
「ゲーミングPCをBTOショップで買おうと思ってるんだけど、ストレージってどれくらいの容量にすれば良いの?イメージしづらくてわからないんだよね」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- SSDとHDDとの違い。ストレージの基礎知識
- ゲームの推奨要件から見る、ゲーミングPCに最適なストレージ容量
- ゲーミングPCに最適なストレージ構成
ストレージはゲーミングPCのデータを保存する場所だ。ストレージの容量が大きければたくさんのゲームをインストールしてPCに入れておける。
このページを読めばゲーミングPCに最適なストレージ容量・構成がわかる。
【基礎知識】SSD・HDDとは記憶装置の種類
メリット | デメリット | |
SSD | 読み書き速度がはやいためゲーミングPCに最適 駆動部分がないため静音 |
価格が高い |
HDD | 大容量・安価なため、大量のデータを扱う人にぴったり | 読み書き速度がSSDと比べると遅い 駆動部分があるため動作音がして、衝撃に弱い |
一口にストレージと言っても、2つの種類がある。SSDとHDDだ。最適なストレージを判断するためにも必要な知識となっている。
SSDの特徴は読み書き速度の速さ
SSDはメモリチップにデータを書き込むため、速度が非常にはやい。SSDにOSを入れておけばゲーミングPCの起動がはやくなるし、ゲームを入れておけば起動やロード時間が短くなる。HDDと比べるとだいたい半分以下の待ち時間だ。
USBをイメージしてもらえればわかりやすい。USBのデータを開くのにほぼ時間がかからないはずだし、駆動音もしないだろう。(別物ではあるが、ここではイメージを掴んでもらうための例)
一方でSSDは価格が高いというデメリットがある。少し比べるのが難しいが、1GBあたりの価格を見るとHDDの3~10倍ほどだ。とはいえ1TBのSSDで1万円ほどなのでそこまで高額なわけではない。
ゲーミングPCのメインストレージはSSD一択だ。
NVMe・SATAは接続規格の種類
メリット | デメリット | |
NVMe | 転送速度がはやい | SATAの1.5~2倍ほどの価格 |
SATA | 価格が安い | 転送速度が遅い |
BTOショップでSSDをカスタマイズするときに、NVMeやSATAという用語が出てくることがある。これらは接続規格の種類を表している。
NVMeはSATAより新しい規格で、データ転送速度がはやい。とはいえ、ベンチマークスコアで見ると2倍ほどの差があるものの、実際の体感速度の差は数秒にとどまることが多い。OSやゲームくらいであればSATAで事足りるからだ。
BTOショップの標準構成はNVMeになっていて変えられないことが多い。2つめのSSDを搭載する場合は安価なSATAも候補に入る。
PCIe4.0とは拡張バスや拡張スロットの接続規格
BTOショップでSSDをカスタマイズするときに、PCIe4.0という用語が出てくることがある。「NVMe PCIe4.0」などと書かれていることが多い。
詳しい話はどうでも良いので省くが、PCIe4.0と書かれているNVMe SSDはより転送速度がはやい。その分価格も高い。
ただしPCIe4.0 NVMe SSDであっても、SATA SSDと比べて体感速度は数秒しか変わらない。そのため特にこだわりがないのであれば気にする必要はない。
HDDの特徴は大容量・安価
SSDと対照的な特徴を持つのがHDDだ。SSDと比べて転送速度が遅いため、OSやゲームの起動時間・ロード時間が長くなる。SSDの2倍以上の起動・ロード時間がかかると思って良い。
そのため、ゲーミングPCのメインストレージにHDDはふさわしくない。ストレスマッハでイライラするからだ。実際、BTOショップのゲーミングPCの標準構成にHDDはついていないことがほとんどだ。
ただHDDは大容量で安価というメリットもある。SSDが512GB~2TBなのに対し、HDDは1TB~12TBだ。1GB当たりの価格はSSDの1/10~1/3ほどだ。
HDDは大量のデータを保存しておくのにはうってつけと言える。例えばYoutubeへの投稿用の動画を保存しておく場合だ。ゲーム実況者でなくても、クリップを撮るために録画を回しておくということはある。
動画を保存したりする場合はHDDをつけよう。ゲーミングPCを買った後に外付けすることも可能だ。
【基礎知識】ストレージは容量いっぱい使えるわけではない
例えば512GBのSSDを搭載しているからといって、512GBすべてを使えるわけではない。
Windows11の場合、OSインストールに64GBの空き容量が要求される。(実際に使われるのは20GBほど)
さらに、もし512GBいっぱいに使ってしまうとパフォーマンスが下がるし寿命が短くなると言われている。根拠は不明だが、全容量の30%ほどの空き容量が必要というのが共通認識だ。
つまり、512GBのSSDだと約360GBまで、1TBのSSDだと700GBまでの使用にとどめておくべきということだ。ここからOSの分が引かれるため、使用できる容量はさらに減る。
何にせよ、使用できる容量は約7割だと覚えておけば良い。
ゲーミングPCに搭載するストレージの最適容量を考える
BTOショップのゲーミングPCに搭載されているストレージ(SSD)は最低で512GBだ。ハイエンドモデルだと1TB以上が搭載されている。
では果たして512GBで足りるのかどうか、ストレージの最適容量はいくらなのかを考えていこう。
ゲームに使用する容量からストレージの最適容量を考える
ゲーミングPCの主な用途であるゲームの容量からストレージをいくら搭載するか見ていこう。ゲームはSSDに入れることが多いので、SSDの容量を決めるときの参考にしてほしい。
このページで見ていくゲームは以下の72タイトルだ。「PCゲーム おすすめ」で調べて出てきたゲームを主にラインナップしてある。
ゲーム名 | ストレージ(GB) |
Age of Empires Ⅳ | 50 |
Apex Legends | 56 |
ARK: Survival Evolved | 60 |
ARMA3 | 70 |
Assassin’s Creed Odyssey | 46 |
BattlefieldⅤ | 50 |
Borderlands 3 | 75 |
Call of Duty Modern Warfare | 175 |
Cities:Skylines | 4 |
CODE VEIN | 35 |
CSGO | 15 |
DARK SOULS Ⅲ | 25 |
DayZ | 25 |
Dead by Daylight | 25 |
DEKARON | 15 |
DOOM Eternal | 50 |
DOTA2 | 15 |
ELYON | 50 |
Euro Truck Simulator 2 | 1.5 |
Fallout 76 | 60 |
FARCRY 5 | 40 |
Farming Simulator 19 | 35 |
FIFA21 | 50 |
FINAL FANTASY14 | 60 |
FINAL FANTASY15 | 100 |
Fortnite | 40 |
Frostpunk | 8 |
Grand Theft AutoⅤ | 100 |
Hearthstone | 3 |
Hunting Simulator | 17 |
Killing Floor 2 | 100 |
Kingdom Come: Deliverance | 90 |
League of Legends | 16 |
Left 4 Dead 2 | 13 |
Legends of Runeterra | 16 |
LOST ARK | 50 |
Minecraft | 4 |
Moonlighter | 4 |
NieR:Automata | 50 |
Overwatch | 30 |
PAYDAY 2 | 83 |
PUBG | 33 |
Red Dead Redemption2 | 150 |
Rocket League | 20 |
Sekiro:Shadows Die Twice | 25 |
Sid Meier’s Civilization VI | 13 |
SMITE | 10 |
Team Fortress2 | 15 |
Teamfight Tactics | 16 |
The Elder Scrolls Ⅴ:Skyrim | 6 |
The Sims 4 | 18 |
The Witcher 3: Wild Hunt | 35 |
theHunter: Call of the Wild | 60 |
Tom Clancy’s Rainbow Six Siege | 85.5 |
UNDERTALE | 0.2 |
VALORANT | 10 |
Visage | 10 |
War Thunder | 35 |
WARFRAME | 50 |
Watch Dogs 2 | 50 |
Winning Post 9 2021 | 10 |
World of Warships | 73 |
ストリートファイターV | 30 |
デイメア:1998 | 23 |
ドラゴンクエストⅩ | 32 |
モンスターハンターワールド | 50 |
黒い砂漠 | 41 |
三國志14 | 20 |
信長の野望・大志 | 10 |
絶体絶命都市4Plus | 27 |
太閤立志伝 | 8 |
天穂のサクナヒメ | 7 |
以上の表をまとめるとこのようになる。
範囲 | 該当タイトル数 | 累積比率 |
10GB未満 | 10 | 13.9% |
10GB以上20GB未満 | 16 | 36.1% |
20GB以上30GB未満 | 8 | 47.2% |
30GB以上40GB未満 | 8 | 58.3% |
40GB以上50GB未満 | 4 | 63.9% |
50GB以上60GB未満 | 11 | 79.2% |
60GB以上70GB未満 | 4 | 84.7% |
70GB以上80GB未満 | 3 | 88.9% |
80GB以上90GB未満 | 2 | 91.7% |
90GB以上100GB未満 | 1 | 93.1% |
100GB以上 | 5 | 100% |
20GB未満のタイトルが36.1%で多いためか平均容量は38.7GBほどになっている。ただしApexやFortniteのような人気ゲームは平均以上の容量だ。
60GB以上の大容量なタイトルも20.8%なので決して無視できる数ではない。
仮に512GBのSSDを選んだとすると、実際に使える容量は340GBほどだ。仮に10GB・50GB・100GBのゲームを1本ずつインストールすると残量は180GBとなる。2本ずつだと残量は20GBだ。
1~3本のゲームしかインストールしないのであれば512GBで十分そうだが、複数のゲームをインストールする(特に対戦ゲーム)のであれば512GBでは心許ないと感じる人が多いはずだ。
ソフトの容量から見るストレージ
ゲーミングPCにインストールするのはゲームだけではない。ソフトやアプリの容量も無視してはいけない。以下の表は一部のソフトの容量を書き出したものだ。
ソフト・アプリ | 容量 |
Steam | 0.5GB |
OBS Studio | 0.25GB |
Chrome | 0.5GB |
GIMP | 1GB |
Photoshop | 4GB |
Adobe Premiere Pro | 8GB |
クリエイティブ系のソフトであれば最低でも1GBの容量となっている。クリエイティブ系以外のソフトであれば1GBもあれば十分と言える。
多く見積もっても20GBほどをソフトやアプリ用と思っておけば良さそうだ。
画像や動画の容量から見るストレージ
ゲーミングPCでスクリーンショットを撮ったりゲーム画面を録画したりすると、画像や動画が溜まっていく。画像や動画がストレージをどれほど圧迫するのかを見ていこう。
画像・動画 | 容量 |
フルHD画像(JPG) | 250KB~ |
フルHD画像(PNG) | 2MB~ |
フルHD動画(1時間) | 6GB~ |
画像の場合は拡張子によって容量が異なるが、PNGでも1枚2MBほどだ。1000枚で2GB、1万枚で20GBとなる。YouTubeのサムネや素材で大量の画像を扱う場合はかなりの容量になるが、一般的なゲーマーであれば気にしなくて良いだろう。
動画の場合は設定によって容量が大きく変わるが、1時間の動画でおおよそ6GBだ。毎日1時間録画をしながらゲームをしたと仮定すると180GBの容量を使うことになる。当然削除していけば容量は減っていくが、「気づいたら100GB超えてた」というようなことが意外と頻発するものだ。
画像はともかく、動画ファイルを扱うとなるとかなりの容量を使うことがわかる。
ゲーミングPCに最適なストレージ構成を考える
ゲーミングPCに搭載するストレージであれば以下の4パターンになる。
- 512GBのSSD
- 1TBのSSD
- SSD+SSD
- SSD+HDD
データ転送速度がはやいSSDを搭載するのは確定だが、容量や2つめのストレージをどうするかが問題だ。以下ではそれぞれどんな人向けのかを解説する。
512GBのSSDで十分な人
特定の1~2本のゲームにしか興味がない人であれば512GBのSSDで十分だ。
ゲーミングPCで最も容量をとるのがゲームなので、1~2本しかゲームをしないのであれば512GBで事足りる。
512GBのSSDは最も安いので、なるべく安くゲーミングPCを手に入れたい人にもおすすめだ。
1TBのSSDにする人
ゲーミングPCで色々なゲームをプレイしたい人や、容量に余裕を持っておきたいという人は1TBのSSDがおすすめだ。
1TBもあれば大量のゲームをインストールしない限り足りなくなることはないし、動画ファイルを少し扱ったところで余裕だ。
金額が跳ね上がるわけでもないので、予算があるなら1TBのSSDを選んでおいて損はない。
SSD+SSDにする人
- NVMe SSD+SATA SSD(比較的安価)
- NVMe SSD+NVMe SSD(高価)
SSDを2つは富豪用の組み合わせだ。大量のゲームをインストールする予定の人だけにしかおすすめしない。
なお、2TBのSSDを1枚搭載するより1TB+1TBで2枚搭載したほうが安くなる傾向にある。
SSD+HDDにする人
大量の動画ファイルを扱う人はSSDのほかにHDDを搭載するべきだ。動画ファイルをSSDに保存する必要はないし、HDDは安価で大容量なので動画ファイルが大量に増えても安心だ。
自分がどれくらいの容量の動画ファイルを扱うかのイメージはしづらいと思うので、HDDの容量は予算で選んで構わない。
ゲーミングPCのストレージが不足したときの簡単にできる対処法
ゲーミングPCを買うときは十分だと思ったストレージも、実際に使ってみたら容量が足りないということがある。そんなときに誰でも簡単にできる対処法を解説する。
まずは要らないゲームやファイルを削除する
ゲーミングPCに入っているデータすべてが必要かと言われるとそうではない場合が多い。
完全にクリアしたRPGゲームや最近全く触っていない対戦ゲームなど、要らないゲームはアンインストールしてしまおう。
Steamのゲームであればセーブデータはクラウド上に残っている場合が多いし、対戦ゲームはサーバー上にデータがあるので、自分のPC上からアンインストールしてもセーブデータが消えることは基本的に無い。
動画ファイルに関しても同じで、録画して放置したままになっている動画ファイルが溜まっている場合がある。長く放置している動画ファイルは二度と使用することが無い(使用しないからこそずっと放置している)ので、さっさと消して容量を確保しよう。
外付けSSD・HDDを利用する
SSDやHDDはゲーミングPCに内蔵するものだという固定観念を持っているかもしれないが、実は外付けSSD・HDDもある。USB接続でゲーミングPCに挿しこむだけなので簡単に利用できるのが特徴だ。
一般的に外付けタイプは内蔵タイプより性能が低いが、最近だと内蔵タイプと同じくらいの転送速度を持つ外付けタイプもあるので、容量が足りなくなったときの対処法として十分な役割を果たしてくれる。
クラウドストレージを利用する
クラウドストレージはインターネット上のストレージのことだ。自分のSSDやHDDを圧迫することなくデータを保存できる。
クラウドストレージを利用すれば手元のストレージを他のことに使えるし、突然ストレージが故障してもデータを守ることができるのだ。ゲーム用途ではなく動画ファイルなどを保存するために使おう。
有名どころだとGoogleドライブやDropboxが代表的なクラウドストレージだ。無料版だと容量が少ないため大量の動画ファイルを扱うなら有料版を利用する必要があるのがデメリットだが、試しに無料版を使ってみると良い。
ゲーミングPCに最適なストレージ容量・構成のまとめ
- SSDはOSやゲーム用。HDDは動画用
- 実際に使用できるストレージは全容量の7割ほど
- SSDを512GBにするか1TBにするかは人によるが、1TBあると安心
このページではゲーミングPCに搭載するストレージの容量や構成について解説した。自分の用途に合った容量を見つけて過不足ないようにしてほしい。
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