
「BTOショップでゲーミングPC買おうと思ってるんだけど、セキュリティソフトって必要なのかな?カスタマイズで有料版にできるらしいけどどうしよう?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- セキュリティソフトの基礎知識
- ゲーミングPCに有料のセキュリティソフトは必要ない
- おすすめのセキュリティソフト
BTOショップでゲーミングPCを買おうとすると、セキュリティソフトの選択を迫られる。このページを読めば、ゲーミングPCのセキュリティ対策について理解を深めることができる。
セキュリティソフトとはPCの警備員
PCに入れておくことでPC内を巡回し、異変があれば知らせてくれるという警備員のような役割を持つソフトがセキュリティソフトだ。ウイルス対策ソフトなどと呼ばれることもあるが同じものだ。
インターネットは世界中の人が誰でもアクセスできるため、悪意のある人やウェブサイトも存在する。そういった悪意が自分のPCに迫ってきたときにセキュリティソフトが知らせてくれるというわけだ。
セキュリティソフトには無料と有料の両方があるが、どちらを選ぶべきかは人によって変わる。ついつい無料<有料と思いがちだが、みんながみんな有料セキュリティソフトを選べば良いというわけではないことに注意。
セキュリティソフトがないとマルウェアに感染する可能性が高くなる
セキュリティソフトがPCに入ってないということは、PCに警備員がいない状態ということだ。つまり悪意のある人からの攻撃(=マルウェア)に無防備になる。
マルウェアとは悪意のあるプログラムやソフトウェアのことだ。ウイルスという言葉のほうがなじみがある人がいるかもしれない。ウイルスはマルウェアの一種だ。
マルウェアに感染すると様々な被害にあってしまう。以下は被害の一例だ。
- 個人情報が流出する
- PCを乗っ取られる
- PCの動作が重くなったり不具合が発生したりする
個人情報が流出する
「ゲーミングPCはゲームに使ってるだけだし、大した個人情報は入っていないよ」と思いがちだが、大きな間違いだ。
ゲーミングPCにはGoogleアカウント情報・Steamへのログイン情報・ゲームのアカウント情報・クレジットカード情報などなど、たくさんの個人情報が入っている。PCを使っていて個人情報を1つも入力していないということはあり得ない。
例えばクレジットカード情報が流出すると不正利用される可能性がある。確実に大きな被害が降りかかってくるというわけだ。
PCを乗っ取られる
PCを乗っ取られてしまうと、自分が加害者になる可能性がある。メールに添付するURLにマルウェアを仕掛けておいて送信し、送信相手にマルウェアを感染させるという手口だ。
送信相手からすると知り合いであるあなたからのメールなので、警戒することなく添付されているURLを開いてしまうこともある。するとマルウェアに感染するのだ。
また、サイバー攻撃の手駒にされることもある。自分のPCが他のPCへの攻撃に勝手に使用されるのだ。身に覚えがなかったとしても、あなたのPCから攻撃が行われていることになってしまう。
自分だけでなく知り合いを含めた不特定多数に迷惑をかけてしまうこともあるということだ。
PCの動作が重くなったり不具合が発生したりする
マルウェアはプログラムなので、表面上は見えなくても裏で動作をしてPCを圧迫している。マルウェアに感染すると目に見えてPCの動作が遅くなることがあるのだ。
他にもPCのデータを勝手に書き換えられたり、PCのデータをロックされて身代金を要求されるということもある。
無料と有料のセキュリティソフトがある
マルウェアからPCを守るセキュリティソフトには、無料のものと有料のものがある。どちらもウイルススキャンは行ってくれるが、無料版にはトラブル時のサポートがついていなかったり高度なセキュリティ機能がついていなかったりする。
以下の表はセキュリティソフトの一例だ。
セキュリティソフト | 金額(1年版) |
ウイルスバスター | 5,720円~(税込) |
ノートン | 4,380円~(税込) |
マカフィー | 2,970円~(税込) |
Microsoft Defender | 無料 |
Avast! | 無料 |
AVG | 無料 |
ゲーミングPCに外部のセキュリティソフトを入れる必要性は薄い
いよいよ本題の、ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要なのかどうかについて解説する。
結論から言えば、ゲーミングPCにセキュリティソフトを新たに入れる必要性は薄い。ゲーミングPC(Windows)に標準搭載されているMicrosoft Defender(旧Windows Defender)で十分だからだ。
実際私はここ数年Microsoft Defenderのみにセキュリティを任せているが、何も問題が起きていない。インターネットで調べても、Microsoft Defenderで十分だという声が大きい。
それに、セキュリティソフトの中には動作が重いものもあり、動作を軽くしたいゲーミングPCには不向きだ。特に、ゲーム中にスキャンが始まってしまったときには動作が非常に重くなる。
Microsoft Defenderにはスパムメールや悪意のあるサイトをはじくといった機能はないので、有料のセキュリティソフトを使うべきという声もある。たしかにMicrosoft Defenderのセキュリティ機能は部分的であり、インターネットの悪意全体に対応はできない。
だがゲーミングPCであれば仕事で使うことがないしメールのやり取りもしないので、通常のPCよりマルウェア感染のリスクは低い。
ゲーミングPCをBTOショップで買うと、お試し版のセキュリティソフトがインストールされているが、消してもらっても構わない。追加でセキュリティソフトを購入する必要性も薄い。
Microsoft Defenderは優秀なセキュリティソフト
ゲーミングPCのセキュリティはMicrosoft Defenderで十分だという根拠は、実際のセキュリティテストにある。
AV Comparativesという、セキュリティソフトを評価する第三者機関が定期的に行っているテストによれば、Microsoft Defenderは他の有料セキュリティソフトに匹敵するレベルでセキュリティ性能が高いことがわかる。
以下はAV Comparativesのテスト結果だ。10019のサンプリングでのテストとなっている。

オレンジがマルウェアを防げなかった割合、黄色がユーザーが手動で招き入れてしまった割合、灰色がマルウェアをブロックした割合、折れ線は誤検出数を示している。
Microsoft Defenderは表の「Microsoft」のところだ。表を見ると、有名な有料セキュリティソフト「ノートン」と同等のブロック率だとわかる。「カスペルスキー」や「ウイルスバスター」よりブロック率が高い。
ちなみに、このテスト結果は2022年10月17日時点で最新のものだ。定期的にテストが行われているため、常にこの結果通りになっているわけではないことに注意。
Microsoft Defenderの欠点・デメリット
Microsoft Defenderのセキュリティ性能は高いことがわかったと思うが、完璧なセキュリティソフトではないことを忘れてはならない。
Microsoft Defenderはインターネット上の脅威の一部分だけをブロックするものであり、総合的に脅威に対抗できるものではないことに注意したい。
- スパムメールのブロック機能はない
- インターネットバンキングの保護機能はない
- サポート対応がないに等しい
スパムメールのブロック機能はない
いわゆる迷惑メールを自動で検知して削除してくれるような機能がMicrosoft Defenderには備わっていない。
とはいえ、メールの中身のマルウェアが悪さをしようとした時には検知してくれるので安心してほしい。
インターネットバンキングの保護機能はない
インターネットバンキングのログイン情報を保護する機能はMicrosoft Defenderにはついていない。ログイン情報が盗まれたら銀行のお金も盗まれるため、注意したい。
ただ、ゲーミングPCでインターネットバンキングを利用することはあまりないと思うので、そこまで気にしなくても良いかもしれない。
サポート対応がないに等しい
Microsoft Defenderにはサポート機能がないため、万が一マルウェアに感染した場合や疑問点などがあった場合に自分で解決しなければならない。
有料セキュリティソフトの場合はサポートが電話対応してくれるため、知識が全くない人でも安心だ。
マルウェア感染を防ぐためにすべきこと
Microsoft Defenderをオンにさえしておけば絶対にマルウェアに感染しないわけではない。マルウェアに感染しないためにも、ユーザー側が気を付けるべきこと・やっておくべきことがいくつかある。
Windowsを最新の状態にしておく
Microsoft DefenderはWindowsの機能の1つだ。
古いバージョンのWindowsを使っている場合、Microsoft Defenderが対応できるマルウェアの情報も古く、最新のマルウェアに対応できない可能性が高い。
日々新しいマルウェアが誕生しているため、常に最新のWindowsに更新しておこう。
提供元がわからないソフトやアプリをインストールしない
ゲーミングPCを買うと、つい色々なことがしたくなるものだ。時にはよくわからないサイトのソフトやアプリをインストールすることがあるかもしれない。
だが、提供元が不明のソフトはマルウェアが入っている可能性が高い。きちんとした企業が提供しているソフトだけをインストールするようにしよう。
怪しいサイト、URLにアクセスしない
違法動画が転がっているようなムフフなサイトや、サイトに入った瞬間に「おめでとうございます!あなたは賞金を手に入れました!詳しくはこちら!」のようなポップアップがでるサイトは利用しないほうが良い。
そういった怪しすぎるサイトで個人情報を入力しようものならすぐに悪用されてしまう。
サイト以外にも、メールやDMに添付されているURLはクリックしないほうが良い。仮に知り合いから謎のURLが送られてきた場合でもクリックしてはならない。その知り合いがすでに乗っ取られている可能性があるからだ。
Chromeを使う場合は拡張機能を入れる
検索ブラウザとしてchromeを使う場合は、Microsoft Defender Browser Protectionというchromeの拡張機能を入れよう。この拡張機能はchromeを保護するためのものだ。
Microsoft DefenderにはMicrosoft Edgeを保護する機能しかついていない。しかし検索ブラウザとしてMicrosoft Edgeを使う人はあまり多くなく、スマホ版との同期が可能で使いやすいchromeを選ぶ人がほとんどだ。
通常Microsoft Defenderにはchromeを保護する機能がついておらず、デフォルトの状態だと悪意のあるサイトに入っても警告が出ない。
そこでMicrosoft Defender Browser Protectionという拡張機能を入れておけば、Microsoft Edgeの保護機能と同じものがchromeで使えるようになるというわけだ。
ちなみにMicrosoft Defender Browser ProtectionはMicrosoftが無料で提供しているものなので安心してほしい。
≫chromeウェブストアのMicrosoft Defender Browser Protectionページを見る
複数のセキュリティソフトを入れる必要性はない
「セキュリティソフトを2つや3つ入れれば最強の防御力になるのでは?」と思う人がいるかもしれないが、絶対にやめておこう。
複数のセキュリティソフトをオンにすると、セキュリティソフト同士が干渉しあってうまく機能しなくなる。PCが重くなる原因にもなるため、複数のセキュリティソフトは全く必要ない。
特に無料のセキュリティソフトは必要ない。無料のセキュリティソフトはMicrosoft Defenderの下位互換と言っても過言ではないからだ。優秀なMicrosoft Defenderを差し置いて他の無料セキュリティソフトを入れる意味はない。
常駐型と非常駐型の共存はOK
セキュリティソフトには常駐型と非常駐型の2種類があり、前者は常に監視していて後者は手動で操作したときのみスキャンするという違いがある。
Microsoft Defenderを含め、セキュリティソフトと言ったときには常駐型を指すことが多い。つまり基本的にセキュリティソフトは1台のPCに1つまでだが、常駐型1つ+非常駐型1つという組み合わせであればOKということだ。
個人的には常駐型だけで良いと思っているのでここで非常駐型の紹介はしないが、頭の隅に置いておくと良い。
別の常駐型セキュリティソフトが入っているときはMicrosoft Defenderはオフになる
Microsoft Defenderは、別の常駐型セキュリティソフトがオンになると自動的にオフになる。
反対に、別の常駐型セキュリティソフトがオフになるとMicrosoft Defenderは自動的にオンになる。重複して不具合が起きることはないので安心してほしい。
BTOショップでゲーミングPCを買うと、セキュリティソフトの無料お試し版がインストールされている。つまりPCを買った時点ではMicrosoft Defenderはオフになっているということだ。
安心が欲しいなら有料セキュリティソフトを導入すべき
基本的にはMicrosoft Defenderで十分だが、どうしても無料のセキュリティソフトでは安心できないという人もいるはず。そういう人であれば有料のセキュリティソフトを入れるしかない。
有料セキュリティソフトはMicrosoft Defenderより幅広いセキュリティが可能だし、サポートも充実している。PCだけではなくスマホにも導入できることが多く、有料なぶんMicrosoft Defenderより充実したサービス内容となっている。
ゲーミングPCに搭載する場合に選びたい有料セキュリティソフト
AV-Comparativesのような第三者機関が評価しているセキュリティソフトから選んだほうが良い。
第三者機関にデータがないということはセキュリティソフトの客観的な評価ができないということだし、評価を依頼していないということは「ソフトに自信がないのか?」と勘ぐってしまう。
以下ではゲーミングPCに搭載する場合に選びたい有料セキュリティソフトを紹介する。各セキュリティソフトで色々な製品ラインナップがあって価格が異なるので、代表的な製品の価格を記載している。
ESET(イーセット)
価格(税込) | 3年版6,600円 |
サポート対応時間 | 9時~17時(土日祝日も含む) |
ESETの特徴は動作の軽さと誤検出率の低さだ。
ゲーミングPCはなるべくパフォーマンスを高く保ちたいので、動作が軽いのは評価に値する。ESETはAV-Comparativesでは2022年の動作が軽いセキュリティソフト第3位にランクインしているほどだ。
誤検出率に関しても同じく2022年の誤検出率が低いセキュリティソフトランキングで1位を獲得している。誤検出が発生するとソフトのインストールが失敗したりプログラムがフリーズしたりするので、誤検出率の低さも見ておきたい項目の1つなのだ。
3年で6,600円という安さもESETの魅力なので、とりあえず有料のセキュリティソフトで安心を買いたいという人におすすめだ。
Norton(ノートン)
価格(税込) | 1年版4,780円 |
サポート対応時間 | 平日10時~19時 チャットサポートは24時間対応 |
Nortonの最大の特徴はセキュリティ性能の高さだ。AV-Comparativesのテストによれば、2022年のマルウェア保護テストで1位に輝いているし、各期間のテスト結果を見てもNortonのセキュリティ性能の高さがわかる。
「セキュリティ性能が高いと動作が重そうだけどどうなの?」という人がいるかもしれないが、Nortonは動作も軽めだ。先ほど紹介したESETのようにとても軽いわけではないが、平均的な軽さとなっている。
価格が少し高めで1年版で4,780円だが、高い水準のセキュリティを求めている心配性な人におすすめだ。
ゲーミングPCのセキュリティソフトまとめ
- ゲーミングPCのセキュリティは、標準搭載のMicrosoft Defenderで十分
- マルウェアに感染しないために最新のWindowsを使うといった対策をしておく
- どうしても安心が欲しいなら有料セキュリティソフトを使う
このページでは、ゲーミングPCのセキュリティについて解説した。
BTOショップのゲーミングPCにはデフォルトでお試し版のセキュリティソフトが付いている。カスタマイズで有料版にアップグレードできる。セキュリティソフトのカスタマイズで悩んでいた人の助けになったのなら幸いだ。
もし他のカスタマイズで迷っているものがあるのなら、以下のページを読むと良いだろう。
≫BTOカスタマイズの初心者おすすめ!壊れにくいゲーミングPCにしよう!