RTX3070Tiのスペックやゲーム性能、価格を競合製品と比較!BTOから搭載PCも紹介

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管理人
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「ゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、けっこう予算あるんだよね。だからわりとスペックの高いグラボを搭載しようかなって。RTX3070Tiってどんな感じの性能なの?」って人に読んでほしいページだよ。

このページの内容は以下の通り。

  • RTX3070Tiのカタログスペックやベンチマークスコア、価格やゲーム性能を競合グラボと比較
  • RTX3070Ti搭載のゲーミングPCをおすすめBTOから紹介

RTX3070Tiは2021年6月に販売開始されたミドルハイに位置付けられるグラボだ。

このページを読めば、RTX3070Tiが自分にピッタリなグラボかどうかがわかる。

RTX3070Tiをまずは簡単に解説

  • WQHD解像度でゲームを快適にプレイできるほどの性能
  • 1段階性能が低いRTX3070と性能があまり変わらない
  • 次世代のRTX4070に押されている

RTX3070TiはRTX30シリーズのミドルハイクラスに位置付けられるグラボで、WQHD解像度でゲームをプレイできるほどの性能を持つ。

とはいえ、RTX3070RTX4070との差別化が難しく、RTX3070Tiを選ぶ意味を見出しにくいという状態になっている。

競合のグラボと比較して、RTX3070Tiがどのような性能になっているのかを見ていこう。

RTX3070TiのカタログスペックをRTX3070,4070,4070Tiと比較

RTX3070Ti RTX3070 RTX4070 RTX4070Ti
アーキテクチャ Ampere Ampere Ada Lovelace Ada Lovelace
GPUコア GA104 GA104 AD104 AD104
プロセス 8nm 8nm 5nm 5nm
CUDAコア 6144基 5888基 5888基 7680基
RTコア世代 第2世代 第2世代 第3世代 第3世代
RTコア 48基 46基 46基 60基
Tensorコア世代 第3世代 第3世代 第4世代 第4世代
Tensorコア 192基 184基 184基 240基
ベースクロック 1.58GHz 1.50GHz 1.92GHz 2.31GHz
ブーストクロック 1.77GHz 1.73GHz 2.48GHz 2.61GHz
メモリ容量 8GB 8GB 12GB 12GB
メモリタイプ GDDR6X GDDR6 GDDR6X GDDR6X
メモリクロック 19Gbps 14Gbps 21Gbps 21Gbps
メモリバス幅 256bit 256bit 192bit 192bit
メモリバス帯域 608GB/s 448GB/s 504GB/s 504GB/s
TDP 290W 220W 200W 285W
推奨電源 750W 650W 650W 700W

RTX3070TiのカタログスペックをRTX3070およびRTX4070、RTX4070Tiと比較しよう。

RTX3070TiとRTX3070の違い

RTX3070Ti RTX3070
CUDAコア 6144基 5888基(96%)
ベースクロック 1.58GHz 1.50GHz(95%)
ブーストクロック 1.77GHz 1.73GHz(98%)
メモリタイプ GDDR6X GDDR6
メモリクロック 19Gbps 14Gbps(74%)
メモリバス帯域 608GB/s 448GB/s(74%)
TDP 290W 220W(76%)
推奨電源 750W 650W

※カッコ内の数字は、RTX3070Tiを基準にしたときの割合を表す

RTX3070はRTX3070Tiの1ランク下に位置付けられるグラボだ。両者の主な違いはメモリ性能となる。

RTX3070TiはRTX3070と比べるとメモリバス帯域は同じだがメモリクロックが大きいので、メモリバス帯域も26%ぶんの差をつけている。メモリ性能は特に高負荷がかかったときにパフォーマンス差があらわれる。

メモリ性能ではRTX3070TiとRTX3070に大きな差があるが、コア性能では両者に差はほぼない。GA104のコア数は6144基であり、RTX3070Tiは全てのコアが有効化されている。しかしRTX3070の時点で5888基が有効化されているので、両者の差はたった4%ぶんしかない。

クロック数の差もほぼないに等しいので、RTX3070TiとRTX3070との差はメモリ性能だけであり、大きな性能差はなさそうなことがカタログスペックから読み取れる。

RTX3070TiとRTX4070の違い

RTX3070Ti RTX4070
アーキテクチャ Ampere Ada Lovelace
GPUコア GA104 AD104
プロセス 8nm 5nm
CUDAコア 6144基 5888基(96%)
RTコア世代 第2世代 第3世代
Tensorコア世代 第3世代 第4世代
ベースクロック 1.58GHz 1.92GHz(122%)
ブーストクロック 1.77GHz 2.48GHz(140%)
メモリ容量 8GB 12GB(150%)
メモリクロック 19Gbps 21Gbps(111%)
メモリバス幅 256bit 192bit(75%)
メモリバス帯域 608GB/s 504GB/s(83%)
TDP 290W 200W(69%)
推奨電源 750W 650W

※カッコ内の数字は、RTX3070Tiを基準にしたときの割合を表す

  • DLSS 3への対応有無
  • クロック数
  • GPUメモリ容量

RTX30シリーズにおいてRTX3070Tiの1ランク上のグラボはRTX3080だ。ただしRTX3080はすでに多くのBTOショップで扱われていないので、RTX3080と同等性能である次世代のRTX4070と比較しよう。

RTX3070TiとRTX4070の違いは色々あるが、目玉はDLSS 3への対応有無だ。
RTX3070TiもRTX4070も特定のゲームにおいてDLSS(=画質を保ったままフレームレートを向上させる技術)という機能を使えるが、RTX40シリーズのみ既存のDLSSに加えて「フレーム生成」という機能を使用できる。

フレーム生成をオンにすることでAIがフレームを補完してフレームレートが大幅に上昇するのだ。ゲームによっては数倍もの上昇が見られることもある。

機能面での大きな違いはDLSS 3への対応有無だが、もちろんGPU本体にも違いはある。
RTX3070Tiと比べるとRTX4070はクロック数が非常に高い。特にブーストクロックは40%ぶんもの差がある。

GPUメモリの差も無視できない。RTX4070はメモリバス幅が狭いのでメモリ性能自体はRTX3070Tiのほうが上だが、RTX3070Tiはメモリ容量が8GBに対してRTX4070は12GBとなっている。
基本的にゲーム用途であれば8GBもあれば十分なことが多いが、最新のゲームだと12GBを求められるケースがある。
これから数年後を見据えると、12GBのGPUメモリ容量は魅力的というわけだ。
≫RTX4070のスペックやゲーム性能、価格を競合製品と比較!BTOから搭載PCも紹介

RTX3070TiとRTX4070Tiの違い

RTX3070Ti RTX4070Ti
アーキテクチャ Ampere Ada Lovelace
GPUコア GA104 AD104
プロセス 8nm 5nm
CUDAコア 6144基 7680基(125%)
RTコア世代 第2世代 第3世代
Tensorコア世代 第3世代 第4世代
ベースクロック 1.58GHz 2.31GHz(146%)
ブーストクロック 1.77GHz 2.61GHz(147%)
メモリ容量 8GB 12GB
メモリクロック 19Gbps 21Gbps(111%)
メモリバス幅 256bit 192bit(75%)
メモリバス帯域 608GB/s 504GB/s(83%)
TDP 290W 285W(98%)
推奨電源 750W 700W

※カッコ内の数字は、RTX3070Tiを基準にしたときの割合を表す

RTX4070TiはちょうどRTX3070Tiの次世代にあたるグラボだ。RTX4070とRTX4070Tiは機能面やメモリ性能は全く同じなので、RTX4070のところで解説した内容は省く。

RTX3070TiとRTX4070Tiを比べると、コア性能で圧倒的な差をつけられていることがわかる。コア数で25%ぶん、クロック数で約50%ぶんの差がついている。
ここまでのコアの差があると、実際のパフォーマンスの差も大きいことが予想できる。

ちなみに基本消費電力はほぼ同じとなっている。
≫RTX4070Tiのスペックやゲーム性能、価格を競合製品と比較!BTOから搭載PCも紹介

RTX3070Tiのベンチマークスコアや価格を競合グラボと比較

グラフィックボード 3DMarkスコア 解像度目安 グラボ価格 1円あたりスコア 搭載PCの価格
RTX4090 35964 ~4K 27万円~ 0.133 48万円~
RTX4080 28066 ~4K 18万円~ 0.156 37万円~
RTX4070Ti 22652 ~4K 13万円~ 0.174 23万円~
RTX4070 17874 ~WQHD 9.5万円~ 0.188 20万円~
RTX3080 17554 ~4K 9.9万円~ 0.177 24万円~
RTX3070Ti 14835 ~WQHD 8万円~ 0.185 20万円~
RTX3070 13510 ~WQHD 7万円~ 0.193 18万円~
RTX3060Ti 11593 フルHD 5.8万円~ 0.200 15万円~
RTX3060 8703 フルHD 4.7万円~ 0.185 13万円~
RTX3050 6203 フルHD 3.6万円~ 0.172 10万円~

現在主流なグラボを並べたのが上の表だ。なお、ベンチマークスコアは性能の目安であり、実際のパフォーマンス通りになるわけではない。

RTX3070TiのベンチマークスコアをRTX3070,4070,4070Tiと比較

3DMark 割合
RTX4070Ti 22652 153%
RTX4070 17874 120%
RTX3070Ti 14835 100%(基準)
RTX3070 13510 91%

RTX3070TiはRTX3070とは9%のスコア差しかないが、RTX4070とは20%ぶんものスコア差がある。やはりカタログスペックで見たように、RTX3070Tiはコア数が足を引っ張っているように思える。

次世代のRTX4070Tiとは53%もの差があり、1.5倍以上のスコア差となっている。コア数とクロック数での差がスコア差につながっているような形と見える。

スコアだけを見ると、RTX3070Tiは微妙そうなグラボと言わざるを得ないだろう。

RTX3070Tiの価格やコスパをRTX3070,4070,4070Tiと比較

3DMark グラボ価格 1円あたりスコア 搭載PCの価格
RTX4070Ti 22652 13万円~ 0.174 23万円~
RTX4070 17874 9.5万円~ 0.188 20万円~
RTX3070Ti 14835 8万円~ 0.185 20万円~
RTX3070 13510 7万円~ 0.193 18万円~

コスパで見ると、意外にもRTX3070Tiは悪くない。この中だとコスパ3位だが、グラボ全体で見れば0.185という数値は高いほうだ。

ただし注目しなければならないのは、RTX3070TiとRTX4070は価格帯が被っていることだ。グラボ価格の分RTX4070搭載PCのほうが少し高価だが、どちらもBTOショップでは20万円~で扱われているので、スコアが高いRTX4070のほうが魅力的に見える。
≫RTX4070のスペックやゲーム性能、価格を競合製品と比較!BTOから搭載PCも紹介

「RTX3070Tiってもしかして微妙なの?」という疑問に答えるために、いよいよ実際のゲーム性能を見ていく。

RTX3070Tiのゲーム性能をRTX3070,4070,4070Tiと比較

  • CPUはRyzen7 5800X3D
  • 解像度はWQHD
  • 最高設定
  • 記載がない限りDLSSやレイトレーシング(RT)はオフ

なお、記載している平均フレームレートは目安であり、保証するものではない。例えば平均240fpsだからと言って、240fpsに張り付くわけではない。

RTX3070Ti RTX3070 RTX4070 RTX4070Ti
Cyberpunk 2077(RT) 26 24 35 45
Watch Dogs Legion(RT) 39 27 52 63
God of War 95 89 104 126
Red Dead Redemption 2 60 57 69 87
Horizon Zero Dawn 127 114 143 159
平均 69.4 62.2 80.6 96.0
割合 100%(基準) 90% 116% 138%

RTX3070Tiは激重ゲームのレイトレーシング(RT)オンだとさすがに低フレームレートしか出ないが、それ以外だとおおむね60fpsを出せていると言って良い。RTX3070TiはWQHD解像度に対応できるグラボと言って良さそうだ。

他のグラボと比較すると、RTX3070には10%の差をつけている一方で、RTX4070やRTX4070Tiには大差をつけられた。

RTX4070Tiとのグラボの価格差は5万円で、搭載PCで見ても価格帯が少しずれているので競合になりにくい。
一方で価格帯が似ているRTX4070との差が16%分もある。

とはいえ微妙な差だと感じる人もいるはずなので、次はDLSS性能を見ていこう。

【DLSS性能比較】RTX3070Ti vs RTX4070 vs RTX4070Ti

RTX3070Ti RTX4070 RTX4070Ti
Cyberpunk 2077(RT) 26 35 45
Hogwarts Legacy 67 67 78
Marvel’s Spider-Man Remastered 71 71 72
平均 54.7 57.8 65.0
Cyberpunk 2077(RT)
DLSS/DLSS+フレーム生成
51 97 119
Hogwarts Legacy
DLSS/DLSS+フレーム生成
89 132 172
Marvel’s Spider-Man Remastered
DLSS/DLSS+フレーム生成
72 138 142
平均 70.7 122.3 144.3

RTX3070TiはDLSSのみ、RTX4070およびRTX4070TiはDLSS+フレーム生成をオンにしている。

DLSSオフのときは見ての通り差が小さい。これらのゲームは特に重いゲームなのでRTX4070のコア数とメモリ性能の貧弱さが影響して、RTX3070TiとRTX4070との差が小さくなっているのだろう。

一方でDLSS使用時は、RTX4070/RTX4070Tiが圧勝だ。DLSSのみ使用しているRTX3070Tiも54.7→70.7と約130%のパフォーマンスを発揮しているが、DLSS+フレーム生成を使用できるRTX4070は57.8→122.3と2倍以上のフレームレートを叩き出している。

フレーム生成は新しい技術なのでDLSSより対応ゲームが少ないというデメリットはある(参考:NVIDIA公式)が、時が経つにつれて既存の主流ゲームは対応するはずなので、将来性という点でRTX4070/4070Tiは圧勝と言える。
≫RTX4070のスペックやゲーム性能、価格を競合製品と比較!BTOから搭載PCも紹介

RTX3070Tiは微妙な立ち位置のミドルハイグラボ

正直なところ、RTX3070Tiはあまり魅力を感じないグラボだ。

WQHD解像度の適性は高いがRTX3070との差が小さく、価格を重視したいならRTX3070で良いということになるし、性能を重視したいならRTX4070で良いということになる。

将来性という観点から見てもRTX4070のほうが優れていて、約1万円程度の差であれば投資する意味があると感じる人が多いはずだ。

「どうしてもRTX3070Ti搭載PCの価格までしか出せない」「セールでRTX3070Ti搭載PCがかなり安い」というような状況以外だとRTX3070Tiを選ぶ意味は薄いと言わざるを得ない、というのが結論だ。

RTX3070Tiとの組み合わせにおすすめなCPU

Core i7は性能重視、Core i5-13400やRyzen7 5700Xは価格重視のCPUだ。BTOショップではCore i7-13700やRyzen7 5700Xが多い。

RTX3070Ti搭載のゲーミングPCをおすすめBTOから紹介!

型番 おすすめ1 おすすめ2
外観 ツクモのゲーミングPCサンプル1 フロンティアのゲーミングPCサンプル7
特徴 価格重視の人向け 性能重視の人向け
セール期間 終了 ~6月15日15時
CPU Ryzen7 5700X Core i7-13700F
GPU GeForce RTX3070Ti GeForce RTX3070Ti
価格(税込) 196,800円 229,800円

RTX3070Ti搭載のゲーミングPCを、おすすめのBTOショップから紹介する。
RTX3070TiはBTOショップでの取り扱いが非常に少なくなってきている。もしRTX3070Ti搭載PCを求めているなら見逃し厳禁だ。

BTOショップのカスタマイズについてわからない人は以下のページを参考にすると良い。
≫初心者におすすめのBTOカスタマイズを紹介!満足のいくゲーミングPCにしよう

おすすめ1:Ryzen7 5700X×RTX3070Tiのコスパ重視モデル

Ryzen7 5700X×RTX3070Ti搭載のツクモのゲーミングPC

G-GEAR GA5A-D221/B Ryzen7 5700X×RTX3070Ti
メーカー ツクモ
セール期間 終了(セール情報)
CPU Ryzen7 5700X
GPU GeForce RTX3070Ti
メモリ 32GB(16GB×2)(DDR4-3200)
ストレージ 1TB(M.2 NVMe SSD)
価格(税込) 196,800円

※2023年5月3日現在での情報

おすすめ1は、PCパーツショップとして有名なツクモのゲーミングPCだ。

RTX3070TiはRTX4070と差別化するために安さで勝負するしかないという雰囲気があるので、Ryzen7 5700Xはピッタリだ。
Ryzen7 5700Xは新世代のCPUが出たことで値下がりしてコスパに優れているCPUだからだ。

全体的な構成としてもRTX3070Ti搭載モデルとして過不足ないので、安くRTX3070Tiを手に入れたいは必見だ。

おすすめ2:Core i7-13700F搭載の総合力重視モデル

Core i7-13700F×RTX3070Ti搭載のフロンティアゲーミングPC

FRGAG-B760/M517/NTK
メーカー フロンティア
セール期間 ~6月15日15時(セール情報)
CPU Intel Core i7-13700F
GPU GeForce RTX3070Ti
メモリ 16GB(8GB×2)(DDR4-3200)
ストレージ 1TB(M.2 NVMe SSD)
価格(税込) 229,800円

※2023年5月19日現在での情報

  • 性能の高いCore i7-13700Fを搭載
  • ゲーム性能だけでなく総合的な性能を求める人向け

おすすめ2は、セール頻度とセール時の安さで有名なフロンティアのゲーミングPCだ。

CPUはCore i7-13700Fで、かなり総合力の高いCPUだ。1世代前のCore i7-12700と比べてコアが増えているため、主にクリエイティブ用途でのパフォーマンス上昇が見られる。

価格やコスパだけでなく、総合力を求める人におすすめだ。

RTX3070Tiの性能と搭載ゲーミングPCまとめ

  • RTX3070TiはWQHD適性が高いグラボ
  • RTX3070やRTX4070に様々な観点から負けている

このページでは、RTX3070Tiの性能解説をし、搭載ゲーミングPCをおすすめのBTOから紹介した。RTX3070Tiが自分に合ったグラボかどうかの判断がついたはずだ。

グラボの選び方について知りたいなら以下のページを参照すると良い。
≫ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方とおすすめを初心者でもわかるように解説

参考サイト

このページで紹介したベンチマークスコアは以下のサイトから引用している。

参考:https://benchmarks.ul.com/compare/best-gpus

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