
「Core i9-14900Kの性能ってどのくらいなの?一番高性能なCPUが欲しいから気になってるんだよね」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Core i9-14900Kの特徴や価格などを比較
- Core i9-14900Kの性能ベンチマークを比較
- Core i9-14900Kを搭載しているゲーミングPCを紹介
このページを読めば、Core i9-14900Kがどれほどの性能で、自分に合っているかどうかがわかるだけでなく、Core i9-14900Kを搭載したゲーミングPCまで知ることができる。
Core i9-14900Kの特徴
Core i9-14900Kは2023年10月時点でトップと言って良いほどの性能を誇る。「最強」が欲しいヘビーユーザーにとっては魅力的なCPUだ。
既に最高峰のCPUだったCore i9-13900Kから更にクロックを引き上げることで、Core i9-14900Kは最強と言える性能となっている。
とはいえ、既にハイエンドCPUを使っているクリエイターが乗り換えるほどのものではないし、性能やコスパなどを総合的に見れば魅力が薄いCPUだ。
特徴1:最大ブーストは6GHz
Core i9-14900Kはターボブーストマックスによって、最大6GHzにまでクロックが引き上がる。
6GHzというと、スペシャル版であるCore i9-13900KSと同じなので、宣伝文句としては抜群だ。
とはいえ、6GHzが出ても実際のパフォーマンスが劇的に変わるわけではない。あくまで「宣伝用の売り文句」のようなものだ。
「Core i9-14900Kはかなり高性能なんだな」程度で認識しておけば良い。
特徴2:PコアとEコアに分かれている
Core i9-14900KのコアはPコア/Eコアの2種類に分かれている。作業内容によってコアを使い分けることでパフォーマンスを向上させる技術で、特にマルチタスクで恩恵が大きい。
例えばゲーム+配信の場合、メインのゲームを高性能なPコアが処理し、バックグラウンドのゲームを低性能高効率なEコアが処理する。作業によってコアを分けることで、高いフレームレートを出せるのだ。
役割分担することで、全体として高いパフォーマンスを出せる仕組みになっている。
特徴3:「APO」という機能を使える
Core i9-14900Kは「APO」という機能を使える。(14世代のCPUで使える機能)
APO=Application Performance Optimizerのことで、特定のゲームにおいてフレームレートを向上させる機能だ。
ゲームにおいてはPコアが処理をする仕様になっているが、一部のゲームではうまくPコアに割り振ることができず、低性能なEコアも使ってしまっている。
そこでAPOを使い、強制的にPコアに処理を割り振ることで、フレームレートが向上するわけだ。
とはいえ、Pコア/Eコアの振り分けがうまくいかないゲームのうち、さらに一部のゲームしかAPOは対応していない。
APOはかゆいところに手が届くような機能だが、APO目当てでCore i9-14900Kを選ぶほどではない。
Core i9-14900Kの性能表を比較
i9-14900K | i9-13900K | i7-14700K | R9 7950X3D | |
---|---|---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/16コア | 8コア/16コア | 8コア/12コア | 16コア |
スレッド数 | 32スレッド | 32スレッド | 28スレッド | 32スレッド |
定格クロック(P/E) | 3.2GHz/2.4GHz | 3.0GHz/2.2GHz | 3.4GHz/2.5GHz | 4.2GHz |
最大クロック(P/E) | 5.6GHz/4.4GHz | 5.4GHz/4.3GHz | 5.5GHz/4.3GHz | 5.7GHz |
L2/L3キャッシュ | 32MB/36MB | 32MB/36MB | 28MB/33MB | 16MB/128MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 125W | 125W | 120W |
i9-14900K | i9-13900K | |
---|---|---|
定格クロック(P/E) | 3.2GHz/2.4GHz | 3.0GHz/2.2GHz |
最大クロック(P/E) | 5.6GHz/4.4GHz | 5.4GHz/4.3GHz |
Core i9-14900KとCore i9-13900Kの大きな違いは、クロックだ。
Core i9-14900KはCore i9-13900Kより0.2GHzほどクロックが高くなっている。
いわばCore i9-14900Kは、Core i9-13900Kを多少オーバークロックさせた程度のものであり、性能に大きな違いはない。
また、性能表には記載していないが、Core i9-14900Kは「APO」という機能を使用できる。
APO=Application Performance Optimizerのことで、特定のゲームにおいてフレームレートを向上させる機能だ。
とはいえ、Pコア/Eコアの振り分けがうまくいかないゲームのうち、さらに一部のゲームしかAPOは対応していない。
Core i9-13900Kと比べたときのCore i9-14900Kの大きなメリットとは言えない。
i9-14900K | i7-14700K | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/16コア | 8コア/12コア |
スレッド数 | 32スレッド | 28スレッド |
定格クロック(P/E) | 3.2GHz/2.4GHz | 3.4GHz/2.5GHz |
最大クロック(P/E) | 5.6GHz/4.4GHz | 5.5GHz/4.3GHz |
L2/L3キャッシュ | 32MB/36MB | 28MB/33MB |
Core i9-14900KとCore i7-14700Kの大きな違いはコア数だ。
Core i9-14900KのEコアは16個、Core i7-14700KのEコアは12個であり、Core i9-14900KのほうがEコアが4個多い。
コアを多く使うようなクリエイティブ用途や、マルチタスクではCore i9-14900Kが優位だ。
とはいえ、前世代と比べるとCore i9とCore i7の差が縮まっている。
Core i9-13900K→Core i9-14900Kでコア数の変化はないが、Core i7-13700K→Core i7-14700KではEコアが4個増えているのだ。
Core i9-14900Kのほうがコアが多く高性能なことに変わりはないが、Core i7-14700Kに差を縮められているのは事実だ。
i9-14900K | R9 7950X3D | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/16コア | 16コア |
L2/L3キャッシュ | 32MB/36MB | 16MB/128MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 120W |
Core i9-14900KとRyzen9 7950X3Dはメーカーが異なるので様々な違いがあるが、大きな違いはコアだ。
Core i9-14900KはPコア8個とEコア16個で合計24コアを持つ。
一方でRyzen9 7950X3Dは16コアだ。
コアの数ではCore i9-14900Kが勝っているが、低性能なEコアで数を盛っている。
そのため、大量のコアを使うクリエイティブソフトでは、高性能なコアを16個持つRyzen9 7950X3Dのほうが優れている傾向にある。
Pコア/Eコアのメリットはマルチタスクにおけるパフォーマンスなので、同時並行で複数の処理をする場合はCore i9-14900K、1つのソフトでパワーを出したいならRyzen9 7950X3Dが向いている傾向にある。
›Ryzen9 7950X3Dの性能ベンチマーク比較とBTOの搭載モデルを紹介
Core i9-14900Kの性能ベンチマークを比較
i9-14900K | i9-13900K | i7-14700K | R9 7950X3D | |
---|---|---|---|---|
Cinebench シングル | 2358 100% | 2241 95% | 2228 94% | 2043 87% |
Cinebench マルチ | 38469 100% | 39652 103% | 33572 87% | 38571 100% |
Core i9-14900Kの性能は十分すぎるほどに高いが、前世代のCore i9-13900Kと比べて性能差が小さすぎる。マルチスコアではなぜかCore i9-13900Kが勝ってしまっている。
Core i9-13900K→Core i9-14900Kでの変化は、クロックが少し上がっただけであり、クロックが多少上がった程度では、劇的な性能向上は見られないのだ。
さらに、Core i9-14900Kは低性能なEコアで数を盛っているため、コア数で劣るはずのRyzen9 7950X3Dと同等のマルチスコアになっている。
Core i9-14900KはCore i9-13900Kや他CPUとの差が小さく、少なくともCore i9-13900Kから乗り換えるような性能ではない。
Core i9-14900Kのゲーム性能を比較
i9-14900K | i9-13900K | i7-14700K | R9 7950X3D | |
---|---|---|---|---|
Starfield | 127 | 124 | 108 | 103 |
Horizon Zero Dawn | 229 | 221 | 223 | 271 |
Cyberpunk 2077 | 126 | 121 | 120 | 119 |
Forza Horizon | 264 | 256 | 244 | 268 |
Microsoft Flight Simulator | 114 | 107 | 114 | 137 |
平均 | 172 | 165.8 | 161.8 | 179.6 |
割合 | 100% | 96% | 94% | 104% |
※記載している平均フレームレートは目安であり、実際のパフォーマンスを保証するものではない
Core i9-14900Kのゲーム性能は最強クラスだと言って良い。全体的にかなり高いフレームレートを出せている。
格下であるCore i9-13900KやCore i7-14700Kに勝っているのはもちろんだが、最強格のRyzen9 7950X3Dに対しても勝っているゲームがある。
Ryzen9 7950X3Dの3D V-Cacheがうまく発揮するゲームではCore i9-14900Kは負けているが、総合的に見れば同等クラスのゲーム性能と言える。
Ryzen9 7950X3Dは爆発力はあるが空回りもするタイプのゲーム性能である一方で、Core i9-14900Kは安定的に高いフレームレートを出せるという意味で、Core i9-14900Kは最強クラスのゲーム性能を誇ると言っても過言ではない。
›おすすめのCore i9-14900K搭載PCを見てみる
Core i9-14900Kのクリエイティブ性能を比較
i9-14900K | i9-13900K | i7-14700K | R9 7950X3D | |
---|---|---|---|---|
Blender | 522 100% | 516 99% | 470 90% | 551 106% |
PCMark10 画像編集 | 24862 100% | 24977 100% | 22296 90% | 28964 116% |
PCMark10 動画編集 | 8827 100% | 8847 100% | 8700 99% | 8346 95% |
Core i9-14900Kのクリエイティブ性能は悪く、Core i9-13900Kとほぼ変わらない。
Blenderや画像編集に至ってはRyzen9 7950X3Dに負けてしまっている。
Core i9-14900Kは強いコアと弱いコアの混合なので、全てが強いコアであるRyzen9 7950X3Dにはクリエイティブ性能で劣る傾向にあるというわけだ。
Core i9-14900Kはコア数が多くクリエイティブ作業向けのCPUだが、肝心のクリエイティブ性能は突出したものがない。
Core i9-14900Kの価格とコスパを比較
i9-14900K | i9-13900K | i7-14700K | R9 7950X3D | |
---|---|---|---|---|
価格 | 10.4万円 | 9.0万円 | 7.4万円 | 10.6万円 |
コスパ(ゲーム) | 16.54 | 18.42 | 21.86 | 16.94 |
コスパ(ベンチ) | 0.37 | 0.44 | 0.45 | 0.36 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=Cinebench(マルチ)÷価格(円)
発売されたばかりということもあり、Core i9-14900Kは低コスパだ。価格自体も他CPUより数万円レベルで高い。(Ryzen9 7950X3Dとはほぼ同額だが)
ゲームにおいてもベンチマークにおいてもCore i9-14900Kのコスパは最低だ。ハイエンドCPUは低コスパなものだが、Core i9-13900Kより1万円以上高額なのは高すぎだ。値下がりを待とう。
ただし、BTOではCore i9-13900K搭載モデルとCore i9-14900K搭載モデルの価格がほぼ同じ場合もある。
価格が1,000~2,000円しか変わらないなら、Core i9-14900Kを選ぶ価値はある。
Core i9-14900Kを搭載したゲーミングPCを紹介
Core i9-14900Kを搭載するゲーミングPCを、おすすめのBTOから紹介する。
Core i9-13900Kとの価格差がほぼなかったり、既にCore i9-13900Kから置き換わっているBTOだ。
おすすめ1:サイコムのスタンダードモデル×Core i9-14900K

G-Master Spear Z790/D5 | |
---|---|
セール期間 | ~1月8日 |
CPU | Intel Core i9-14900K(要変更) |
グラボ | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 297,730円 |
※カスタマイズで迷う場合はサイコムのおすすめカスタマイズをパーツごとに紹介を参考にすると良い
おすすめ1は、高品質パーツをふんだんに採用していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
採用パーツがどれも有名メーカーのものであり、冷却性や耐久性、静音性に優れている。
高品質なCore i9-14900K搭載PCにしたい人は必見だ。
おすすめ2:ツクモのフラグシップモデル×Core i9-14900K

G-GEAR neo GX9J-S237/ZB | |
---|---|
セール期間 | – |
CPU | Intel Core i9-14900K |
グラボ | GeForce RTX4080(変更可) |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 |
ストレージ | 2TB M.2 SSD |
価格(税込) | 490,000円 |
※カスタマイズで迷う場合はツクモのおすすめカスタマイズをパーツごとに紹介を参考にすると良い
おすすめ2は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
フラグシップモデルらしく標準でRTX4080を搭載しているだけでなく、他パーツの性能にも力が入っている。
価格だけでなく品質にもこだわりたい人におすすめだ。
おすすめ3:フロンティアのセールモデル×Core i9-14900KF

FRGBZ790/WS14 | |
---|---|
セール期間 | ~12月8日15時 |
CPU | Intel Core i9-14900KF |
グラボ | GeForce RTX4090 |
メモリ | 64GB(32GB×2) DDR5-5600 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 499,800円 |
※カスタマイズで迷う場合はフロンティアのおすすめカスタマイズを紹介!自分に合ったゲーミングPCにしようを参考にすると良い
おすすめ3は、セール頻度とセール時の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCだ。
Core i9-14900KF×RTX4090という最高峰の組み合わせとなっている。
最高峰のゲーミングPCをお得に手に入れたい人は必見だ。
Core i9-14900Kに関してよくある質問
- Core i9-14900KとCore i9-14900KFの違いは何?
- Core i9-14900Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
- Core i9-14900Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i9-14900KとCore i9-14900KFの違いは何?
Core i9-14900KとCore i9-14900KFの違いは、CPU単体で映像出力できるかどうかだ。
Core i9-14900Kはグラボがなくても映像出力可能だが、Core i9-14900KFはグラボがないと映像出力できない。そのぶんCore i9-14900KFのほうが数千円安い。
ゲーミングPCであればグラボを搭載するので、Core i9-14900KFを選んで問題ない。
ただし、グラボが故障したときに画面が映らなくなり、何もできなくなるというデメリットがある。
Core i9-14900Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
Core i9-14900KはハイエンドCPUなので、高性能なグラボと組み合わせたい。
ミドルハイのRTX4070Ti以上であれば、Core i9-14900Kとのバランスが良いと言える。
RTX4070Ti以上のグラボは4Kでのゲームプレイができるほどの性能であり、GPUメモリが12GB以上あることから汎用性も非常に高い。
Core i9-14900Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i9-14900KのソケットはLGA1700で、インテル600シリーズ・700シリーズのマザーボードに対応している。
Core i9-14900Kはオーバークロックが可能なK付きCPUなので、性能を活かすためにもZ690やZ790のマザーボードがおすすめだ。
Z690やZ790は、12世代・13世代CPUでも使用可能なため、流用することもできる。ただし、BIOSの更新が必要になる場合があることに注意。
なお、LGA1700は14世代までであり、15世代では新しいソケットに変わる。15世代以降には流用できない。
Core i9-14900Kの性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、Core i9-14900Kの性能ベンチマークを比較した。
Core i9-14900Kについて振り返ると以下の通り。
- Core i9-14900Kの性能は、Core i9-13900Kから微増程度
- Core i9-14900Kは最強格のCPUだが、魅力度は低い
- Core i9-13900Kとの価格差が小さいならCore i9-14900Kを選んでも良いが、価格差が大きいなら選ぶ意味はない
Core i9-14900Kは性能のインパクトはないが、Core i9-13900Kとの価格差がないのであれば最高峰のCPUとして選択肢になるという評価となった。
›おすすめのCore i9-14900K搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下から引用している。
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/