「超高性能なゲーミングPCが欲しいんだけど、RTX3090Tiってどれくらいの性能なの?」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- RTX3090Tiの特徴
- RTX3090Tiの性能ベンチマークを比較
- RTX3090Tiについての諸々を解説
RTX3090Tiは2022年3月に発売開始された、RTX30シリーズ最高のグラボだ。
このページを読めば、RTX3090Tiがどんな性能なのかがわかり、自分に合っているグラボがどうかを比較検討できる。
RTX3090Tiの特徴
RTX3090TiはRTX30シリーズ最強のグラボだが、RTX40シリーズが出た今となっては選ぶ価値のないグラボだ。
RTX3090Tiは、RTX4090の登場によって最強の座を奪われているし、ミドルハイのRTX4070Tiに性能で並ばれている。
最強のグラボが欲しいならRTX4090を選ぶべきだし、RTX3090Tiの性能を安く手に入れたいならRTX4070Tiを選ぶべきだ。
RTX3090Tiの性能表を比較解説
RTX3090Ti | RTX4090 | RTX4070Ti | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
GPUコア | GA102 | AD102 | AD104 |
プロセス | 8nm | 5nm | 5nm |
CUDAコア | 10752基 | 16384基 | 7680基 |
RTコア世代 | 第2世代 | 第3世代 | 第3世代 |
RTコア | 84基 | 128基 | 60基 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第4世代 | 第4世代 |
Tensorコア | 336基 | 512基 | 240基 |
ベースクロック | 1.67GHz | 2.23GHz | 2.31GHz |
ブーストクロック | 1.86GHz | 2.52GHz | 2.61GHz |
メモリ容量 | 24GB | 24GB | 12GB |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリクロック | 21Gbps | 21Gbps | 21Gbps |
メモリバス幅 | 384bit | 384bit | 192bit |
メモリバス帯域 | 1008GB/s | 1008GB/s | 504GB/s |
TDP | 450W | 450W | 285W |
推奨電源 | 850W | 850W | 700W |
RTX3090Ti | RTX4090 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace |
GPUコア | GA102 | AD102 |
プロセス | 8nm | 5nm |
CUDAコア | 10752基 | 16384基(152%) |
RTコア世代 | 第2世代 | 第3世代 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第4世代 |
ベースクロック | 1.67GHz | 2.23GHz(134%) |
ブーストクロック | 1.86GHz | 2.52GHz(135%) |
RTX4090はRTX40シリーズ最強のグラボだ。
各シリーズ最強のRTX3090TiとRTX4090だが、注目ポイントは以下の通り。
- コア数・クロック
- DLSS 3への対応有無
- 同等の消費電力
RTX3090Tiは、RTX4090にコア数で50%、クロックで35%の差をつけられている。
RTX4090は、RTX3090Tiから非常に大幅に性能アップしていることがわかる。
素の性能だけでなく、DLSSによる機能面でも大きな違いがある。
RTX3090TiはDLSS 2に対応していて、画質をなるべく保ったままフレームレートを向上させる「DLSS」という機能を使用できる。
RTX4090ではDLSS 3という進化版に対応していて、従来のDLSSに加えて「フレーム生成」という機能を使用可能だ。
DLSS+フレーム生成によって、素の性能差以上のパフォーマンス差がつく。
カタログスペックを見るだけでRTX3090TiとRTX4090の性能差が大きいことがわかるが、基本消費電力は同じだ。
RTX4090はプロセスルールが5nmであり、RTX3090Tiより細かい作りになっているため、電力効率が良いのだ。
RTX3090Tiを上回るのがRTX4090というわけだ。
›RTX4090の性能ベンチマークを比較解説
RTX3090Ti | RTX4070Ti | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace |
GPUコア | GA102 | AD104 |
プロセス | 8nm | 5nm |
CUDAコア | 10752基 | 7680基(71%) |
RTコア世代 | 第2世代 | 第3世代 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第4世代 |
ベースクロック | 1.67GHz | 2.31GHz(138%) |
ブーストクロック | 1.86GHz | 2.61GHz(140%) |
メモリ容量 | 24GB | 12GB(50%) |
メモリバス幅 | 384bit | 192bit(50%) |
メモリバス帯域 | 1008GB/s | 504GB/s(50%) |
TDP | 450W | 285W(63%) |
推奨電源 | 850W | 700W |
RTX4070Tiは、RTX3090Tiと同等の性能を持つ、RTX40シリーズのミドルハイグラボだ。
RTX3090TiとRTX4070Tiの主な違いは以下の通り。
- メモリ性能
- DLSS 3への対応有無
RTX3090TiとRTX4070Tiの総合力は同等だが、メモリ性能の差によって、4Kなどの高負荷時にはRTX3090Tiのほうが高パフォーマンスになる。
RTX4070Tiのメモリ容量・メモリバス幅はRTX3090Tiの半分だ。
メモリ容量に関しては大した差ではない。
ゲームでは12GBもあれば十分なことがほとんどであり、24GBが活きるのは画像AIの学習などの特殊な用途だけだからだ。
メモリバス幅は4K解像度などの高負荷時に、パフォーマンスに影響してくる。
RTX4070Tiはメモリバス幅が狭く、4K性能はRTX3090Tiに劣る。
とはいえ、そんなRTX4070Tiの欠点を補うのがDLSS 3だ。
RTX3090TiはDLSS 2に対応していて、画質をなるべく保ったままフレームレートを向上させる「DLSS」という機能を使用できる。
RTX4070TiではDLSS 3という進化版に対応していて、従来のDLSSに加えて「フレーム生成」という機能を使用可能だ。
DLSS+フレーム生成によって、RTX4070Tiが苦手な4Kでも十分すぎるパフォーマンスを発揮できる。
≫RTX3090TiとRTX4070TiのDLSS性能比較
RTX3090Tiの性能ベンチマークを比較
RTX3090Tiのグラフィック性能を、定番ベンチマーク「3DMark」で比較した。
RTX3090TiはRTX30シリーズ最強なだけあって、数値自体はかなり高い。とはいえ、RTX4070Tiと同等で、RTX4090には大敗している。
性能目当てでRTX3090Tiを選ぶ必要性はない。
RTX3090Tiのゲーム性能を比較
- RTX3090TiのWQHD性能を比較
- RTX3090Tiの4K性能を比較
- RTX3090TiのDLSS性能を比較
RTX3090TiのWQHD性能を比較
WQHD | RTX3090Ti | RTX4090 | RTX4070Ti |
---|---|---|---|
Watch Dogs Legion(RT) | 64 | 94 | 63 |
Red Dead Redemption 2 | 86 | 136 | 87 |
Horizon Zero Dawn | 164 | 176 | 159 |
Marvel’s Spider-Man Remastered(RT) | 72 | 80 | 72 |
Witcher 3 NextGen(RT) | 51 | 83 | 49 |
平均 | 87.4 | 113.8 | 86.0 |
割合 | 100%(基準) | 130% | 98% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、WQHD最高設定
RTX3090TiのWQHD性能はかなり高い。
RTX3090TiはRTX4070Tiと同等のWQHD性能で、最高設定60fpsを達成できるほどだ。レイトレーシング(RT)をオンにした一部ゲームでは60fpsに届かないことがあるが、十分な性能だと言える。
性能だけで見れば、RTX4090がRTX3090Tiを圧倒的に上回っているが、RTX3090Tiでも十分にWQHDでのプレイが可能だ。
RTX3090Tiの4K性能を比較
4K | RTX3090Ti | RTX4090 | RTX4070Ti |
---|---|---|---|
Watch Dogs Legion(RT) | 37 | 60 | 34 |
Red Dead Redemption 2 | 63 | 96 | 56 |
Horizon Zero Dawn | 107 | 149 | 92 |
Marvel’s Spider-Man Remastered(RT) | 63 | 75 | 61 |
Witcher 3 NextGen(RT) | 30 | 49 | 23 |
平均 | 60.0 | 85.8 | 53.2 |
割合 | 100%(基準) | 143% | 89% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、4K最高設定
RTX3090Tiは4K性能も高い。
平均60fpsを達成できていて、1タイトルずつ見ても60fpsを出せることが多い。
レイトレーシングをオンにした激重ゲームでは30fpsほどだが、こればかりは仕方がない。
3DMarkやWQHDでは同等性能のRTX4070Tiと比べると、4KではRTX3090Tiのほうが優れている。
4K性能に限って言えば、RTX3090Tiの勝ちだ。
RTX4090が最も優れているのは言うまでもない。
RTX3090TiのDLSS性能を比較
RTX3090Ti | RTX4070Ti | |
---|---|---|
Marvel’s Spider-Man Remastered(WQHD) | 72 | 142 |
Witcher 3 NextGen(WQHD) | 67 | 109 |
Marvel’s Spider-Man Remastered(4K) | 77 | 89 |
Witcher 3 NextGen(4K) | 47 | 56 |
DLSS平均 | 65.8 | 99.0 |
ネイティブ平均 | 54.0 | 51.3 |
※CPUはRyzen7 5800X3D、RTオン、最高設定
※RTX3090TiはDLSS、RTX4070TiはDLSS+フレーム生成
※DLSSはクオリティ(画質優先)に設定
※フレーム生成を使用するには、ゲーム側が対応している必要がある
DLSSしか使えないRTX3090Tiと、DLSS+フレーム生成を使えるRTX4070Tiを比較した。
DLSS+フレーム生成を使えるRTX4070Tiの伸びがかなり大きく、特にWQHDではRTX3090Tiの約2倍のフレームレートを叩き出している。
DLSSやフレーム生成は対応したゲームでしか使えないが、対応ゲームにおいてはRTX3090TiよりRTX4070Tiのほうが優れているというわけだ。
RTX3090Tiのクリエイティブ性能を比較
RTX3090Ti | RTX4090 | RTX4070Ti | |
---|---|---|---|
Premiere Pro PugetBench | 67.1 100% | 97.4 145% | 67.1 100% |
Photoshop PugetBench | 125.7 100% | 140.3 112% | 136.2 108% |
Blender | 6523 100% | 13089 201% | 7193 110% |
RTX3090Tiのクリエイティブ性能は、RTX4090やRTX4070Tiと比較すると低い。
クリエイティブ性能目的でRTX3090Tiを選ぶ必要性は薄い。
RTX3090Tiの消費電力とワットパフォーマンスを比較
RTX3090Ti | RTX4090 | RTX4070Ti | |
---|---|---|---|
Watch Dogs Legion(RT) | 387W | 219W | 234W |
Red Dead Redemption 2 | 399W | 343W | 241W |
Horizon Zero Dawn | 348W | 225W | 205W |
Marvel’s Spider-Man Remastered(RT) | 273W | 172W | 146W |
Witcher 3 NextGen(RT) | 435W | 364W | 253W |
平均 | 368.4W | 264.6W | 215.8W |
ワットパフォーマンス | 0.24 | 0.43 | 0.40 |
※ワットパフォーマンス=フレームレート÷消費電力 高いほうが良い
RTX3090Tiは消費電力が多すぎるし、ワットパフォーマンスも最悪だ。
RTX3090TiとRTX4090のTDPは同じだが、実際のゲーム用途での消費電力は、RTX3090Tiが圧倒的に多い。
消費電力の観点から見ても、RTX3090Tiを選ぶ意味は薄い。
【中古の評価も】RTX3090Tiの価格とコスパを比較
RTX3090Ti | RTX3090Ti (中古) | RTX4090 | RTX4070Ti | |
---|---|---|---|---|
グラボ価格 | 26.8万円 | 12.3万円 | 24.5万円 | 11.4万円 |
搭載PC価格 | 扱いなし | 扱いなし | 43万円 | 23万円 |
コスパ(ゲーム) | 2.24 | 4.88 | 3.50 | 4.67 |
コスパ(ベンチ) | 0.081 | 0.177 | 0.147 | 0.199 |
※搭載PC価格は、管理人が確認した限りの最安値
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷グラボ価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=3DMark÷グラボ価格
新品のRTX3090Tiを選ぶ意味はない。性能の割に価格が高すぎる。中古のRTX3090Tiに関しても同様に選ぶ意味はないと評価する。
中古のRTX3090Tiは、ゲーム(4K)でのコスパはRTX4070Tiをやや上回っているものの、グラフィック性能でのコスパは負けている。4KはRTX4070Tiの苦手分野なので、RTX3090Tiが少し勝っているだけだ。
リスクの大きい中古のRTX3090Tiを選ぶくらいであれば、同額でRTX4070Tiを選んだほうが良い。
›RTX4070Tiの性能ベンチマークを比較解説
RTX3090Tiに関してよくある質問
- 新品のRTX3090Ti搭載ゲーミングPCは扱われてる?
- RTX3090Tiの推奨電源は?
- RTX3090Tiを使うと電気代はいくらになる?
新品のRTX3090Ti搭載ゲーミングPCは扱われてる?
新品のRTX3090Ti搭載ゲーミングPCは扱われていない。
新品のRTX3090Ti自体がほぼ扱われていない(選ぶ意味はない)ので、RTX3090Tiを買うなら中古になる。(中古も選ぶ意味は薄い)
RTX3090Tiの推奨電源は?
RTX3090Tiの公式での推奨電源は850Wだ。
とはいえ、1000Wほどはあっても良い。
RTX3090TiのTDPは450Wで、Core i7-13700Kを搭載したとすると+125Wで合計575Wだ。
使用電力の約2倍ほどの電源容量が望ましいとされているので、1000Wあって損はない。
RTX3090Tiを使うと電気代はいくらになる?
ゲーム時の消費電力平均 | 1日5時間使用 | 30日間使用 | |
---|---|---|---|
RTX3090Ti | 368.4W | 57.10円 | 1713.06円 |
RTX4090 | 264.6W | 41.01円 | 1230.39円 |
RTX4070Ti | 215.8W | 33.45円 | 1003.47円 |
※環境によって電気代は異なる
グラボのみで計算。ここにCPUなどの他パーツの電力も加算される。
RTX3090Tiの性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、RTX3090Tiの性能ベンチマークを比較した。
RTX3090Tiについて振り返ると以下の通り。
- RTX3090TiはRTX30シリーズ最強のグラボ
- RTX40シリーズが出た今では、RTX3090Tiを選ぶ意味は全くない
- 中古のRTX3090TiもRTX4070Tiと同等くらいなので、新品のRTX4070Tiを選んだほうが良い
RTX3090Tiには、完全上位互換のRTX4070TiやRTX4090が存在するので、RTX3090Tiを選ぶ価値が無い、という評価だ。
グラボの選び方を知りたい人は以下のページを読むと良い。
≫ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方とおすすめを初心者でもわかるように解説
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- 3DMark:https://benchmarks.ul.com/
- Blender:https://opendata.blender.org/