ではコア数の多いRyzen7のほうが明確に有利だが、Ryzen7のクリエイティブ性能がずば抜けているわけではない。
Blenderのような3DCGレンダリングではコア数ぶんの差がパフォーマンスに直結しているが、動画編集や画像編集であればRyzen5とRyzen7の差は小さい。
Ryzen5は6コアしかないものの、そもそもの性能は非常に高いので、Ryzen5とRyzen7で迷っているような人にはRyzen5をおすすめする。
›Ryzen5 7600Xの性能ベンチマークを比較解説
Ryzen5とRyzen7の違いまとめ
このページでは、Ryzen5とRyzen7の違いを比較し、どちらを選ぶべきかを解説した。
内容を振り返ると以下の通り。
- Ryzen5とRyzen7の違いはコア数や価格、ゲーミングCPUがあるかどうか
- Ryzen5とRyzen7に大きな性能差はない
- Ryzen5とRyzen7とで悩むような人はRyzen5で良いケースが多い
Ryzen5はコア数が少ないだけで性能自体は高いので、Ryzen5とRyzen7とで悩むような人であればRyzen5を選べば良い。
›Ryzen5 7600Xの性能ベンチマークを比較解説