
「ハイエンドなゲーミングPCにしたいなって思ってるんだけど、CPUはどれが良いんだろ?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Core i7-13700/13700Kのカタログスペックを見る
- Core i7-13700/13700Kの性能を見る
- Core i7-13700/13700K搭載のゲーミングPCをBTOから紹介
Core i7-13700は2023年1月に、Core i7-13700Kは2022年10月に販売開始されたハイエンドCPUだ。
このページを見れば、Core i7-13700/13700KがどんなCPUなのか、自分にピッタリなのかどうかが判断できる。
Core i7-13700/13700Kのカタログスペックを比較
Core i7-13700 | Core i7-13700K | Core i7-12700 | Core i7-12700K | |
コア数(Pコア/Eコア) | 8コア/8コア | 8コア/8コア | 8コア/4コア | 8コア/4コア |
スレッド数 | 24スレッド | 24スレッド | 20スレッド | 20スレッド |
定格クロック(Pコア/Eコア) | 2.1GHz/1.5GHz | 3.4GHz/2.5GHz | 2.1GHz/1.6GHz | 3.6GHz/2.7GHz |
最大クロック(Pコア/Eコア) | 5.2GHz/4.1GHz | 5.4GHz/4.2GHz | 4.8GHz/3.6GHz | 4.9GHz/3.8GHz |
L2/L3キャッシュ容量 | 24MB/30MB | 24MB/30MB | 12MB/25MB | 12MB/25MB |
PCI-Express(Gen/レーン数) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン |
5.0/16レーン 4.0/4レーン |
5.0/16レーン 4.0/4レーン |
5.0/16レーン 4.0/4レーン |
対応メモリ | DDR4-3200 DDR5-5600 |
DDR4-3200 DDR5-5600 |
DDR4-3200 DDR5-4800 |
DDR4-3200 DDR5-4800 |
基本消費電力 | 65W | 125W | 65W | 125W |
最大消費電力 | 219W | 253W | 180W | 190W |
Core i7-13700/13700Kは第13世代のCPU、Core i7-12700/12700Kは第12世代のCPUだ。
それぞれにどんな違いがあるのかを見ていこう。
Core i7-13700とCore i7-13700Kを比較
CPU型番の末尾についているKは、より高性能であることを意味している。具体的には、K付きモデルは無印版(アルファベット無し)よりクロック数が高い。
クロック数とはCPUが働く速度のようなもので、クロック数が高いほどCPUが高速で働き、性能が高いということになる。
Core i7-13700の定格クロックは2.1GHzだ。対してCore i7-13700Kの定格クロックは3.4GHzであり、無印版の162%に値する。
クロック数の高さがそのまま性能差に直結するわけではないが、性能の上下関係がついているということだ。
K付きモデルは無印版よりクロック数が高く性能で勝る一方で、そのぶん消費電力が大きいというデメリットがある。
Core i7-13700/13700KとCore i7-12700/12700Kを比較
第12世代→第13世代での大きな進化は、コア数とL2/L3キャッシュだ。
Core i7-13700/13700Kは、Core i7-12700/12700Kと比べてEコアが4つ多い。Eコアは低性能だが電力効率が良く、主にマルチ性能に関係してくるコアだ。
ちなみに、Pコア/Eコアは第12世代から搭載されている技術で、行う作業に応じてPコア/Eコアを使い分けることで性能を飛躍的に上昇させることができるというものだ。
次にCore i7-13700/13700KのL2キャッシュは24MBであり、Core i7-12700/12700Kの2倍になっていて、L3キャッシュは30MBでCore i7-12700/12700Kより5MB多くなっている。
簡単に言えば、L2/L3キャッシュが多いほどCPUの処理速度がはやくなるので、純粋にCPU性能が向上しているということだ。
その他の細かいところだと、Core i7-13700/13700KはDDR5-5600のメモリまでサポートするようになった。DDR5-5600ともなればDDR4より明確にパフォーマンス差が出てくる。
ただし、DDR5-4800やDDR4がいまだに一般的なので、DDR5-5600に対応していることは大きなメリットにはならない。
また、Core i7-13700/13700Kは性能向上により、最大消費電力も上がってしまっていることに注意したい。
Core i7-13700/13700Kの性能スコアを見る
CPU | PassMarkスコア | 3DMarkスコア | Cinebench (シングル) |
Cinebench (マルチ) |
コア数/スレッド数 | クロック数(GHz) (定格/最大) |
価格 | 1円あたり性能 |
Core i7-13700 | 36280 | 2107 | 24770 | 16/24 | 2.1/5.2 | 5.5万円 | 0.66 | |
Core i7-13700K | 47094 | 12699 | 2126 | 31062 | 16/24 | 3.4/5.4 | 5.6万円 | 0.84 |
Core i7-12700 | 31127 | 9620 | 1862 | 21568 | 12/20 | 2.1/4.8 | 4.5万円 | 0.69 |
Core i7-12700K | 34730 | 10146 | 1939 | 22812 | 12/20 | 3.6/4.9 | 5.0万円 | 0.69 |
PassMark | 3DMark | シングル | マルチ | |
Core i7-13700 | 100% | 100% | 100% | |
Core i7-13700K | 130% | 100% | 101% | 125% |
Core i7-12700 | 86% | 76% | 88% | 87% |
Core i7-12700K | 96% | 80% | 92% | 92% |
どのスコアを見ても、Core i7-12700 < Core i7-12700K < Core i7-13700 < Core i7-13700Kという序列ができている。
Core i7-13700KのシングルスコアはCore i7-13700と同等
性能が高いK付きモデルであるCore i7-13700Kだが、シングルスコアに関しては無印版と同等だ。一応わずかに上回ってはいるが、誤差の範囲と言って良いレベルとなっている。
言い換えると、ゲーム性能での両者の差はほぼないだろうということだ。
CPUの処理性能を測るPassMarkスコアや、コア全体での性能を測るマルチスコアでは、無印版と有意な差がある。コア1つぶんでの差は小さいが、コア数が多い分コア全体での差が大きくなっているということだ。
Core i7-13700とCore i7-13700Kとで価格差もほとんどないことから、コスパ的にはCore i7-13700Kが優れている。
第12世代Core i7はCore i7-13700の90%ほどのスコア
Core i7-13700/13700KはCore i7-12700/12700Kより高い性能を有している。その中でも特にCore i7-13700Kはマルチスコアが非常に高く、クリエイティブ作業に向いている。
一方でシングルスコアで見るとCore i7-12700/12700KはCore i7-13700/13700Kの90%程度であり、マルチスコア程の差はない。(Core i7-13700との差はシングルもマルチも同じだが)
CPUはグラボと比べて世代間のゲーム性能差が小さいので、ゲーム性能(シングルスコア)目的で無理に上の世代を選ぶ必要性は薄いのだ。
Core i7-13700/13700Kのゲーム性能を見る
Core i7-12700K | Core i7-13700K | |
Cyberpunk 2077 | 140 | 147 |
Microsoft Flight Simulator | 110 | 119 |
Red Dead Redemption 2 | 197 | 201 |
Assassins Creed Valhalla(4K) | 72 | 80 |
Watch Dogs Legion(4K) | 75 | 81 |
上の表はRTX4090を搭載したときの平均フレームレートだ。数値そのものというより、Core i7-12700KとCore i7-13700Kとの差に注目してほしい。
ゲームタイトルにもよるが、Core i7-12700KとCore i7-13700Kの差は10%ほどとなる。おおよそシングルスコア差がそのままパフォーマンスの差につながっているような形だ。
ちなみに、Core i7-12700とCore i7-12700Kの平均フレームレートは以下の通りでほぼ差が無い。グラボはRTX3080Tiだ。
ゲームタイトル | Core i7-12700 | Core i7-12700K |
Watch Dogs Legion | 114 | 117 |
Assassins Creed Valhalla | 111 | 112 |
FarCry 5 | 181 | 192 |
Cyberpunk 2077 | 118 | 119 |
Cyberpunk 2077(WQHD) | 108 | 108 |
こちらの都合でCore i7-13700のデータはないが、測定をする必要が薄いというのは言うまでもない。これまでのスコアやフレームレートを見るに、Core i7-13700とCore i7-13700Kはほぼ同じフレームレートになると見て良いはずだ。
Core i7-13700/13700Kは、より高い性能を求めるならおすすめ
- より高い性能を求めたい→Core i7-13700/13700K
- 性能を突きつめるつもりはないから少しでも安いほうが良い→Core i7-12700/12700K
Core i7-13700/13700KはCore i7-12700/12700Kの約10%増しのパフォーマンスを発揮する。
このページで測定したような重めのゲームだとフレームレートが出にくいので、10%は数値としてはわずかな量だが、例えば200fpsが出るゲーム・設定であれば、10%は20fpsにもなるので重みが大きい。
少しでも高い性能を求めるのならCore i7-12700/12700KよりCore i7-13700/13700Kをおすすめする。
なお、Core i7-13700には同性能だが内蔵GPUが非搭載のCore i7-13700Fという廉価版もあるので、性能を維持しつつ少しでも価格を下げたい場合はF付きCPUを選ぶと良い。
Core i7-13700/13700Kと組み合わせたいグラボ
Core i7-13700/13700Kは高性能なCPUなので、同じく高性能なグラボを搭載したいところだ。具体的には以上の通り。
ミドルクラス以上のグラボであれば、CPUとグラボのバランスが良いと言える。
Core i7-13700/13700K搭載のゲーミングPCをBTOから紹介
おすすめ1 | おすすめ2 | おすすめ3 | |
外観 | ![]() |
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![]() |
メーカー | フロンティア | フロンティア | サイコム |
セール期間 | ~3月24日15時 | ~3月24日15時 | ~4月23日 |
CPU | Core i7-13700F | Core i7-13700F | Core i7-13700K |
グラボ | RTX4070Ti | RTX3070 | RTX3060(変更可) |
価格(税込) | 272,800円 | 204,800円 | 232,680円 |
Core i7-13700/13700K搭載のゲーミングPCをおすすめのBTOショップから紹介する。
なお、Core i7-13700FというF付きモデルはCore i7-13700と同性能の廉価版だ。(F付きモデルはグラボがないと映像出力ができない)
おすすめ1:RTX4070Ti搭載の高コスパモデル
FRGAG-H670/WS202/NTK | |
メーカー | フロンティア |
セール期間 | ~3月24日15時 |
CPU | Intel Core i7-13700F |
GPU | GeForce RTX4070Ti |
メモリ | 32GB(16GB×2)(DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB(M.2 NVMe SSD) |
電源 | 850W 80PLUS GOLD |
価格(税込) | 272,800円 |
※2023年3月17日時点での情報
- 安さとコスパに優れたセールモデル
- 30万円以下のCore i7-13700F搭載モデルとしては最高性能
おすすめ1は、セール頻度とセール時の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCだ。
新シリーズのRTX4070Tiを搭載していて、前シリーズ最強のRTX3090Tiに匹敵するレベルの性能を有している。4Kでのゲームプレイが余裕なレベルだ。
メモリは32GB、ストレージは1TBとなっていて、高性能なゲーミングPCの標準的な容量が基本搭載されている。10本以上のゲームを同時にインストールしたり、大量の動画ファイルを扱ったりしない限り余裕の容量だ。
BTOショップ全体で見ても、RTX4070Ti搭載モデルの中で最安値レベルとなっていてコスパが非常に良い。
RTX4070Ti搭載のゲーミングPCを30万円以下で手に入れられるのは、フロンティアのセール以外だとかなり珍しいのだ。
4Kでのゲームプレイが可能なほど高性能なゲーミングPCを求めているなら必見のモデルだ。
おすすめ2:RTX3070搭載のミドルクラスゲーミングPC
FRGAH670/WS202/NTK | |
メーカー | フロンティア |
セール期間 | ~3月24日15時 |
CPU | Intel Core i7-13700F |
GPU | GeForce RTX3070 |
メモリ | 32GB(16GB×2)(DDR4-3200) |
ストレージ | 1TB(M.2 NVMe SSD) |
電源 | 850W 80PLUS GOLD |
価格(税込) | 204,800円 |
※2023年3月17日時点での情報
- Core i7-13700F搭載モデルを安く手に入れたい人向け
- WQHD解像度にまで対応できるRTX3070搭載モデル
おすすめ2は、セール頻度とセール時の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCだ。
RTX3070を搭載していて、普通にゲームをプレイする分には困ることの少ない性能となっている。フルHDだと190fpsが目安で、WQHDでのゲームプレイも可能なレベルだ。
メモリは32GB、ストレージは1TBが標準搭載されていて、この性能にぴったりな容量だ。
個人的には、Core i7-13700Fを搭載するならグラボはRTX3070以上にしたほうが良いと思っている。つまりこのモデルは下限であり、最も安いということだ。
価格だけでなく構成としても必要十分なので、Core i7-13700F搭載ゲーミングPCをなるべく安く手に入れたいなら見逃し厳禁だ。
おすすめ3:高品質なサイコムの人気No.1ゲーミングPC
G-Master Velox Ⅱ Intel Edition | |
メーカー | サイコム |
セール期間 | ~4月23日 |
CPU | Intel Core i7-13700K(変更済み) |
GPU | GeForce RTX3060(変更可能) |
メモリ | 16GB(8GB×2)(DDR4-3200) |
ストレージ | 500GB(M.2 NVMe SSD) |
電源 | 650W 80PLUS GOLD |
価格(税込) | 232,680円 |
※2023年3月1日時点での情報
- 高品質なパーツをふんだんに搭載しているサイコムの人気No.1モデル
- 高品質×安価を求める人は必見
おすすめ3は高品質なパーツをふんだんに搭載していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
他のBTOショップとは違い、サイコムでは基本構成を選んだあとにCPUやグラボを選択するシステムとなっている。上の表はデフォルトの構成からCPUをCore i7-13700Kに変更したものだ。
サイコムの最大の特徴は搭載パーツの品質だ。空冷最強NoctuaのCPUクーラー、SilverStoneの電源、CrucialのSSDなど、PCに詳しい人なら誰でも知っているレベルのパーツをふんだんに搭載しているのだ。
有名メーカーのパーツを搭載するメリットは、冷却性や耐久性が高くて壊れにくく、さらにパフォーマンスを発揮しやすいということだ。
そのぶん価格は高くなるが、故障リスクが低く、長く使える可能性が高いという観点で見るとコスパは良い。
このモデルはサイコムの中でも安価で最も人気なので、「せっかくゲーミングPCを買うなら、少し値が張っても良いから品質が高いものが欲しい」という人にピッタリだ。
Core i7-13700/13700Kの性能と搭載ゲーミングPCまとめ
- Core i7-13700/13700KはCore i7-12700/12700Kの約10%増しのゲーム性能
- ゲームだけで見るとCore i7-13700/13700Kの優位性はないが、全体的な性能ではCore i7-13700Kが優れている
- Core i7-13700/13700Kを搭載するならグラボはRTX3070以上がおすすめ
このページではCore i7-13700/13700Kの、特にゲーム性能を紹介した。
結局Core i7-13700/13700Kを選ぶかどうかを決めきれなかった人は、以下のCPUの選び方についてのページを読むと良い。
≫ゲーミングPCに搭載するCPUの選び方を初心者向けに解説
※このページで紹介したスコアは以下サイトを参考にしている。
PassMark:https://www.cpubenchmark.net/
3DMark:https://benchmarks.ul.com/compare/best-cpus
Cinebench R23(シングル):https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu_benchmark-cinebench_r23_single_core-15
Cinebench R23(マルチ):https://www.cpu-monkey.com/ja/cpu_benchmark-cinebench_r23_multi_core-16