
「BTOショップでゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、どうカスタマイズすれば良いのかわからないんだよね。全部カスタマイズしたら金額が増えちゃうし、困ったな」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- カスタマイズの目的は性能アップと故障リスクダウン
- 初心者にすすめたいカスタマイズは冷却性能に関するパーツ
- カスタマイズ候補とカスタマイズ不要な箇所
このページを読めばカスタマイズに必要な考え方や、実際にどこをカスタマイズしたほうが良いのかといった判断ができるようになり、満足のいくゲーミングPCに仕上げることができる。
BTOショップのカスタマイズに関する基礎
まずはBTOショップのカスタマイズに関して、知っておいてほしい基礎事項を紹介する。
BTOパソコンはカスタマイズせずにデフォルトのままでも良い
前提として、BTOパソコンの基本構成はそのままでも問題ないように設計されている。基本構成とは最も無駄がない構成だと思ってくれれば良い。知名度高めのBTOショップであれば、基本構成でも十分快適にゲームをプレイできる。
ただし知名度が低いBTOショップの場合は話が別だ。知名度が低いBTOショップだと、デフォルトの基本構成が物足りないことがある。その場合はカスタマイズしておかないと、快適性が著しくそこなわれてしまう。
知名度が低いBTOショップを利用する場合は注意が必要だ。
ダウングレードは割高になる可能性がある
BTOショップによるが、パーツをダウングレードすると割高になって損をしてしまう可能性がある。
例えば標準構成が1TBのSSDであるところを512GBのSSDにダウングレードした場合。はじめから512GBのモデルを選んだほうが安いことがあるのだ。
基本的にBTOショップでは大衆向けの標準構成になっていて過剰なパーツは搭載されていないことが多いが、不必要なパーツが搭載してあるモデルははじめから選ばないように注意したい。
BTOでカスタマイズする2つの目的
基本構成で十分なら、なぜカスタマイズする必要があるのか?もちろんカスタマイズすることで「良いこと」があるからだ。
カスタマイズする目的は大きく以下の2つだ。
- 性能や容量をアップする
- 故障のリスクを減らす
目的1:性能や容量をアップする
初心者がイメージしやすいのはこちらのはず。「より質の高いメモリに変更する」「ストレージの容量を512GB→1TBに増やす」「HDDを追加で増やす」など、性能や容量に関係あるパーツのカスタマイズだ。
このカスタマイズによって、自分に必要な性能のゲーミングPCに仕上げられる。しかもカスタマイズによる恩恵を実感しやすいのもポイントだ。
ちなみに、CPUやGPUは基本構成から変えられないBTOショップが多い。基本構成を選ぶ時点で自分の求めるものにしておこう。
目的2:故障のリスクを減らす
恩恵を実感しにくく初心者が軽視しがちだが、実は大事なカスタマイズがこちらだ。カスタマイズによってはゲーミングPCの故障リスクを減らすことができる。
ゲーミングPC故障の原因の1つが、熱によるパーツの劣化だ。ゲーミングPCがフル稼働するとパーツから熱が発生し、その熱によってパーツが劣化する。熱を効率よく逃がすために、ゲーミングPCは排熱・冷却を考えた構造になっている。
BTOショップの基本構成だと、最低限の冷却機能しかない。ゲーミングPCに負荷をかけすぎると排熱が間に合わず、パーツの劣化を速めてしまう可能性がある。
そこでカスタマイズによって排熱・冷却性能を向上させることでパーツの劣化スピードを遅め、ゲーミングPCの寿命を長くできるというわけだ。
優れた排熱・冷却性能はパーツのパフォーマンス向上にも関わってくる。良いことづくめだ。
初心者におすすめのBTOカスタマイズ2つ
ゲーミングPCにとって排熱・冷却が大事ということがわかっただろうか。
初心者が迷ったら、排熱・冷却に関係するパーツである「CPUクーラー」と「CPUグリス」をカスタマイズすれば良い。
CPUクーラーのカスタマイズをする
- 安価で定番の空冷式CPUクーラー
- 高価で上級者向けの水冷式CPUクーラー
CPUクーラーのカスタマイズは空冷式か水冷式かを選ぶ。
空冷式の場合「CPUで発生した熱をCPUに接する金属が吸収し、ファンが空気を送って金属を冷やす」という流れで冷却を行う。要するに空気で冷やしているのが空冷式だ。基本的には空冷式で十分だ。
水冷式の場合「CPUで発生した熱をCPUに接する金属が吸収し、チューブの中の特殊な液体が金属の熱を吸収し、別のところで放出する」という流れで冷却を行う。要するに液体を使って冷やしているのが水冷式だ。一般的に水冷式は空冷式より冷却効率が優れている。その分価格も高い。Core i7-12700KやCore i9-12900といった上位のCPUを搭載するなら水冷式も視野に入る。
BTOショップでは空冷式の選択肢が複数あることが多い。価格が高いほど冷却性・静音性が優れていると思って良い。高くても1万円以下程度でカスタマイズできるため、予算に余裕があれば良いCPUクーラーを搭載したい。
※熱を吸収する金属をヒートシンクと呼ぶ
CPUグリスのカスタマイズをする
先ほどのCPUクーラーのところで「CPUで発生した熱を、CPUに接する金属が吸収する」と説明した。CPUグリスとは、CPUと金属との接地面に塗るものだ。
CPUグリスを塗ることで、CPU→金属への熱移動がスムーズに行われる。CPUを効率良く冷やせるというわけだ。
CPUグリスにも種類があり、熱伝導率が高いものほど効率良く冷却できる。「高熱伝導率」「ダイヤモンドグリス」などと記載されているものは冷却性能に優れている。価格も2,000~3,000円程度なので負担になりにくい。
必要に応じてカスタマイズしたいもの
ここではカスタマイズの優先順位が比較的高いものを紹介していく。
メモリを32GBにする
メモリ容量が大きいほど、高負荷がかかる作業を同時に行っても動作がスムーズになる。
ゲーミングPCは16GBのメモリが搭載されているのが基本だ。多くの人は16GBで十分だ。ただ、ゲーム配信を行ったり、高負荷をかけるようなゲームをプレイする人は32GBのメモリを搭載すると安心だ。
詳しくは以下のページで解説している。カスタマイズを考えている人は読むと良い。
≫メモリの役割とは?ゲーミングPCに必要な容量は16GBか?32GBか?
ストレージ(SSD)を1TBにする
ストレージが多いほど、保存できるデータの量が多くなる。たくさんゲームをインストールしたり、たくさんの動画を保存できたりする。
エントリーモデルのゲーミングPCであれば512GBが基本構成になっていることが多い。ミドル以上のゲーミングPCであれば1TBが基本だ。
どのSSD容量が最適かは人によって違うとしか言いようがない。詳しくは以下のページを参照してほしい。
≫ゲーミングPCのストレージ容量・構成は?512GB?1TB?
HDDを追加する
BTOショップではストレージとしてSSDだけが標準搭載されている場合が多く、HDDは搭載されていないことが多い。HDDはSSDよりデータ転送速度が遅く、サクサクした動作を求められるゲーミングPCには不向きだからだ。
とはいえ、HDDはデータ転送速度ははやくない代わりに、安価で大容量という特徴がある。そのため動画ファイルなどを保存しておくのに重宝する。
Youtubeへの動画投稿や、プレイを見直すために録画をとっておくというような使い方をする場合は、HDDを追加しよう。
メーカーが記載された電源を選ぶ
電源はゲーミングPCの心臓と呼ばれるほど重要なパーツだ。電源に不具合が起きるとゲーミングPCが正常に動作しなくなる。そのため電源にお金をかけるのは長くゲーミングPCを使う上で重要だ。
BTOショップでは構成に合った電源容量になっているので容量の問題はほぼない。では何が問題かと言うと、標準搭載の電源のメーカーが記載されていないことがしばしばあることだ。
ゲーミングPCの心臓とも呼ばれる電源のメーカーがわからないというのは、PC初心者でも怖く感じるはずだ。
BTOショップによってはどの電源のメーカー名も書いていない場合があるが、多くのBTOショップでは書いていないものと書いているものの両方が選択肢に並んでいる。基本的に有名メーカーの電源がラインナップにあるので、予算と相談しながらメーカー名が書いている電源を選びたい。
≫ゲーミングPCに搭載する電源ユニットの失敗しない選び方
必要な人だけ無線LANをつける
ゲームの大容量ダウンロードやオンラインゲームをプレイするという性質上、ゲーミングPCはインターネットへの有線接続が望ましい。そのため、そもそも無線接続ができないモデルも多い。
もし自分の家庭や環境的に有線接続ができないなら、無線LAN子機を付ける必要がある。有線接続できないのに無線LAN子機を付けなければ、ゲーミングPCはただの箱になってしまう。
できれば有線接続できるようなゲーム環境を構築してほしいが、どうしてもできない場合は無線LAN子機を忘れないように付けておこう。
心配なら延長保証をつける
正しい使い方をしていれば、ゲーミングPCがすぐに壊れるということはまずない。ただ、使う頻度や使い方、そして運によっては1年足らずで壊れることがある。
BTOショップのゲーミングPCには、標準で1年の保証がついている。購入から1年以内での自然故障であれば無償で修理してくれるのだ。
逆に言えば1年以降の故障であれば有償修理となり、修理費用が掛かってしまう。
延長保証に入っておけば保証期間を延長でき、故障によるリスクを下げることができるというわけだ。
カスタマイズの必要性が薄いもの
BTOショップのカスタマイズ幅は広くたくさんのリストが並んでいる。その中でもほとんどの人にとってカスタマイズ不要なものを紹介する。
OSはWindows Homeのままで良い
OSはOperating Systemの略だ。簡単に言えばPCの最も基本的なソフトで、PCでいろいろ作業したりゲームしたりできるのはOSのおかげだ。WindowsやMacOS、スマホで言うとiOSやAndroidがOSの例だ。
BTOショップのゲーミングPCにはWindowsが搭載されている。カスタマイズの選択肢には「Windows Home」と「Windows Pro」の2つがあり、デフォルトではWindows Homeだ。
Proはネットワークやセキュリティに優れている企業向けとなっている。個人で使う分には全く必要ないため、デフォルトのHomeで構わない。
セキュリティソフトは必要ない
BTOショップでゲーミングPCを買うと、デフォルトで30日間のお試しセキュリティソフトがついてくる。お試し期間終了後は有料プランに誘導される。
基本的にゲーミングPCにはセキュリティソフトは必要ない。なぜならWindowsにデフォルトで搭載されているMicrosoft Defenderで十分だからだ。
それに外部のセキュリティソフトはPCの動作が重くなることもあり、ゲーミングPC向けとは言えない。
この説明を受けても不安に感じる人は以下のページを読むと良い。
≫ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要か?
周辺機器は別で買おう
ゲーミングPC本体だけを買っても、モニターやマウス、キーボードがなければ何もできない。BTOショップではそういった周辺機器も一緒に購入できる。
ただ、BTOショップで用意されている周辺機器は選択肢が狭く、万人におすすめとは言えない。周辺機器はゲームの勝敗や快適性に大きく関わってくるため、じっくりとこだわりたいところだ。
訪問設置・設定サービスはつけなくて良い
パソコン初心者向けに、技術者が家まで来てPCの設置や設定を代行してくれるサービスを提供しているBTOショップもある。
基本的に訪問設置・設定サービスは必要ない。というのも、設置や設定すらできない・調べようとしないような機械音痴にはゲーミングPCは必要ない。はっきり言って宝の持ち腐れだ。
それに全く難しいものではないので、自分で設置・設定することを推奨する。
BTOゲーミングPCのカスタマイズ一覧
パーツ | 備考 |
CPU | 変更できない場合が多い |
CPUファン | カスタマイズしたい どれにするかは予算と相談 |
CPUグリス | カスタマイズしたい |
グラフィックボード | 変更できない場合が多い |
メモリ | 16GBか32GB |
SSD | 512GBか1TB |
HDD | 動画ファイルなどを扱うなら |
ケース | 変更できない場合が多い 変更できるなら好みのものを |
OS | デフォルトのWindows Homeで |
マザーボード | 変更できない場合が多い |
電源 | メーカー記載があるものを選びたい どれもメーカー記載がないならデフォルトで |
光学ドライブ | 自分でOSを再インストールしたりDVD読み込みなどをする場合に必要 使わないならはじめからつける必要はない |
周辺機器 | 自分で別で買おう |
Office | 必要ならつけても良いが、ゲーミングPCでOfficeを使うことはないだろう |
セキュリティ | 必要ない |
無線LAN | ネットを有線接続する場合は必要ない |
延長保証 | 心配な人はつけると良い |
データ復旧サービス | 消失して困るようなデータを持っている人のみ |
下取りサービス | 使わなくなったパソコンがある人のみ |
設置・設定サービス | 必要ない |
BTOカスタマイズのおすすめまとめ
- カスタマイズの目的は「性能・容量アップ」と「故障のリスク低減」
- CPUクーラーとCPUグリスはぜひカスタマイズしたい
- カスタマイズの優先度が高い箇所と低い箇所がある
このページでは、BTOカスタマイズについて解説した。これでどこをカスタマイズすれば良いのかがわかったはずだ。
カスタマイズ以外にも、ゲーミングPCを買う前に知っておいたほうが良いことがたくさんある。損をして後悔しないためにも最低限の知識を身に付けておくと良い。
≫初めてのゲーミングPCの選び方!初心者の「わからない」を解消!