「Ryzen7 7800X3Dってゲームに特化したCPUらしいけど、実際どんな感じなの?似たようなCPUが他にもあるし、どういう違いがあるのかを知りたいな」って人に読んでほしいページです。
CPUを選ぶ際に、他の似たようなCPUとどんな違いがあるのかがわからない人は多い。
このページでは、Ryzen7 7800X3DをRyzen9 7900X3DやCore i7-13700Kなどと比較している。
このページを読めば、Ryzen7 7800X3Dがどんな性能で他とどんな違いがあるのかが分かり、自分に合っているかどうかを判断できるだけでなく、おすすめのRyzen7 7800X3D搭載PCまで知ることができる。
Ryzen7 7800X3Dはゲーム特化のゲーミングCPU
R7 7800X3D | R7 5800X3D | R9 7900X3D | R9 7950X3D | i7-13700K | |
---|---|---|---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア | 8コア | 12コア | 16コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 16スレッド | 16スレッド | 24スレッド | 32スレッド | 24スレッド |
定格クロック(P/E) | 4.2GHz | 3.4GHz | 4.4GHz | 4.2GHz | 3.4/2.5GHz |
最大クロック(P/E) | 5.0GHz | 4.5GHz | 5.6GHz | 5.7GHz | 5.3/4.2GHz |
L2/L3キャッシュ | 8MB/96MB | 4MB/96MB | 12MB/128MB | 16MB/128MB | 24MB/30MB |
PCI-Express (Gen/レーン数) | 5.0/24レーン | 4.0/16レーン | 5.0/24レーン | 5.0/24レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン |
対応メモリ | DDR5-5200 | DDR4-3200 | DDR5-5200 | DDR5-5200 | DDR5-5600 DDR4-3200 |
基本消費電力 | 120W | 105W | 120W | 120W | 125W |
Ryzen7 7800X3Dはまさにゲーム特化のCPUだ。
ゲーミングCPUであるX3Dシリーズの中でも、Ryzen7 7800X3Dはゲームに特化している。
Ryzen7 7800X3Dは8コアのCPUでありゲームでは十分な一方で、クリエイティブ用途に向いているとは言えない。クリエイティブ用途も重視したいならRyzen9を選ぶべきだ。
ゲームで最高峰のパフォーマンスを出したいなら、Ryzen7 7800X3Dはおすすめだ。
3D V-Cacheにより、高いゲーム性能を誇る
Ryzen7 7800X3Dには「3D V-Cache」という追加のL3キャッシュ(=コアの作業を補佐するデータ保管庫)が搭載されているため、最高クラスのゲーム性能を誇る。
ゲームではプレイヤーがどんな行動を取るのかが予測できない(コンピュータから見て予測できないという意味)ので、プレイヤーの行動のたびに新たなテクスチャやアニメーション、サウンドなどをロードしなければらない。
L3キャッシュが少ない場合、L3キャッシュの10倍ほど遅いメインメモリまでデータを取りに行く必要があり、時間がかかってしまう。
3D V-CacheによってL3キャッシュが増量されている場合、高速なL3キャッシュに大量のデータを保持できるので、プレイヤーの不意の行動にも対応しやすく、フレームレートを高く保てるというわけだ。
上位モデルより扱いやすい
Ryzen7 7800X3Dは8コアしかないが、8コア全てに3D V-Cacheが載っているので、誰でも簡単に扱える。
一方で上位モデルは、全コアのうち半分にしか3D V-Cacheが載っておらず、ゲームで常に高パフォーマンスを出すためには設定が必要になる場合がある。3D V-Cacheが載っていないコアまで使用することがあるからだ。
Ryzen7 7800X3Dは難しい設定無しで3D V-Cacheの恩恵を受けることができ、初心者でも簡単に扱えるというメリットがある。
Ryzen7 7800X3DとRyzen9 7900X3Dの違い
Ryzen7 7800X3Dは8コア16スレッド、Ryzen9 7900X3Dは12コア24スレッドのCPUだ。グレードではRyzen9 7900X3Dのほうが上だが、ゲーム性能ではRyzen7 7800X3Dのほうが高い傾向にある。
Ryzen7 7800X3Dは8コアすべてに3D V-Cacheが載っているが、Ryzen9 7900X3Dは6コアにしか載っていないからだ。
X3Dシリーズが最高峰のゲーム性能を誇るのは3D V-Cacheのおかげであり、3D V-Cacheの恩恵が小さいRyzen9 7900X3DはRyzen7 7800X3Dよりゲーム性能に劣るというわけだ。
マルチ性能やクリエイティブ性能ではRyzen7 7800X3Dは劣るが、ゲームに限って言えばRyzen9 7900X3Dより優れている傾向にある。
Ryzen7 7800X3Dの性能ベンチマークスコアを比較
R7 7800X3D | R7 5800X3D | R9 7900X3D | R9 7950X3D | i7-13700K | |
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PassMark | 34851 100% | 27994 80% | 50660 145% | 62627 180% | 47094 135% |
Cinebench シングル | 1811 100% | 1491 82% | 2039 113% | 2043 113% | 2126 117% |
Cinebench マルチ | 17762 100% | 15003 84% | 27084 152% | 38571 217% | 31062 175% |
※PassMarkはCPUの総合性能。シングルスコアはコア1つぶんの性能であり、ゲーム性能に近い。マルチスコアは全コアの性能であり、クリエイティブ性能に近い。
ベンチマークスコアには3D V-Cacheの効果は現れず、コアそのものの性能を測っているので、特にシングルスコアはRyzen7 7800X3Dにとってあまり意味がない。
マルチスコアに関しては、Ryzen7 7800X3Dは8コアしかないので上位のCPUに惨敗だ。
12コアのRyzen9 7900X3Dにはほぼ1.5倍の差、16コアのRyzen9 7950X3Dにはほぼ2倍の差をつけられている。
前世代のRyzen7 5800X3Dには20%弱ほどの差をつけていて明らかに進化しているが、上位CPUと比べると見劣りする。
Ryzen7 7800X3Dのゲーム性能を比較
R7 7800X3D | R7 5800X3D | R9 7900X3D | R9 7950X3D | i7-13700K | |
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Cyberpunk 2077 | 118 | 92 | 118 | 119 | 118 |
Forza Horizon 5 | 264 | 229 | 249 | 268 | 226 |
Microsoft Flight Simulator | 135 | 113 | 113 | 137 | 111 |
Horizon Zero Dawn | 272 | 205 | 260 | 271 | 217 |
Hogwarts Legacy | 84 | 64 | 86 | 86 | 71 |
平均 | 174.6 | 140.6 | 165.2 | 176.2 | 148.6 |
割合 | 100%(基準) | 81% | 95% | 101% | 85% |
※RTX4090、フルHD
Ryzen7 7800X3Dは最強と言って良いレベルのゲーム性能を誇る。
Ryzen9 7950X3Dと並んでトップのゲーム性能だ。
Ryzen7 5800X3Dに19%の差をつけて次世代の力を見せつけただけでなく、Core i7-13700Kに15%の差をつけた。
ゲーム性能だけが目的なのであれば、Ryzen7 7800X3Dは非常に優秀すぎるCPUだ。
≫おすすめのRyzen7 7800X3D搭載PCを見てみる
Ryzen7 7800X3Dのクリエイティブ性能を比較
R7 7800X3D | R7 5800X3D | R9 7900X3D | R9 7950X3D | i7-13700K | |
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Blender | 278 100% | 212 76% | 415 149% | 551 198% | 398 143% |
V-Ray | 14285 100% | 10729 75% | 21510 151% | 28539 200% | 20653 145% |
PCMark10 画像編集 | 25099 100% | 20183 80% | 25474 101% | 28964 115% | 21512 86% |
PCMark10 動画編集 | 8176 100% | 6819 83% | 8035 98% | 8346 102% | 7793 95% |
VRMark オレンジルーム | 17345 100% | 15122 87% | 15282 88% | 15827 91% | 16897 97% |
Ryzen7 7800X3Dのクリエイティブ性能はRyzen7 5800X3Dからは確実に向上しているが、メインで使えるほどではない。
多くのコアを必要とするBlenderやV-Rayでのスコアの低さが顕著であり、8コアのRyzen7 7800X3Dには向いていないことがわかる。
Ryzen 7800X3Dは8コアのゲーム特化CPUなので、クリエイティブ性能はおまけ程度に考えておくべきだ。
Ryzen7 7800X3Dの価格やコスパを比較
R7 7800X3D | R7 5800X3D | R9 7900X3D | R9 7950X3D | i7-13700K | |
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価格 | 5.0万円 | 4.7万円 | 7.2万円 | 9.9万円 | 6.2万円 |
コスパ (ゲーム) | 34.92 | 29.91 | 22.94 | 17.80 | 23.97 |
コスパ (ベンチ) | 0.70 | 0.60 | 0.70 | 0.63 | 0.76 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=PassMark÷価格(円)
Ryzen7 7800X3Dは、特にゲームにおけるコスパに優れている。
値下がりによってRyzen7 5800X3Dと似たような価格になり、ゲームでのコスパは他CPUと比べてダントツだ。さすがはゲーム特化CPUだ。
コスパ面から見ても、Ryzen7 7800X3Dはゲーム特化のCPUであり、生粋のゲーマーにおすすめできる。
≫おすすめのRyzen7 7800X3D搭載PCを見てみる
Ryzen7 7800X3D搭載のおすすめゲーミングPCをBTOから紹介
Ryzen7 7800X3D搭載モデルは、BTOショップではあまり扱われない。
特にセール対象になることは少ないので、気に入ったモデルがあれば見逃さないようにしてほしい。
おすすめ1:高品質なサイコムのスタンダードモデル×Ryzen7 7800X3D
G-Master Spear X670A | |
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セール期間 | ~4月30日(セール情報記事) |
CPU | AMD Ryzen7 7800X3D(要変更) |
GPU | GeForce RTX4060(変更可) 参考:グラボの選び方を見る |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 271,260円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらサイコムのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ1は、高品質なパーツをふんだんに搭載していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
大手BTOとは違い、搭載パーツのメーカーや型番を公開していて、冷却性・耐久性・静音性が売りとなっている。
性能だけでなく、品質や信頼性を重視したい人におすすめだ。
おすすめ2:ツクモのフラグシップモデル×Ryzen7 7800X3D
G-GEAR GE7A-F242/XB | |
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セール期間 | – |
CPU | AMD Ryzen7 7800X3D |
GPU | GeForce RTX4070Super(変更可) 参考:グラボの選び方を見る |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 319,800円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらツクモのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ2は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
一部パーツのメーカーが公開されていて、安さだけでなく品質にも気を使っている。
価格と品質の両方を妥協したくない人におすすめだ。
Ryzen 7800X3Dに関してよくある質問
- Ryzen7 7800X3Dと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
- Ryzen7 7800X3Dのソケット、対応マザーボードは?
Ryzen7 7800X3Dと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
3DMark | GPUメモリ | |
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RTX4070Super | 21086 | 12GB |
RTX4070Ti Super | 24400 | 16GB |
RTX4080Super | 28492 | 16GB |
Ryzen7 7800X3Dは優れたCPUなので、相応に高性能なグラボを選びたい。
ミドル以上のグラボであればバランスが良いと言える。
Ryzen7 7800X3Dのソケット、対応マザーボードは?
Ryzen7 7800X3DのソケットはAM5で、AMD600シリーズのマザーボードに対応している。
BTOでは、プレミアムなX670E・X670や、高コスパなB650が採用されていることが多い。
なお、前世代のRyzen5000シリーズのソケットはAM4で、Ryzen7 7800X3Dとの互換性はない。
Ryzen7 7800X3Dの性能ベンチマークの比較とBTOの搭載PCまとめ
このページでは、Ryzen7 7800X3Dの性能ベンチマークを比較し、BTOでの搭載ゲーミングPCを紹介した。
Ryzen7 7800X3Dについて振り返ると以下の通り。
- Ryzen7 7800X3Dは、ゲーマー必見のゲーミングCPU
- Ryzen7 7800X3Dは、上位CPUと同等クラスのゲーム性能
- Ryzen7 7800X3Dはマルチ性能が低く、コスパ面から見てもゲーム特化のCPU
Ryzen7 7800X3Dは、最強クラスのゲーム性能であり、生粋のゲーマーにおすすめだ。
≫おすすめのRyzen7 7800X3D搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用した。
- PassMark:https://www.cpubenchmark.net/
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/