「RTX4060って他の低価格グラボとどれくらいの性能差があるの?」って人向けのページです。
BTOでも自作でも、低価格グラボの選択肢は複数あり、どれを選べば良いのかの判断は難しい。
このページでは、RTX4060の性能ベンチマークを、RTX3060,RTX3060Ti,RTX4060Tiと比較している。
このページを読めば、他の低価格グラボと比べたときのRTX4060の性能がわかるだけでなく、おすすめのRTX4060搭載ゲーミングPCまで知ることができる。
RTX4060はフルHDが適正のエントリー向けグラボ
RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti | RTX4060Ti | |
---|---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ada Lovelace | Ampere | Ampere | Ada Lovelace |
GPUコア | AD107 | GA106 | GA104 | AD106 |
プロセス | 5nm | 8nm | 8nm | 5nm |
CUDAコア | 3072基 | 3584基 | 4864基 | 4352基 |
RTコア世代 | 第3世代 | 第2世代 | 第2世代 | 第3世代 |
RTコア | 24基 | 28基 | 38基 | 34基 |
Tensorコア世代 | 第4世代 | 第3世代 | 第3世代 | 第4世代 |
Tensorコア | 96基 | 112基 | 152基 | 136基 |
ベースクロック | 1.83GHz | 1.32GHz | 1.41GHz | 2.31GHz |
ブーストクロック | 2.46GHz | 1.78GHz | 1.67GHz | 2.54GHz |
メモリ容量 | 8GB | 12GB | 8GB | 8GB/16GB |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6 |
メモリクロック | 17Gbps | 15Gbps | 14Gbps | 18Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | 192bit | 256bit | 128bit |
メモリバス帯域 | 272GB/s | 360GB/s | 448GB/s | 288GB/s |
TDP | 115W | 170W | 200W | 160W/165W |
推奨電源 | 550W | 550W | 600W | 550W |
RTX4060はフルHD最高設定で60fpsに届くか届かないかといったレベルのゲーム性能であり、最高の性能とは言えない。
クリエイティブ用途に関しても、趣味程度の動画編集なら問題ないが、仕事で使うには力不足だ。
RTX4060の魅力は性能ではなく価格だ。特にエントリークラスはもともとの価格が低いので、数千円の差が大きく感じる。
ほとんどの人はフルHDでゲームをプレイするし、画質への絶対のこだわりもないはず。RTX4060は、1円でも安くゲーミングPCを手に入れたい人にとって魅力的なグラボだ。
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フルHD性能を押し上げる「フレーム生成」
フレーム生成とはAIによってフレームレートを飛躍的に引き上げる機能のことだ。RTX4060のフルHD性能を大幅に押し上げることができる。
フレーム生成はRTX4060を含むRTX40シリーズでのみ使用できる。AIによる学習が必要なので限られたゲームでしか使用できないというデメリットはあるが、有名ゲームは対応していることが多い。RTX4060を選ぶメリットと言える。
RTX30シリーズもRTX40シリーズも、フレームレートを引き上げる「DLSS」という機能を使用できる。
RTX30シリーズはDLSS 2.0に対応、RTX40シリーズはDLSS 3.0に対応していて、フレーム生成はDLSS 3.0で使える機能の1つだ。
RTX4060の性能ベンチマークを比較
※3DMarkはグラフィック性能を測る定番ベンチマーク
RTX4060の3DMarkスコアは低く、性能に期待できるグラボではないことがわかる。
前身のRTX3060には18%の差をつけて勝っているが、RTX3060Tiや1ランク上のRTX4060Tiと比べると有意に負けている。
RTX3060→RTX4060の進化幅は、RTX3060→RTX3060Tiより小さく、1ランク分も進化していないというわけだ。
実は他のRTX40シリーズは2段階や4段階進化しているので、RTX4060の性能を物足りなく感じてしまうというのが正直なところだ。
とはいえ、悪い印象を持ってしまうのは仕方のないことだが、非常に人気のあったRTX3060より高性能であることからわかるように、実際に使ってみるとRTX4060は十分な性能であることは強調したい。
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RTX4060のフルHDゲーム性能を比較
RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti | RTX4060Ti | |
---|---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 33 | 29 | 38 | 43 |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 33 | 29 | 30 | 43 |
Hogwarts Legacy | 68 | 60 | 71 | 81 |
God of War | 80 | 70 | 78 | 96 |
Red Dead Redemption 2 | 52 | 43 | 54 | 63 |
平均 | 53.2 | 46.2 | 54.2 | 65.2 |
割合 | 100% (基準) | 87% | 102% | 123% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、最高設定
RTX4060は、フルHDでゲームをプレイする低価格志向のユーザーに向いているグラボだ。
RTX4060は、一部の重いゲームや重い設定では60fpsを下回ってしまう。RTX4060Tiとの差も23%とかなり大きく、高いフルHD性能を求めるならRTX4060Tiを選ぶべきだ。
›RTX4060Tiの性能ベンチマークを比較解説【vs RTX3060Ti,3070,4070】
とはいえ、人気の高かったRTX3060Tiとほぼ同じゲーム性能なのは評価に値する。
RTX3060やRTX3060Tiは低価格志向のユーザーに非常に人気のグラボだったことを考えると、RTX4060は低価格グラボとして魅力的だ。
エントリークラスのグラボを選ぶような人は画質への強いこだわりはないはずであり、画質を多少妥協すれば60fpsに届くRTX4060はおすすめできる。
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フレーム生成使用時のRTX4060の優位性
ネイティブ→DLSS | RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 33→93 | 29→50 | 38→62 |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 33→75 | 29→38 | 30→42 |
Hogwarts Legacy | 68→122 | 60→81 | 71→89 |
平均 | 45→97 | 39→56 | 46→64 |
※RTX4060はDLSS+フレーム生成、RTX3060とRTX3060TiはDLSSのみ
※DLSSはクオリティ(画質重視)に設定
※DLSSやフレーム生成を使うには、ゲーム側が対応している必要がある
RTX3060とRTX3060Tiで使えるDLSSは約1.5倍のフレームレートにできるが、RTX4060で使えるDLSS+フレーム生成はフレームレートを約2倍にできる。
よりリアルな描画ができる「レイトレーシング(RT)」を有効にした場合でも、フレーム生成を使えば60fpsを大幅に超え、快適にプレイできる域に達する。
フレーム生成は対応済みゲームでしか使えない新機能であり、DLSSより汎用性が低いという欠点はあるが、RTX4060のフルHD性能を強化できるのは無視できない。
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RTX4060のクリエイティブ性能を比較
RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti | RTX4060Ti | |
---|---|---|---|---|
Premiere Pro Pugetbench | 39.1 100% | 44.2 113% | 50.6 129% | 41.4 106% |
Photoshop Pugetbench | 129.1 100% | 121.4 94% | 132.7 103% | 136.4 106% |
Blender | 3482 100% | 2531 73% | 3216 92% | 4316 124% |
RTX4060はクリエイティブ用途に向いていない。
RTX4060のクリエイティブ性能はRTX3060やRTX3060Tiに勝ったり負けたりであり、RTX4060Tiには負けている。
そもそもクリエイティブ性能重視でエントリークラスのグラボを選ぶこと自体が間違っているので、仕事としてクリエイターをしていて、効率を求める人や重めの3DCG制作をするような人は、RTX4060を候補にいれるべきではない。
反対に、趣味で動画編集をしている程度の人であれば、どれを選んでもさほど違いはない。
RTX4060の消費電力とワットパフォーマンスを比較
RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti | RTX4060Ti | |
---|---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 113W | 166W | 208W | 147W |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 114W | 170W | 196W | 143W |
Hogwarts Legacy | 111W | 165W | 197W | 120W |
God of War | 115W | 153W | 217W | 144W |
Red Dead Redemption 2 | 115W | 165W | 212W | 137W |
平均 | 113.6W | 163.8W | 206.0W | 138.2W |
ワットパフォーマンス | 0.47 | 0.28 | 0.26 | 0.47 |
※ワットパフォーマンス=フレームレート÷消費電力 高いほうが良い
RTX4060のワットパフォーマンスは、RTX4060Tiと並んで圧倒的に優れている。
消費電力に至ってはRTX3060Tiの約半分だ。RTX4060の性能はRTX3060Tiと同じか少し低いくらいであることを加味すると、電力面でRTX4060は非常に優れている。
RTX40シリーズはプロセスルールが細かくなり、電力効率が良くなっているのだ。加えてメモリバス幅が狭いことも電力効率に繋がっている。
実際、RTX4060TiですらRTX3060より低い消費電力だ。
消費電力やワットパフォーマンスの観点から、RTX4060はRTX3060やRTX3060Tiより優位だ。
RTX4060の価格とコスパを比較
RTX4060 | RTX3060 | RTX3060Ti | RTX4060Ti | |
---|---|---|---|---|
グラボ価格 | 4.3万円~ | 4.0万円~ | 5.4万円~ | 5.6万円~ |
搭載PC価格 | 13万円~ | – | – | 14万円~ |
コスパ(ゲーム) | 12.37 | 11.55 | 10.04 | 11.64 |
コスパ(ベンチ) | 0.25 | 0.22 | 0.21 | 0.24 |
※搭載PC価格は、管理人が確認した限りの最安値
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷グラボ価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=3DMark÷グラボ価格
RTX4060はゲームでもベンチマークでも最高コスパだ。
グラボ価格もRTX4060は2番目に安い。RTX3060のほうが3千円安いので悩ましいが、性能差やコスパを考えればRTX4060は優秀だ。
RTX3060TiやRTX4060Tiと比べると1万円以上安く、大きな価格差をつけている。
BTOではRTX4060とRTX4060Ti搭載PCしか扱われていないことがほとんどであり、1円でも安くしたいならRTX4060一択だ。
発売当初のRTX4060は高額で微妙なグラボだったが、今では価格が落ち着き、エントリークラスの低価格グラボとしておすすめできる。
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RTX4060搭載のおすすめゲーミングPCをBTOから紹介
おすすめ1:Core i5-14400F×RTX4060搭載モデル
G-GEAR GE5J-C242/B | |
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セール期間 | – |
CPU | Intel Core i5-14400F |
グラボ | GeForce RTX4060 |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 176,800円 |
※パーツのカスタマイズに迷ったらツクモのBTOゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ1は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
CPUはCore i5-14400Fであり、RTX4060と合わせてエントリーモデルとして定番の組み合わせとなっている。
ゲーム用途がメインの人におすすめだ。
おすすめ2:Core i7-14700F×RTX4060搭載のCPU重視モデル
G-GEAR GE5J-C242/B | |
---|---|
セール期間 | – |
CPU | Intel Core i7-14700F(要変更) |
グラボ | GeForce RTX4060 |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 204,300円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらツクモのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ2は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
CPUはCore i7-14700Fであり、クリエイティブ作業やマルチタスクに適している。
ゲームだけでなく幅広い用途で使いたい人は必見だ。
おすすめ3:サイコムの品質重視モデル×RTX4060
G-Master Velox Ⅱ Intel Edition | |
---|---|
セール期間 | – |
CPU | Intel Core i5-14400F(変更可) 参考:CPUの選び方を見る |
グラボ | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 187,690円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらサイコムのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ3は、高品質なゲーミングPCで有名なサイコムのモデルだ。
大手BTOとは違い、高品質で信頼性の高いパーツのみを採用しているのがサイコムの特徴となる。
品質や信頼性重視のこだわりゲーミングPCが欲しい人におすすめだ。
RTX4060に関してよくある質問
- RTX4060はなぜ売れないのか?
- RTX4060と組み合わせるのにおすすめのCPUは?
- RTX4060の推奨電源は?
- RTX4060を使うと電気代はいくらになる?
- RTX4060とRTX3060は何が違う?
- RTX3060とRTX4060はどっちが良い?
- RTX4060とRTX4060Tiは何が違う?
RTX4060はなぜ売れないのか?
RTX4060が売れない理由は、特に発売当初は微妙なグラボだったからだ。
RTX3060→RTX4060での性能の伸びが小さい上に、価格が高かったため売れなかった。
最近ではRTX4060の価格は落ち着いてきているし、BTOでのRTX3060の取り扱いがなくなってきているので、RTX4060の出番が徐々に出てきている。
RTX4060と組み合わせるのにおすすめのCPUは?
PassMark | Cinebench シングル | Cinebench マルチ | コア/スレッド | |
---|---|---|---|---|
Core i5-14400 | 26767 | 1773 | 16074 | 10/16 |
Ryzen7 5700X | 26671 | 1532 | 13802 | 8/16 |
Ryzen5 5600X | 21936 | 1593 | 10988 | 6/12 |
Core i5-14400は高性能だが価格が少し高い。Ryzen7 5700XやRyzen5 5600Xは低価格だが、Core i5-14400より低性能だ。
おすすめはCore i5-14400だが、価格を重視したいならRyzenも魅力的な選択肢になる。
RTX4060の推奨電源は?
RTX4060の推奨電源は、公式では550Wとなっている。
RTX4060のTDPは115Wで、ゲームでの実際の消費電力も115Wほどだ。
Core i7-13700Kのような消費電力の多いCPUは125Wほどの消費電力であり、もろもろ合わせると合計で260Wほどとなる。
電源の容量は消費電力の2倍程度が良いとされているので、RTX4060の推奨電源は550Wというわけだ。
RTX4060を使うと電気代はいくらになる?
ゲーム時の消費電力平均 | 1日5時間使用 | 30日間使用 | |
---|---|---|---|
RTX4060 | 113.6W | 17.6円 | 528.2円 |
RTX3060Ti | 206W | 31.9円 | 957.9円 |
RTX4060Ti | 138.2W | 21.4円 | 642.6円 |
※環境によって電気代は異なる
RTX4060とRTX3060の違い
- フレーム生成への対応有無
- メモリ容量
RTX4060はDLSS 3.0のフレーム生成によって、対応ゲームにおいて高いフレームレートを出すことができる。RTX3060もDLSS 2.0によってフレームレートを上昇できるが、フレーム生成には敵わない。
フルHD最高設定にこだわりがある場合、RTX4060のほうが圧倒的にメリットが大きい。
RTX4060のメモリは8GB、RTX3060のメモリは12GBであり、RTX3060のほうが優秀だ。
12GBのメモリはVRChat、画像生成AIなどで特に活きる。これらの用途で使うなら、RTX3060のほうが優秀だ。
逆に言えば、フルHDでのゲームや趣味の動画編集程度であれば、RTX3060の優位性はない。
RTX3060とRTX4060はどっちが良い?
ゲーム目的ならRTX4060が良いが、クリエイティブ目的ならRTX3060も視野に入る。
基本的にはRTX4060のほうが高性能なので、RTX4060を選んで大外れということは少ない。
とはいえRTX3060は12GBのGPUメモリを搭載していて、メモリ周りがRTX4060より強い。
Premiere Proや、ここでは検証しなかったが画像生成AIをサクサクとこなしたいならRTX3060を選ぶと良い。
›RTX3060(12GB)の性能ベンチマークを比較解説!今だと低い性能で使えないのか?
RTX4060とRTX4060Tiは何が違う?
RTX4060Tiには、GPUメモリ8GB版と16GB版がある。一般的なのは8GB版だ。
16GBのメモリはVRChatや画像生成AIで特に活きる。これらの用途で使うならRTX4060Ti(16GB)の優位性が非常に大きい。
逆に言えば、フルHDでのゲームや趣味の動画編集程度であれば、RTX4060Ti(16GB)の優位性は純粋な性能だけだ。
16GBのメモリを必要とするような作業は非常に限られ、エントリークラスのグラボを探すような人にはおそらく無縁だ。
さらに1ランク上のRTX4070には12GBのGPUメモリが搭載されていて、純粋な性能差からRTX4070を選ぶのが主流となる。
RTX4060Tiには2種類あるが、実質的には1種類であり、RTX4060との違いは純粋な性能差だけと考えて良い。
RTX4060の性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、RTX4060の性能ベンチマークをRTX3060,RTX3060Ti,RTX4060Tiと比較した。
内容をまとめると以下の通り。
- RTX4060はフルHD最高設定で60fps付近が目安のエントリー向けグラボ
- RTX4060の最大の特徴は価格が安いこと
- RTX4060は、1円でも安くゲーミングPCを手に入れたい人におすすめ
大人気だったRTX3060Tiに迫るほどの性能なので、ライトゲーマーであればRTX4060がおすすめだ。
›おすすめのRTX4060搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトを参考にしている。
- 3DMark:https://benchmarks.ul.com/
- Blender:https://opendata.blender.org/