「Core i5とCore i7って何が違うの?Core i5って安くて性能が低いイメージがあるんけど、実際のところはどう?」って人に読んでほしいページです。
初心者がゲーミングPCを買うとき、Core i5とCore i7とで何が違うのかがわからず、どちらを選ぶべきかの判断ができないことは多い。
このページではCore i5とCore i7の違いを初心者でもわかるように解説している。
このページを読めば、Core i5とCore i7のどちらが自分に合っているかを判断できる。
Core i5とCore i7の違い
- コア数によるマルチ性能
- 「レア度」による価格差
- BTOでのラインナップの幅
違い1:コア数によるマルチ性能
Pコア/Eコア | |
---|---|
Core i5-14400 | 6コア/4コア |
Core i5-14600K | 6コア/8コア |
Core i7-14700K | 8コア/12コア |
Core i5とCore i7の1つめの違いは、コア数によるマルチ性能だ。コア数とは脳の数のようなもので、コア数が多いほど負荷が大きいクリエイティブ作業やマルチタスクを快適にこなせる。
以下は各CPUのシングルスコアとマルチスコアをまとめたものだ。シングルスコアはコア1つぶんの性能を、マルチスコアはコア全体での性能を表す。
シングルスコア | マルチスコア | |
---|---|---|
Core i5-14400 | 1773(100%) | 16074(100%) |
Core i5-14600K | 2097(118%) | 24683(154%) |
Core i7-14700K | 2228(126%) | 33572(209%) |
シングルスコアでは最大26%の差だ。シングルスコアが反映されやすいゲーム用途では、Core i5とCore i7とで差はさほどない。
マルチスコアでは最大209%の差だ。マルチスコアが重要になるクリエイティブ作業やマルチタスクをするなら、Core i7を選ぶべきだ。
違い2:「レア度」による価格差
発売当時の価格 | |
---|---|
Core i5-14400 | 37,000円 |
Core i5-14600K | 48,000円 |
Core i7-14700K | 67,000円 |
Core i7はCore i5より「レア度」が高く、価格も高い。
CPUを製造する際、「シリコンウェーハ」という半導体の素のようなものからチップを切り出していく。1つのシリコンウェーハからたくさんのチップを切り出せるのだ。
シリコンウェーハは部分部分によって品質が異なるので、切り出したチップも品質がバラバラだ。
その中で高品質なチップをCore i7やi9といった高グレードのCPUにし、中品質なチップをCore i5やi3という低グレードのCPUにしている。
例えるなら、野菜や肉のような食べ物と同じだ。出来が良かったり絶品の部位は珍しいので価格が高い。出来が普通・無難に美味しい部位は平均的な値付けがされる。出来が悪いものは訳あり品として安値で販売される。
CPUも同じで、高品質なチップほど「レア度」が高いので、Core i7のほうがCore i5より価格が高いというわけだ。
違い3:BTOでのラインナップの幅
Core i5とCore i7は、BTOでのラインナップの幅が違う傾向にある。
Core i5の売りは安さなので、ゲーミングPC全体としても安さが売りの構成になっていることが多い。
一方でCore i7はコスパ重視の構成もあれば、品質や冷却性能を重視したり新規格を採用して高価格になっている構成がある。搭載しているグラボの幅も広いので、ラインナップの幅が広い。
自分に要望に合った高性能ゲーミングPCが見つかりやすいのはCore i7だ。
Core i5とCore i7の実際の性能差
Core i5とCore i7の実際の性能差を、ゲーム性能とクリエイティブ性能の2つの面から見ていく。
ゲーム性能差
i5-14400 | i5-14600K | i7-14700K | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 86 | 111 | 120 |
Starfield | 89 | 105 | 108 |
Hogwarts Legacy | 61 | 71 | 73 |
Forza Horizon 5 | 190 | 209 | 244 |
Microsoft Flight Simulator | 76 | 97 | 114 |
平均の割合 | 100% | 118% | 131% |
コスパ | 0.48 | 0.28 | 0.26 |
※グラボはRTX4090、フルHD最高設定
Core i5とCore i7とで、シングルスコアの差と同程度の差がついた。
とはいえコスパではCore i5-14400が圧倒的だ。Core i5-14600KやCore i7-14700Kはコア数が多く高額になっているが、ゲームでは6コアで十分だからだ。
また、ゲーム性能はグラボでおおよそ決まる。例えばRTX4060Tiを搭載するなら、CPUが何であろうとフルHDゲーミングで困ることはほぼない。
ゲーム用途に限って言えば、Core i7は無駄が多いと言える。
クリエイティブ性能差
特にBlenderでCore i5とCore i7の差が大きい。3Dを扱うBlenderのようなソフトは、コア数が重要になる。コア数の多いCore i7は高いパフォーマンスを期待できる。
動画編集や画像編集でもBlenderほどではないが、Core i5とCore i7とで大きな差がある。
クリエイティブ目的なら、Core i7がおすすめだ。
Core i5とCore i7のどちらを選ぶべきか
Core i5とCore i7のどちらを選ぶべきかを、ゲーム目的とクリエイティブ用途目的に分けて解説する。
ゲーム目的の場合
ゲームだけならCore i5で良い。ゲームでは多くのコア数を必要としないので、コア数の多いCore i7を選ぶ意味は薄い。
特にCore i5-14600KはCore i7-14700Kに近いゲーム性能でありながら、コア数が比較的多いので汎用性も高い。ただしCore i5-14600KはBTOでの扱いが少ないので、選択肢が限られるという欠点がある。
›Core i5-14600Kの性能ベンチマークを比較解説
安く済ませたいならCore i5-14400も魅力的だ。Core i5-14400のゲーム性能自体は他CPUに劣るが、コスパでは圧勝している。
›Core i5-14400の性能ベンチマークを比較解説
CPUをCore i5にして浮いた予算でグラボ性能を1段階上げるほうが高いフレームレートが出るというケースも多いので、ゲーム目的ならCore i5がおすすめだ。
クリエイティブ用途目的の場合
クリエイティブ用途でも使うのであれば、コア数が多めのCore i7を選びたい。
Blenderのようなコア数を使う3DCGレンダリングであればCore i7のほうが良い。
›Core i7-14700/14700Kの性能ベンチマークを比較解説
一方で動画編集や画像編集であれば、Core i5-13600Kでもかなり高いパフォーマンスを発揮する。Core i7との差も小さいのでおすすめだ。
ただし先ほども言ったように、Core i5-14600Kを扱っていないBTOもあることに注意。
›Core i5-14600Kの性能ベンチマークを比較解説
Core i5とCore i7の違いまとめ
このページでは、Core i5とCore i7の違いを紹介した。
違いをまとめると以下の通り。
- Core i5とCore i7の大きな違いは、マルチ性能と価格
- ゲーム目的ならCore i7は不必要であり、Core i5で十分
- クリエイティブ目的なら上位のCore i5やCore i7を選びたい
用途に合わせて無駄のないCPU選びをして欲しい。
›ゲーミングPCに載せるCPUの選び方を初心者でもわかるように解説