「Core i5-13600Kってどんな性能なの?Core i5は少し物足りない印象があるんだけど、Core i5-13600Kはどうなんだろ?」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- Core i5-13600Kの仕様やベンチマークスコア、価格やゲーム性能を競合CPUと比較
Core i5-13600Kは、2022年10月に発売されたミドルクラスCPUだ。
このページを読めば、Core i5-13600Kがどんな性能で自分に合っているかどうかがわかる。
Core i5-13600Kの特徴
Core i5-13600KはミドルクラスのCore i5ながらに、かなり高い性能を持つCPUだ。
総合的には、前世代のハイエンドであるCore i9-12900Kと同程度の性能を有していて、Core i5とは思えないほどだ。
BTOでの扱いが少ないという欠点はあるが、価格と性能のバランスが非常に優れているCPUとして高評価だ。
特徴1:Core i9-12900Kと肩を並べるほどの性能
Core i5-13600Kは、前世代のハイエンドCPUであるCore i9-12900Kと同程度の性能を持つ。
Core i5-13600Kのほうがコアが2つ少ないため、マルチスコアでは負けてしまうが、実際の用途では同程度のパフォーマンスを出せるシーンが多い。
Core i5が前世代のハイエンドに並ぶことはあまりないので、Core i5-13600Kの異常さがわかるはずだ。
特徴2:PコアとEコアに分かれている
Core i5-13600Kは全部で14のコアを持つが、高性能なPコア6個と、低性能だが高効率なEコア8個に分かれている。
例えばゲーム+配信をする場合。メインのゲームにPコアを使い、バックグラウンドの配信にEコアを使うことで、ゲームのフレームレートを上げることができる。
些末な処理にEコアを用い、Pコアを温存することで、パワーが必要なメインの作業を効率化できるのだ。
特徴3:Intel Thread Directorの強化
Intel Thread Directorとは、OSによるPコア/Eコアの割り振りを補助する機能だ。
使用するソフトによってOSがPコア/Eコアの割当てが決めるのだが、なるべく適切に割り振れるように補助してくれる。
12世代CPUでは割り振りがうまくいかないことがあり、パワーが必要な作業に低性能なEコアを使っているというようなことがあった。
13世代のCore i5-13600Kでは、より適切に割り振れるようになっている。
さらにCore i5-13600Kでは、今行っている作業を優先するようになった。
例えばエンコードをしながら画像編集をする場合。画像編集ソフトだけでなくエンコード画面も見えている場合、エンコードにもPコアを用いる。
一方で画像編集ソフトしか見えておらず裏でエンコードしている場合、画像編集がメインの作業だと判断し、Pコアは画像編集に集中するようになる。
マルチタスクの際に、メインの作業を快適に行えるようになっているというわけだ。
Core i5-13600Kの性能表を比較
i5-13600K | i7-13700K | R5 7600X | |
---|---|---|---|
コア数 (P/E) | 6コア/8コア | 8コア/8コア | 6コア |
スレッド数 | 20スレッド | 24スレッド | 12スレッド |
定格クロック (P/E) | 3.5GHz/2.6GHz | 3.4GHz/2.5GHz | 4.7GHz |
最大クロック (P/E) | 5.1GHz/3.9GHz | 5.3GHz/4.2GHz | 5.3GHz |
L2/L3キャッシュ | 20MB/24MB | 24MB/30MB | 6MB/32MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 125W | 105W |
i5-13600K | i7-13700K | |
---|---|---|
コア数 (P/E) | 6コア/8コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 20スレッド | 24スレッド |
定格クロック (P/E) | 3.5GHz/2.6GHz | 3.4GHz/2.5GHz |
最大クロック (P/E) | 5.1GHz/3.9GHz | 5.3GHz/4.2GHz |
L2/L3キャッシュ | 20MB/24MB | 24MB/30MB |
Core i5-13600KとCore i7-13700Kの大きな違いは、Pコアの数だ。
Core i5-13600KのPコアは6個、Core i7-13700KのPコアは8個となっている。
Pコアは主にメインの作業を行うコアであり、ゲームの処理はPコアが行う。
とはいえ、ゲームでは8コアもあれば十分だと言われていて、6コアあれば問題ないケースがほとんどだ。ゲームにおいて、コア数でCore i5-13600Kが明確に不利になるシーンは少ないと言える。
コア数がダイレクトに効いてくるのはクリエイティブ用途だ。3DCGレンダリングなどの用途ではコア数を大量に使用するため、Pコアが少ないCore i5-13600Kは不利になりやすい。
なお、Core i7-13700Kを少し弱くしたものがCore i9-12900Kだ。
i5-13600K | R5 7600X | |
---|---|---|
コア数 (P/E) | 6コア/8コア | 6コア |
スレッド数 | 20スレッド | 12スレッド |
L2/L3キャッシュ | 20MB/24MB | 6MB/32MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 105W |
Core i5-13600KとRyzen5 7600Xの大きな違いは、コア数と対応メモリだ。
Core i5-13600Kは14コア、Ryzen5 7600Xは6コアなので、主にマルチタスクでのパフォーマンスに差ができる。
一方でゲームだけであれば、どちらも6コア扱いなのでコア数による差はない。
Core i5-13600KとRyzen5 7600Xは対応メモリも違う。
Core i5-13600KはDDR4とDDR5の両方に対応していて、Ryzen5 7600XはDDR5にしか対応していない。
Core i5-13600Kは安価なDDR4のパーツで固めることができるが、Ryzen5 7600Xは高価なDDR5のパーツで固める必要がある。
比較的安価なミドルクラスで、安価なDDR4に対応しているのはCore i5-13600Kのメリットだ。
Core i5-13600Kの性能ベンチマークスコアを比較
i5-13600K | i7-13700K | R5 7600X | i9-12900K | |
---|---|---|---|---|
PassMark | 38397 100% | 47094 123% | 28734 75% | 41571 108% |
Cinebench シングル | 2021 100% | 2126 105% | 1976 98% | 1997 99% |
Cinebench マルチ | 24320 100% | 31062 128% | 15315 63% | 27472 113% |
※PassMarkはCPUの総合性能。シングルスコアはコア1つぶんの性能であり、ゲーム性能に近い。マルチスコアは全コアの性能であり、クリエイティブ性能に近い。
Core i5-13600Kの性能ベンチマークは非常に高い。
Core i9-12900Kよりコア数が少ないためマルチスコアでは13%負けているが、シングルスコアでは同等であり、明らかに競っている。前世代のハイエンドがCore i5として手に入ると思うと素晴らしいことだ。
競合AMDのRyzen5 7600Xと比べると、シングルスコアは同等だが、マルチスコアでは快勝している。最近のIntelはEコアによってマルチタスクを重視していて、特にミドル~ハイクラス(5や7)におけるIntelとAMDの差は大きい。
マルチ性能を安く手に入れたいなら、Core i5-13600Kは非常に良い選択肢だ。
Core i5-13600Kのゲーム性能を比較
i5-13600K | i7-13700K | R5 7600X | i9-12900K | |
---|---|---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 108 | 118 | 102 | 111 |
Forza Horizon 5 | 218 | 226 | 214 | 228 |
Microsoft Flight Simulator | 97 | 111 | 91 | 101 |
Red Dead Redemption 2 | 168 | 173 | 172 | 171 |
Horizon Zero Dawn | 204 | 217 | 214 | 197 |
平均 | 159.0 | 169.0 | 158.6 | 161.6 |
割合 | 100%(基準) | 106% | 100% | 102% |
※記載しているフレームレートは目安であり、必ずしも保証するものではない
Core i5-13600Kのゲーム性能はCore i9-12900Kと同等であり、かなり優秀だ。
ゲームに用いるPコアが2つ少ないことが原因か、Core i5-13600Kのほうが低フレームレートなゲームもある。とはいえ、Core i5でこの差なら十分すぎる。
競合AMDのRyzen5 7600Xとは同等のゲーム性能だ。
Core i5-13600KはEコアによるコア数の多さが特徴だが、ゲームで使うのは基本的に6個のPコアだからだ。ゲームにおけるコア数ではCore i5-13600KもRyzen5 7600Xも同じであり、シングルスコアも同等なことから、ゲーム性能も同等となっている。
Core i5-13600Kのゲーム性能はかなり高く、ミドル帯でおすすめのCPUだ。
Core i5-13600Kのクリエイティブ性能を比較
i5-13600K | i7-13700K | R5 7600X | i9-12900K | |
---|---|---|---|---|
Blender | 311 100% | 398 128% | 215 69% | 343 110% |
V-Ray | 15072 100% | 20653 137% | 10941 73% | 17342 115% |
PCMark10 画像編集 | 18598 100% | 21512 116% | 21386 115% | 19570 105% |
PCMark10 動画編集 | 8057 100% | 7793 97% | 7852 97% | 7954 99% |
VRMark オレンジルーム | 16316 100% | 16897 104% | 18435 113% | 17926 110% |
コア数の多いCPUと比べると、どうしてもCore i5-13600Kのクリエイティブ性能は見劣りする。
コア数の多さがスコアに直結しやすいBlenderやV-Rayでは、Core i7-13700Kに30%前後、Core i9-12900Kに10%以上の差をつけられている。
反対に、コア数が少ないRyzen5 7600Xには30%ほどの差をつけている。
画像編集や動画編集においては、Core i5-13600Kは他CPUと同等かそれ以下のスコアとなっている。悪くはないが、もう少し頑張って欲しいところだ。
Core i5-13600Kはクリエイティブ用途でも使えはするが、クリエイティブ用途をメインとして選ぶには物足りない。
反対に、クリエイティブ性能はサブのような立ち位置で考えているのなら、Core i5-13600Kは十分な性能だと見なせる。
Core i5-13600Kの価格とコスパを比較
i5-13600K | i7-13700K | R5 7600X | i9-12900K | |
---|---|---|---|---|
価格 | 4.9万円 | 6.4万円 | 3.3万円 | 6.3万円 |
コスパ (ゲーム) | 32.45 | 26.41 | 48.06 | 25.65 |
コスパ (ベンチ) | 0.78 | 0.74 | 0.87 | 0.66 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=PassMark÷価格(円)
Core i5-13600Kは非常にコスパに優れている。Core i7-13700KやCore i9-12900Kに対して、ゲームでもベンチマークでもコスパで上回っている。
Ryzen5 7600Xと比べると、ベンチマークでは多少負けている程度だが、ゲームでは大幅に負けている。Core i5-13600Kには、ゲームにほぼ無関係なEコア分の価格が上乗せされているからだ。
実際の価格で見ても、Core i5-13600KはCore i7-13700Kより1.5万円安く、手に入れやすい。
コア数が多く、多様な用途に対応できる高コスパなCore i5-13600Kが5万円以下で手に入ると思えば、かなり魅力的だ。
Core i5-13600Kに関してよくある質問
- Core i5-13600Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
- Core i5-13600KとCore i5-13600KFの違いは?
- Core i5-13600Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i5-13600Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
Core i5-13600Kはミドルクラスとはいえ高性能なので、それなりに高性能なグラボとも相性が良い。
フルHDでのゲームであればRTX4060Ti、WQHDでのゲームやクリエイティブ用途であればRTX4070やRTX4070Tiがおすすめだ。
Core i5-13600KとCore i5-13600KFの違いは?
Core i5-13600KとCore i5-13600KFの違いは、内蔵GPUを使えるかどうかだ。
Core i5-13600Kは内蔵GPUを使えるため、グラボがなくても映像出力可能だ。
一方でCore i5-13600KFは内蔵GPUが無効化されているため、グラボが必須となる。そのぶん少し安価になっている。
ゲーミングPCにはグラボを搭載するのでどちらを選んでも問題ない。ただしCore i5-13600KFの場合、グラボが故障すると映像が映らなくなることに注意。
Core i5-13600Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i5-13600KのソケットはLGA1700で、インテル600シリーズ・700シリーズのマザーボードに対応している。
Core i5-13600Kの性能ベンチマークまとめ
このページでは、Core i5-13600Kの性能ベンチマークを紹介した。
Core i5-13600Kについて振り返ると以下の通り。
- Core i5-13600Kは14コアという多くのコアを持つので、マルチタスクが得意
- クリエイティブ性能を重視したいならCore i7-13700Kなどのコアが強いCPUの方が良い
- マルチ性能と価格の両方を妥協したくない人にCore i5-13600Kはおすすめ
Core i5-13600Kはミドルクラスとして比較的安価でありながら、14コアによるマルチタスクが得意なCPUだ。
マルチタスク×価格を求めるなら、Core i5-13600Kがおすすめだ。
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- PassMark:https://www.cpubenchmark.net/
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/