
「Core i7-14700Kってどんな性能なの?かなり高性能なイメージだけど、他のハイエンドCPUとどれくらいの性能差があるのかを知りたいな」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Core i7-14700Kの特徴や価格などを比較
- Core i7-14700Kの性能ベンチマークを比較
- Core i7-14700Kを搭載するゲーミングPCを紹介
このページを読めば、Core i7-14700Kがどれほどの性能なのかがわかり、他CPUと比較検討できるだけでなく、おすすめのCore i7-14700K搭載PCまで知ることができる。
Core i7-14700Kの特徴
Core i7-14700Kは、14世代CPUの中では最も選ぶ価値がある。
14世代CPUは、13世代をわずかに改良しただけであり、性能差はほとんどない。
その中でCore i7-14700Kだけは、Core i7-13700Kからコア数が増えているのだ。
コア数が増えることでマルチ性能が高くなり、主にクリエイティブ用途でのパフォーマンスが向上する。
14世代の中だと、Core i7-14700Kは最も優秀という評価だ。
特徴1:Pコア/Eコアに分かれている
Core i7-14700Kのコアは、PコアとEコアの2種類に分かれている。パワーのあるPコアと、低性能だが高効率で、数を盛ることで並列処理が得意なEコアを使い分けることで、総合的にパフォーマンスを高めてくれるのだ。
例えば、ゲーム+配信をする場合。メインのゲームを高性能なPコアが担当し、バックグラウンドの配信をEコアが担当することで、ゲームのフレームレートが高くなる。
役割分担をすることで、作業を効率化できるのだ。
特徴2:14世代CPUの中で唯一コア数が増えている
2つめの特徴として、Core i7-14700Kは、14世代CPUの中で唯一Eコアが増加している。
Core i7-13700KのEコアは8個だったが、Core i7-14700Kは12個のEコアを持つ。
コア数が増えればマルチ性能が向上し、重い作業やマルチタスクの効率が良くなる。
コア数の増加という最もわかりやすい強化点があるので、Core i7-14700Kは14世代の中で一番選ぶ価値がある。
特徴3:「APO」という機能を使える
3つめの特徴として、Core i7-14700Kを含む14世代CPUは、「APO」という機能を利用できる。
APO=Application Performance Optimizerのことで、特定のゲームにおいてフレームレートを向上させる機能だ。
通常では、高性能なPコアがゲームの処理を行う。しかしゲームによってはPコアとEコアの使い分けが上手くできず、Eコアも使ってしまうことがある。
そこで強制的にPコアにゲーム処理を割り振ることで、パフォーマンスを高めるというわけだ。
ただし、Pコア/Eコアの区別がうまくできないゲームのさらに一部にしかAPOは対応していないので、Core i7-14700Kの特徴と言うには弱いという印象だ。
Core i7-14700Kの性能表を比較
i7-14700K | i7-13700K | i9-14900K | R9 7900X3D | |
---|---|---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/12コア | 8コア/8コア | 8コア/16コア | 12コア |
スレッド数 | 28スレッド | 24スレッド | 32スレッド | 24スレッド |
定格クロック(P/E) | 3.4GHz/2.5GHz | 3.4GHz/2.5GHz | 3.2GHz/2.4GHz | 4.4GHz |
最大クロック(P/E) | 5.5GHz/4.3GHz | 5.4GHz/4.2GHz | 5.6GHz/4.4GHz | 5.6GHz |
L2/L3キャッシュ | 28MB/33MB | 24MB/30MB | 32MB/36MB | 12MB/128MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 125W | 125W | 120W |
i7-14700K | i7-13700K | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/12コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 28スレッド | 24スレッド |
最大クロック(P/E) | 5.5GHz/4.3GHz | 5.4GHz/4.2GHz |
L2/L3キャッシュ | 28MB/33MB | 24MB/30MB |
Core i7-14700KとCore i7-13700Kの大きな違いはコア数だ。
Core i7-14700KではEコアが4個増えていて、よりマルチ性能が高くなっている。なお、コア数の増加に伴ってキャッシュも増えている。
コア以外だと、Core i7-14700Kは「APO」という機能を使える。
APOはIntel14世代のCPUで使える機能で、特定のゲームにおいてパフォーマンスを向上してくれる。
とはいえ、かなり限定的な機能なので、Core i7-14700KとCore i7-13700Kの大きな違いというわけではない。
i7-14700K | i9-14900K | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/12コア | 8コア/16コア |
スレッド数 | 28スレッド | 32スレッド |
定格クロック(P/E) | 3.4GHz/2.5GHz | 3.2GHz/2.4GHz |
最大クロック(P/E) | 5.5GHz/4.3GHz | 5.6GHz/4.4GHz |
L2/L3キャッシュ | 28MB/33MB | 32MB/36MB |
Core i7-14700KとCore i9-14900Kの大きな違いはコア数だ。Core i7-14700KのほうがEコアが4個少ない。
とはいえ、13世代の頃と比べると、コア数の差が縮まっている。
Core i7-13700K→Core i7-14700KでEコアが4個増えているが、Core i9-13900K→Core i9-14900Kではコア数に変化はないからだ。
Core i7-14700Kは前世代に比べると、Core i9に近くなっているというわけだ。
i7-14700K | R9 7900X3D | |
---|---|---|
コア数(P/E) | 8コア/12コア | 12コア |
スレッド数 | 28スレッド | 24スレッド |
定格クロック(P/E) | 3.4GHz/2.5GHz | 4.4GHz |
最大クロック(P/E) | 5.5GHz/4.3GHz | 5.6GHz |
L2/L3キャッシュ | 28MB/33MB | 12MB/128MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン 4.0/4レーン | 5.0/24レーン |
対応メモリ | DDR5-5600 DDR4-3200 | DDR5-5200 |
基本消費電力 | 125W | 120W |
Core i7-14700KとRyzen9 7900X3Dはメーカーが異なるので細かいところがかなり違い、1つ1つを解説するのは意味がない。
大きな違いとしては、Core i7-14700Kは幅広い用途で安定的に高いパフォーマンスを出すことができ、Ryzen9 7900X3Dはクリエイティブ用途はもちろんだが、特にゲーム性能が高い。
Core i7-14700Kの性能ベンチマークを比較
i7-14700K | i7-13700K | i9-14900K | R9 7900X3D | |
---|---|---|---|---|
Cinebench シングル | 2228 100% | 2126 95% | 2358 106% | 2039 92% |
Cinebench マルチ | 33572 100% | 31062 93% | 38469 115% | 27084 81% |
※シングルスコア=コア1つぶんの性能で、ゲーム性能に近い。マルチスコア=全コアの合計性能で、クリエイティブ性能に近い。
Core i7-14700Kは、Core i7-13700Kとの性能差が小さく、次世代の恩恵を感じにくい。
シングルスコアで5%、マルチ性能で7%の差であり、大きいとは言えない差となっている。
とはいえ、マルチスコアではCore i9-14900Kに迫っている。
Core i7-13700KとCore i9-13900Kのときは30%弱のマルチスコア差があったのだが、14世代では15%に縮まっている。やはりEコアの増加はCore i7-14700Kにとって追い風だ。
Core i7-14700Kはコア数が増えてマルチスコアが伸びているので、クリエイティブ用途での活躍が見込めそうなCPUだ。
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Core i7-14700Kのゲーム性能を比較
i7-14700K | i7-13700K | i9-14900K | R9 7900X3D | |
---|---|---|---|---|
Hogwarts Legacy | 73 | 71 | 86 | 86 |
Cyberpunk 2077 | 120 | 118 | 126 | 118 |
Microsoft Flight Simulator | 114 | 111 | 114 | 113 |
Forza Horizon 5 | 244 | 226 | 264 | 249 |
Horizon Zero Dawn | 223 | 217 | 229 | 260 |
平均 | 154.8 | 148.6 | 163.8 | 165.2 |
割合 | 100% | 96% | 106% | 107% |
※RTX4090、フルHD
Core i7-14700Kのゲーム性能は悪くないがパッとしない。
格上のCore i9-14900Kや、ゲーム特化のRyzen9 7900X3Dに対して食らいついている。
特にRyzen9 7900X3Dで伸びにくいゲームではCore i7-14700Kが勝っていて、高いゲーム性能を有していることがわかる。
とはいえ、Core i7-13700Kとのゲーム性能差が小さい。「Core i7-14700Kじゃないとダメ」というほどのゲーム性能ではなく、「Core i7-13700Kで良い」というのが正直なところだ。
Core i7-14700Kの特徴であるEコアの多さは、ゲーム用途では効果を発揮しない。
ゲーム用途ではPコアが重要なので、Core i7-13700Kとの差が非常に小さいというわけだ。
Core i7-14700Kのクリエイティブ性能を比較
i7-14700K | i7-13700K | i9-14900K | R9 7900X3D | |
---|---|---|---|---|
Blender | 470 100% | 398 85% | 522 111% | 415 88% |
PCMark10 画像編集 | 22296 100% | 21512 96% | 24862 112% | 25474 114% |
PCMark10 動画編集 | 8700 100% | 7793 90% | 8827 101% | 8035 92% |
Core i7-14700Kのクリエイティブ性能はCore i7-13700Kをやや突き放している。
Core i7-14700Kはコアが増えた影響だろうか、Core i7-13700Kに比べて高いクリエイティブ性能を発揮する。特にBlenderでは15%の差であり、Core i7-14700Kの優位性が見て取れる。
一方でCore i9-14900Kと比べると、Blenderや画像編集ソフトで約10%の差をつけられている。クリエイティブ性能を追い求めるならやはりCore i9-14900Kだ。
とはいえ、Core i9-14900Kに対して大きく遅れを取っているわけではないので、Core i7-14700Kは十分に選択肢になりうるCPUだ。
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Core i7-14700Kの価格やコスパを比較
i7-14700K | i7-13700K | i9-14900K | R9 7900X3D | |
---|---|---|---|---|
価格 | 7.4万円 | 6.4万円 | 10.4万円 | 7.2万円 |
コスパ(ゲーム) | 20.92 | 23.22 | 15.75 | 22.94 |
コスパ(ベンチ) | 0.45 | 0.49 | 0.37 | 0.38 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=Cinebench(マルチ)÷価格(円)
発売直後ということもあり、Core i7-14700Kのコスパは非常に悪い。少なくとも今はCore i7-14700Kを選ぶ価値はない。
Core i7-13700Kのほうが圧倒的に高コスパだし、価格も約1万円安い。コア数の増加によるクリエイティブ性能の上昇は魅力的ではあるが、+1万円で買う価値があるのかと言えば微妙なところだ。
Ryzen9 7900X3Dにはベンチマークによるコスパで勝っているが、Ryzen9 7900X3Dの真価はゲーム性能なので、比べる意味は薄い。実際、ゲーム性能のコスパではRyzen9 7900X3Dのほうが上だ。
少なくとも現状の価格においては、Core i7-14700KではなくCore i7-13700Kを選んだほうが良い。
ただし、BTOではCore i7-14700KとCore i7-13700Kの価格がほぼ変わらないこともある。1,000~2,000円程度の差しかなければ、Core i7-14700Kを選んで損はない。
Core i7-14700Kを搭載するゲーミングPCをBTOから紹介
Core i7-14700Kを搭載するゲーミングPCを、おすすめのBTOから紹介する。
Core i7-13700Kとの価格差がほぼなかったり、既に置き換わってしまっているBTOが主となる。
おすすめ1:高品質なサイコムのゲーミングPC×Core i7-14700K

G-Master Spear Z790/D5 | |
---|---|
セール期間 | ~1月8日 |
CPU | Intel Core i7-14700K |
グラボ | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 263,940円 |
※カスタマイズで迷ったらサイコムのおすすめカスタマイズをパーツごとに紹介を参考にすると良い
おすすめ1は、高品質なパーツを採用していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
冷却性や耐久性、静音性に優れたパーツだけを採用することで、玄人でも安心・満足できるゲーミングPCに仕上がっている。
Core i7-14700Kのような高性能CPUを採用するなら品質にもこだわりたいという人におすすめだ。
おすすめ2:高品質なサイコムのコスパゲーミングPC×Core i7-14700K

G-Master Velox Ⅱ Intel Edition | |
---|---|
セール期間 | ~1月8日 |
CPU | Intel Core i7-14700K(要変更) |
グラボ | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 227,170円 |
※カスタマイズで迷ったらサイコムのおすすめカスタマイズをパーツごとに紹介を参考にすると良い
おすすめ2は、高品質なパーツを採用していることで有名なサイコムのゲーミングPCだ。
このモデルは品質を意識していながらも、比較的低価格に仕上がっている。
価格と品質を両立したい人は必見だ。
おすすめ3:ツクモのフラグシップモデル×Core i7-14700K

G-GEAR neo GX7J-R237/ZB | |
---|---|
セール期間 | – |
CPU | Intel Core i7-14700K(要変更) |
グラボ | GeForce RTX4070Ti(変更可) |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-5600 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 369,800円 |
※カスタマイズで迷ったらツクモのおすすめカスタマイズをパーツごとに紹介を参考にすると良い
おすすめ3は、PCパーツショップとしても有名なツクモのゲーミングPCだ。
このモデルはツクモのフラグシップモデルで、高品質なパーツが採用されている。
性能だけでなく品質も重視したい人におすすめだ。
おすすめ4:フロンティアのMSIコラボモデル×Core i7-14700KF

FRMFZ790/WS1117 | |
---|---|
セール期間 | ~12月1日15時 |
CPU | Intel Core i7-14700KF |
グラボ | GeForce RTX4070Ti |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 1TB M.2 SSD |
価格(税込) | 309,800円 |
※カスタマイズで迷ったらフロンティアのおすすめカスタマイズを紹介!自分に合ったゲーミングPCにしようを参考にすると良い
おすすめ4は、セール頻度とセール時の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCだ。
このモデルは、PCパーツメーカーとして有名なMSIとのコラボモデルであり、信頼性の高いMSI製のパーツが多く搭載されている。
性能×価格×信頼性のすべてを妥協したくない人は必見だ。
Core i7-14700Kについてよくある質問
- Core i7-14700KとCore i7-14700KFの違いは何?
- Core i7-14700Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
- Core i7-14700Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i7-14700KとCore i7-14700KFの違いは何?
Core i7-14700KとCore i7-14700KFの違いは、グラボ無しで映像出力できるかどうかだ。
Core i7-14700Kはグラボ無しでも映像出力できる。
一方でCore i7-14700KFはグラボを搭載しないと映像出力できない。そのぶん価格が少し安い。
グラボを搭載するゲーミングPCであればどちらを選んでも問題ないが、Core i7-14700KFの場合は、グラボ故障時に何も映らなくなるというデメリットがある。
Core i7-14700Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
Core i7-14700KはハイクラスCPUなので、ミドル以上の性能を持つグラボと組み合わせたい。
RTX4070以上のグラボは12GBのGPUメモリを搭載していて汎用性が非常に高い。
Core i7-14700Kもコアが多く汎用性が高いので、RTX4070以上のグラボと組み合わせるのがおすすめだ。
Core i7-14700Kのソケット、対応マザーボードは?
Core i7-14700KのソケットはLGA1700で、インテル600シリーズ・700シリーズのマザーボードに対応している。
Core i7-14700Kはオーバークロックが可能なK付きCPUなので、性能を活かすためにもZ690やZ790のマザーボードがおすすめだ。
Z690やZ790は、12世代・13世代CPUでも使用可能なため、流用することもできる。ただし、BIOSの更新が必要になる場合があることに注意。
なお、LGA1700は14世代までであり、15世代では新しいソケットに変わる模様だ。15世代以降には流用できない。
Core i7-14700Kの性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、Core i7-14700Kの性能ベンチマークを比較した。
Core i7-14700Kについて振り返ると以下の通り。
- Core i7-14700Kは前世代からコア数が増え、マルチ性能が上がっているのが最大の特徴
- Core i7-14700Kは前世代からの性能向上幅が小さく、インパクトはない
- 少なくとも発売当初の価格では、Core i7-14700Kを選ぶ意味はない
BTOでは、Core i7-14700KとCore i7-13700Kの価格差が1,000円程度しかなかったり、既にCore i7-13700Kから置き換わっていたりする。
自作erがCPU単体で買う意味はないが、BTOで搭載PCを買うなら、Core i7-14700KはハイクラスCPUとして選ぶ価値があるという評価だ。
›おすすめのCore i7-14700K搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは以下から引用している。
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/