
「AMDのRyzen7 7700Xってどんな感じなの?IntelのCPUと迷ってるんだけど、どっちにしたほうが良いのかな?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Ryzen7 7700Xの特徴
- Ryzen7 7700Xの性能ベンチマークを比較
- Ryzen7 7700X搭載のゲーミングPCをBTOショップから紹介
Ryzen7 7700Xは2022年9月に発売開始されたハイエンドCPUだ。
このページを読めば、Ryzen7 7700Xがどれほどのゲーム性能を有しているのかが分かり、自分に合ったCPUかどうかを判断できるだけでなく、おすすめのRyzen7 7700X搭載PCを知ることができる。
Ryzen7 7700Xの特徴
Ryzen7 7700Xは、前世代のRyzen7 5700Xを大きく上回る性能であり、これからRyzenを長く使っていくのであればおすすめできるCPUだ。
Ryzen7 7700Xの売りは性能だけでなく、新規格に対応していることが挙げられる。これからゲーミングPCを長く使っていくのであれば、一足先に新規格で揃えられるRyzen7 7700Xは非常に魅力的だ。
従来のRyzen7 5700Xのようなコスパが売りのCPUを期待している人にとっては残念なお知らせだが、Ryzen7 7700Xは少し豪華なゲーミングPCに仕上げたい人向けのCPUとなっている。
特徴1:長く使えるゲーミングPCを目指している
Ryzen7 7700Xの特徴というよりRyzen7000シリーズの特徴だが、長く使えるゲーミングPCを目指している。
Ryzen7 7700Xは新規格のDDR5にのみ対応していたり、PCIe5.0のレーンが多かったりする。これらは新しい規格であり、今後主流になってくる。IntelのCPUとの差別化点でもある。
一足先に新規格に対応することで、数年後にCPUを買い替えることになったとしても、CPUだけを買い替えれば良い可能性が高いというわけだ。
実際、Ryzen7 7700Xのソケット(AM5)は、最低でも2025年まで使用する予定とのことであり、長期的に使用できる。
ゲーミングPC全体として長く使えるシステムを構築していき、Intelとの差別化を図ろうというAMDの意思表示だ。
特徴2:コスパ重視のCPUではない
前世代のRyzen7 5700Xは値下げの影響もあってかなり高コスパなCPUだが、Ryzen7 7700Xはコスパ重視ではない。
CPUの価格自体はさほどでもないが、特徴1で解説したように新規格に対応している影響で、ゲーミングPC全体として高額になってしまう。
競合IntelのCPUは旧規格にも対応していて、高コスパなゲーミングPCに仕上げられるので、なおさらRyzen7 7700X搭載PCのコスパの低さが目立つ。
Ryzen7 7700Xを含むRyzen7000シリーズはプレミアムモデルであり、低価格帯はRyzen5000シリーズに任せているというわけだ。
Ryzen7 7700Xの性能表を比較
R7 7700X | R7 5700X | R5 7600X | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|
コア数 (P/E) | 8コア | 8コア | 6コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 16スレッド | 16スレッド | 12スレッド | 24スレッド |
定格クロック (P/E) | 4.5GHz | 3.4GHz | 4.7GHz | 3.4GHz/2.5GHz |
最大クロック (P/E) | 5.4GHz | 4.6GHz | 5.3GHz | 5.4GHz/4.2GHz |
L2/L3キャッシュ | 8MB/32MB | 4MB/32MB | 6MB/32MB | 24MB/30MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/24レーン | 4.0/16レーン | 5.0/24レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR4-3200 | DDR5-5200 | DDR4-3200 DDR5-5600 |
基本消費電力 | 105W | 65W | 105W | 125W |
R7 7700X | R7 5700X | |
---|---|---|
定格クロック | 4.5GHz | 3.4GHz |
最大クロック | 5.4GHz | 4.6GHz |
L2キャッシュ | 8MB | 4MB |
PCI-Express | 5.0/24レーン | 4.0/16レーン |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR4-3200 |
基本消費電力 | 105W | 65W |
Ryzen7 5700Xは、Ryzen7 7700Xの前世代に当たるCPUだ。
Ryzen7 7700XとRyzen7 5700Xは性能が大きく違うが、対応メモリによる将来性も違う。
Ryzen7 7700Xは新規格のDDR5に対応しているが、Ryzen7 5700Xは旧規格のDDR4にしか対応していない。
Ryzen7 7700Xを選ぶと、高価なDDR5対応のメモリやマザーボードにする必要がある。
Ryzen7 5700Xを選ぶと、安価なDDR4対応のメモリやマザーボードを選べる。PC全体として、Ryzen7 5700Xのほうが安いのだ。
とはいえDDR5のほうが将来性が高く、新CPUが発売されるたびに乗り換えを検討するようなヘビーユーザーであれば、DDR5のRyzen7 7700Xがおすすめだ。
DDR5対応のRyzen7 7700Xを選んでおけば、数年後にCPUを新しいものに替えることになっても、メモリやマザーボードを流用できる可能性が高い。
一方でDDR4対応のRyzen7 5700Xを選んだ場合、メモリやマザーボードを流用できない。(これから先発売されるRyzenは、DDR5にのみ対応のはずなので)
寿命ギリギリまで使った後はBTOでPCまるごと買い替えるような人にはあまり関係のない話だが、自作erのような人であればRyzen7 7700Xを選ぶメリットが大きい。
R7 7700X | R5 7600X | |
---|---|---|
コア数 | 8コア | 6コア |
スレッド数 | 16スレッド | 12スレッド |
定格クロック | 4.5GHz | 4.7GHz |
最大クロック | 5.4GHz | 5.3GHz |
L2キャッシュ | 8MB | 6MB |
Ryzen5 7600Xは、Ryzen7 7700Xの1ランク下に当たるCPUだ。
Ryzen7 7700XとRyzen5 7600Xの大きな違いはコア数だ。
Ryzen7 7700Xは8コア、Ryzen5 7600Xは6コアだが、ゲームだけであればどちらを選んでも差は小さい。
ゲームだと「8コアあれば嬉しい」程度であり、6コアでも十分なことが多いからだ。
コア数が活きるのはクリエイティブ用途なので、動画編集やゲーム+配信のような使い方をするのであれば、コア数が多いRyzen7 7700Xに軍配が上がる。
R7 7700X | i7-13700K | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 16スレッド | 24スレッド |
L2/L3キャッシュ | 8MB/32MB | 24MB/30MB |
PCI-Express | 5.0/24レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR4-3200 DDR5-5600 |
基本消費電力 | 105W | 125W |
Ryzen7 7700XとCore i7-13700Kの大きな違いはコアだ。
Core i7-13700Kは全部で16のコアを持ち、高性能なPコアと、低性能だが高効率なEコアに分かれている。
例えばゲーム+通話をする場合、メインのゲームをPコアが処理し、バックグラウンドの通話をEコアが処理をする。
用途に合わせてコアを無駄なく使うことで、全体としてパフォーマンスを高めるという仕様だ。
メイン+バックグラウンドという使い方において、Core i7-13700Kは高いパフォーマンスを出せる。
Core i9-11900KとCore i9-12900Kの話になるが、ゲーム+配信時に配信をバックグラウンドに割り当てないと19%のfps向上だが、バックグラウンドに割り当てると84%のfps向上というIntelのデータがある。(Core i9-12900KはPコアが8、Eコアが8であり、Core i7-13700Kと同じ)
バックグラウンドでのマルチタスクが多い人であれば、コア数の多いCore i7-13700Kに軍配が上がる。
Ryzen7 7700Xの性能ベンチマークスコアを比較
R7 7700X | R7 5700X | R5 7600X | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|
PassMark | 36438 100% | 26671 73% | 28734 79% | 47094 129% |
Cinebench シングル | 2010 100% | 1532 76% | 1976 98% | 2126 106% |
Cinebench マルチ | 20399 100% | 13802 68% | 15315 75% | 31062 152% |
※PassMarkはCPUの総合性能。シングルスコアはコア1つぶんの性能であり、ゲーム性能に近い。マルチスコアは全コアの性能であり、クリエイティブ性能に近い。
Ryzen7 7700Xは前世代から大幅に進化しているが、いまいちパッとしない。
Ryzen7 7700XはRyzen7 5700Xに対して25~30%程度のスコア差をつけていて、性能が大幅に向上していることがわかる。新しいアーキテクチャに変わり、クロックも向上したことの恩恵だ。
1ランク下でコア数が6のRyzen5 7600Xに対しては、マルチスコアでしっかりと25%の差をつけている。
とはいえ、Core i7-13700Kと比べると負けている。Core i7-13700Kのほうがコア数が多いのでマルチスコアで負けるのは仕方がないが、シングルスコアでも6%の差をつけられている。
競合となるIntelにスコアで負けているのは、Ryzen7 7700Xにとって痛手となる。
Ryzen7 7700Xのゲーム性能を比較
R7 7700X | R7 5700X | R5 7600X | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 106 | 83 | 102 | 118 |
Forza Horizon 5 | 217 | 194 | 214 | 226 |
Red Dead Redemption 2 | 182 | 157 | 172 | 173 |
Microsoft Flight Simulator | 106 | 89 | 91 | 111 |
Horizon Zero Dawn | 227 | 198 | 214 | 217 |
平均 | 167.6 | 144.2 | 158.6 | 169.0 |
割合 | 100%(基準) | 86% | 95% | 101% |
※RTX4090、フルHD
Ryzen7 7700Xのゲーム性能は高く、Core i7-13700Kと同等クラスとなっている。
ゲーム性能に繋がりやすいシングルスコアでRyzen7 7700XはCore i7-13700Kに6%負けていたが、実際のゲームでは同等性能だ。
ただし、ゲームによって優劣があり、いつでも同等というわけではない。例えばCyberpunk 2077のように、ゲーム処理の一部をEコアに任せるゲームではCore i7-13700Kのほうが有利になる傾向にある。
Ryzen7 7700XはRyzen7 5700Xからの伸びも良く、平均で14%、ゲームによっては20%以上の差をつけた。
Ryzen5 7600Xと比べると5%の差をつけていて、Ryzen5 7600Xより2コア多いことが多少有利に働いている。Ryzen5 7600Xの性能は高いが、コア数の少なさには勝てないこともある。
Ryzen7 7700Xの8コアの良さが出た形となった。
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Ryzen7 7700Xのクリエイティブ性能を比較
R7 7700X | R7 5700X | R5 7600X | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|
Blender | 279 100% | 203 73% | 215 77% | 398 143% |
V-Ray | 14691 100% | 10336 70% | 10941 74% | 20653 141% |
PCMark10 画像編集 | 23376 100% | 17254 74% | 21386 91% | 21512 92% |
PCMark10 動画編集 | 8285 100% | 6418 77% | 7852 95% | 7793 94% |
VRMark オレンジルーム | 18261 100% | 14551 80% | 18435 101% | 16897 93% |
Ryzen7 7700Xのクリエイティブ性能は高いが、コア数の少なさが足を引っ張ることがある。
Ryzen7 7700Xは前世代のRyzen7 5700Xには20~30%の差で勝っていて、クリエイティブ性能でも進化していることがわかる。
一方で、コアの多さが重要なBlenderやV-Rayでは、Core i7-13700Kに大敗している。Blender以外でも、クリエイティブ用途だと様々なソフトを立ち上げて作業を並行して行うこともあるので、Core i7-13700Kのコアの多さは大きなメリットであり、Ryzen7 7700Xが劣るところだ。
Ryzen7 7700Xは画像編集や動画編集では高いスコアを出しているので、そういった作業であれば向いている。
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Ryzen7 7700Xの価格やコスパを比較
R7 7700X | R7 5700X | R5 7600X | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|
価格 | 4.4万円 | 2.7万円 | 3.3万円 | 6.4万円 |
コスパ (ゲーム) | 38.09 | 53.41 | 48.06 | 26.04 |
コスパ (ベンチ) | 0.83 | 0.99 | 0.87 | 0.74 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=PassMark÷価格(円)
Ryzen7 7700Xのコスパは悪くなく、特にCore i7-13700Kと比べて高コスパだ。
前世代で値下がりしているRyzen7 5700Xにコスパで負けているのは仕方がない。Ryzen7 5700Xは現在主流なCPUの中でもトップクラスのコスパだ。
ゲームでのコスパにおいて、Ryzen5 7600Xに負けてCore i7-13700Kに勝っているのは、コア数の差によるものだ。
ゲームでは6コアあれば十分なことが多く、6コア以上搭載してもゲームでの伸びが小さい。そのためRyzen5 7600Xが最も高コスパで、Core i7-13700Kが最も低コスパなのだ。
Ryzen7 7700Xはコスパから見ても、ゲームだけだともったいないのでクリエイティブ用途でも使いたいが、Blenderなどのコア数が必要な用途では物足りない、というCPUだ。
Ryzen7 7700X搭載のゲーミングPCをBTOから紹介
Ryzen7 7700X搭載のゲーミングPCを、おすすめのBTOショップから紹介する。
おすすめ1:サイコムの高品質なスタンダードモデル×Ryzen7 7700X

G-Master Spear X670A | |
---|---|
セール期間 | ~11月26日 ~1月8日 |
CPU | AMD Ryzen7 7700X |
GPU | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 269,590円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらサイコムのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ1は、高品質なパーツをふんだんに使用していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
サイコムのゲーミングPCに搭載されているパーツはどれも有名メーカーの製品だ。冷却性や耐久性に優れたパーツを使用しているので寿命が長い傾向にある。
「せっかくゲーミングPCを買うなら品質にこだわりたいけど、自作するほどの知識はない」という人にとって、サイコムのゲーミングPCは必見だ。
おすすめ2:ツクモのフラグシップモデル×Ryzen7 7700X

G-GEAR neo GX7A-R231/XB | |
---|---|
セール期間 | – |
CPU | AMD Ryzen7 7700X(変更後) |
GPU | GeForce RTX4070Ti(変更可) |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 369,300円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらツクモのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ2は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
ツクモはPCパーツショップらしく、有名メーカーのパーツを搭載していることが多い。品質特化というわけではないので、価格とのバランスが良い。
品質も価格も妥協したくない人は必見だ。
Ryzen7 7700Xの性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、Ryzen7 7700Xの性能ベンチマークを比較し、搭載ゲーミングPCを紹介した。
Ryzen7 7700Xについて振り返ると以下の通り。
- Ryzen7 7700Xは高いゲーム性能を持つ
- Ryzen7 7700Xは8コアなのでクリエイティブ用途では物足りないことがある
- 8コアで良いなら、Ryzen7 7700Xは良い選択肢
Ryzen7 7700Xは、「趣味で軽く動画編集してます。ゲームのクリップを作っています」というような人におすすめだ。
≫おすすめのRyzen7 7700X搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/