「BTOショップでゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、どうカスタマイズすれば良いのかわからないんだよね。全部カスタマイズしたら金額が増えちゃうし、困ったな」って人に読んでほしいページです。
BTOショップでゲーミングPCを購入する際、パーツのカスタマイズについて悩む人は多い。
このページでは、BTOパソコンのカスタマイズについて解説している。
このページを読めば、カスタマイズに関する考え方やおすすめのカスタマイズがわかり、自分に合った満足度の高いゲーミングPCに仕上げられる。
BTOパソコンをカスタマイズする目的
BTOパソコンのおすすめカスタマイズを紹介する前に、カスタマイズの目的を解説する。目的を知ることで、なぜおすすめなのかがわかるからだ。
BTOパソコンをカスタマイズする目的は以下の通り。
- 性能や容量をアップする
- 故障のリスクを減らす
- 快適性を向上させる
目的1:性能や容量をアップする
初心者がイメージしやすいのはこちらのはず。
「より高性能なCPUに変更する」「SSDの容量を512GB→1TBに増やす」「HDDを追加する」など、性能や容量をアップさせるためのカスタマイズだ。
性能や容量のカスタマイズによって、自分に必要な性能のゲーミングPCに仕上げられる。カスタマイズによる恩恵を実感しやすいのもポイントだ。
ちなみに、CPUやグラボは標準構成から変えられないBTOショップが多い。標準構成を選ぶ時点で自分の求めるものにしておく必要がある。
目的2:故障のリスクを減らす
冷却性能や耐久性の高いパーツにカスタマイズすることで、ゲーミングPCの故障リスクを軽減できる。
ゲーミングPCの天敵は、パーツから放出される熱だ。熱をうまく逃がせないと、パーツの劣化が早くなり、ゲーミングPCの寿命が短くなる。
BTOの標準構成は、最低限の冷却性能しかないことが多い。特に大手の有名BTOだと、価格を安くするために、削れるところは削っている傾向が強い。
標準構成から冷却性能を引き上げるカスタマイズをすることで、ゲーミングPCの寿命を延ばせる可能性が高くなるというわけだ。
目的3:快適性を向上させる
静音性に優れたパーツにカスタマイズすることで、快適性が向上する。
特に安価なモデルは静音性を度外視している傾向にある。例えばリテールクーラーが搭載されていて、ファンの音がうるさい。
PC初心者は購入前に静音性を気にすることは少ないが、購入後に気になるケースが多い。快適性を向上させるカスタマイズがあることを知っておきたい。
BTOパソコンのおすすめカスタマイズ
- CPUクーラー
- CPUグリス
CPUクーラーのカスタマイズ
CPUクーラーには「空冷式」と「水冷式」の2種類があるが、ここでは初心者向けの空冷式とする。
高品質なCPUクーラーにカスタマイズすることで、CPUの冷却性能を高められる。
CPUクーラーは、価格が高いほどファンが大きく、冷却性能と静音性に優れている傾向にある。ファンが大きいと1回転で送れる風量が多く、少ない回転数で多くの風を送れるからだ。
特に、120mm以上のファンを搭載したCPUクーラーであれば、高い冷却性能と静音性を確保できる。
140mmのハイエンドクーラーも存在するが、BTOでの扱いは少ない印象だ。
とはいえ高価なものだと+1万円以上も予算がかかる。
1ランク上のCPUクーラーにするだけでも効果はあるので、予算と相談しながらカスタマイズしてほしい。
おすすめは高冷却性の「Noctua」や高コスパな「DeepCool」のCPUクーラーだ。
›【ゲーミングPC】CPUクーラーの違いと選び方を初心者向けに解説
CPUグリスのカスタマイズ
高伝導率のCPUグリスにカスタマイズすることで、冷却効率を向上させられる。
「高性能熱伝導」「ダイヤモンドグリス」などと記載されているCPUグリスであれば、高い冷却性能が期待できる。
2~3,000円でカスタマイズできるので、予算的にもカスタマイズしやすい。
CPUグリスは、CPUから発生した熱をヒートシンク(金属板)に伝えやすくするためのものだ。
CPUクーラーは、CPUに直接送風するわけではない。CPUが送風しているのは、ヒートシンクという金属板なのだ。
CPUから発生した熱は、ヒートシンクに伝えられる。そして高温になったヒートシンクをCPUクーラーで冷やすことで、冷却が行われる。
熱伝導率の高いCPUグリスを塗ることで、ヒートシンクに効率的に熱を伝えることができるというわけだ。
BTOパソコンにおいて必要に応じてカスタマイズしたいもの
カスタマイズの優先順位が比較的高いものは以下の通り。
容量を増やすだけでなく、メーカーが記載されている製品にカスタマイズすると耐久性を高められる。
メモリを32GBにする
マルチタスクやクリエイティブ作業をする人や、画質重視でゲームをするような人は、メモリを32GBに増やしたい。
BTOのエントリークラスのゲーミングPCには、16GBのメモリが標準搭載されている。
基本的に16GBで十分なことが多いが、一部の人は32GBのほうが良い。
メモリ容量は、同時に行える作業の量を表す。
マルチタスクやクリエイティブ用途では作業の量が多くなるので、16GBでは足りないのだ。重いゲームを最高設定で遊ぶ場合も、作業の量が多いので32GBのメモリのほうが快適だ。
詳しくは以下のページで解説している。メモリ容量で迷う人は参考にしてほしい。
›ゲーミングPCのメモリ容量目安【8GB vs 16GB vs 32GB vs 64GB】
ストレージ(SSD)を1TBにする
たくさんのゲームをプレイする予定がある人は、SSDを1TBにしたい。
BTOのエントリークラスのゲーミングPCには、512GBのSSDが標準搭載されていることが多い。
数タイトル程度のゲームをインストールするだけであれば、512GBで十分だ。
最新ゲームを何個もプレイしたい人は、512GBでは足りない可能性が高い。最新ゲームには100GBを超えるものもあるので、1TBのSSDが安全だ。
512GB→1TBへのカスタマイズは5~6,000円ほどで可能なことが多い、予算面でもおすすめしやすい。
詳しくは以下のページを参照すると良い。
›ゲーミングPCのSSD容量は1TBで足りるのか?
HDDを追加する
動画編集などのクリエイティブ作業をする人は、HDDを追加すると良い。
HDDはSSDより速度が遅いためゲームには向いていない(起動やロードに時間がかかってしまう)が、容量当たりの価格が安いので、動画や画像などを大量保存するのに向いている。
BTOショップでは標準構成でHDDは搭載されていないことがほとんどだ。実際、ゲームしかしないのであればHDDは全く必要ない。
「YouTubeに動画投稿をする」「自分のプレイを録画しておく」のように、動画ファイルなどで容量が必要になる場合は、HDDを追加すると良い。
製品によるが、4TBで1万円強くらいのものもあり、予算的にも追加しやすい。
メーカーが記載された電源を選ぶ
メーカーが記載された電源を選ぶと、ゲーミングPCの寿命を長くできる可能性が高くなる。
電源はPCの心臓とも呼ばれるパーツで、電源が故障するとPCに電力を供給できず、PCを起動できなくなる。
電源はゲーミングPCで重要なパーツなのだ。
BTOショップの標準構成だと、BTO側が用意した電源になっていることがある。悪くはないが、PCパーツメーカーの電源と比べると品質に劣る。
予算と相談しながら、メーカーが記載された電源を選んでおきたい。
≫ゲーミングPCに搭載する電源ユニットの失敗しない選び方
必要な人だけ無線LANをつける
環境の事情で、ゲーミングPCをネットに有線接続できない場合は、無線LANをつけなければならない。
ゲーミングPCは据え置きで使うものだし、ゲームの大容量ダウンロードやオンラインゲームをプレイするという用途上、有線接続が想定されている。デフォルトでは無線接続できないものがほとんどだ。(マザーボードがWi-Fi対応のものであれば無線接続が可能)
家庭の事情で有線接続できない場合は、カスタマイズで無線LANをつける必要がある。
心配なら延長保証をつける
高額な買い物で心配な人は、延長保証を付けると良い。
BTOでは標準で1年間の保証がついている。自宅への到着から1年以内の自然故障であれば、片道の送料だけで修理してもらえる。
いくらかの保証金を支払うことで、保証期間を延長できる。3年まで延長できるBTOが多い。
使い方や運にもよるが、3年以内でゲーミングPCが壊れる可能性は0ではないので、心配なら延長保証を付けると良い。
›BTOゲーミングPCの延長保証は必要か
BTOパソコンにおいてカスタマイズの必要性が薄いもの
OSはWindows Homeのままで良い
OSをWindows Homeから変える必要はない。
OSはPCの根本にあるソフトで、PCで作業したりゲームをしたりできるのはOSのおかげだ。WindowsやMacOS、スマホだとiOSやAndroidがOSの例だ。
BTOショップのゲーミングPCには「Windows Home」が標準搭載されている。
カスタマイズの選択肢に「Windows Pro」もあるが、変更する必要はない。
Windows Proはネットワークセキュリティなどに優れていて、企業向けだからだ。個人で使う分には、家庭用のWindows Homeで問題ない。
セキュリティソフトは必要ない
セキュリティソフトをカスタマイズでつける必要はない。
ゲーミングPCのセキュリティは、Windowsに標準搭載されているMicrosoft Defenderで十分だからだ。
Microsoft Defenderの防御力は高く、有料のセキュリティソフト並みの防御力を誇る。
外部のソフトはPCの動作が重くなることもあり、動作の観点から見てもセキュリティソフトは必要ない。
詳しくは以下のページで解説している。気になる人だけ見ると良い。
›ゲーミングPCにセキュリティソフトは必要ない
周辺機器は別で買うべき
BTOショップのカスタマイズで周辺機器をつけるのはおすすめしない。
選択肢が狭く、BTOによってはおすすめできない製品しか扱っていないこともあるからだ。
周辺機器はゲームの勝敗や快適性に関わってくるので、こだわりたい。
訪問設置・設定サービスはつけなくて良い
訪問設置・設定サービスの利用はおすすめしない。
PC初心者向けに、技術者が自宅まで来て、設定や設定を代行してくれるサービスを提供しているBTOショップもある。
とはいえ、設置や初期設定すらできない or 自分で調べようとしないような人であれば、ゲーミングPCを買うべきではない。はっきり言って、宝の持ち腐れになる可能性が高い。
調べればすぐに出てくるような内容なので、自分で設定・設定すべきだ。
BTOゲーミングPCのカスタマイズ一覧
パーツ | 備考 |
---|---|
CPU | 変更できない場合が多い 変更できるなら、欲しい性能を選ぶ ›ゲーミングPCに載せるCPUの選び方を初心者向けに解説 |
CPUファン | カスタマイズしたい 価格が高いほど冷却性能が高い 基本的には空冷で十分 |
CPUグリス | カスタマイズしたい 価格が高いほど冷却性能が高い |
グラフィックボード | 変更できない場合が多い 変更できるなら、欲しい性能を選ぶ メーカーや型番を選べる場合、価格が高いほうが若干高性能(数%程度の差であり、劇的な差はない) ›ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方を初心者でもわかるように解説 |
メモリ | 16GBか32GB |
SSD | 512GBか1TB |
HDD | 動画ファイルなどを扱うなら追加したい |
ケース | 変更できない場合が多い 変更できるなら好みのものを |
OS | デフォルトのWindows Homeで |
マザーボード | 変更できない場合が多い 変更できる場合、価格が高いほうが拡張性が高い。後から自分でパーツを増設する場合などに有利。 |
電源 | メーカー記載があるものを選びたい どれもメーカー記載がないならデフォルトで |
光学ドライブ | 自分でOSを再インストールしたりDVD読み込みなどをする場合に必要 使わないなら必要ない |
周辺機器 | 自分で別で買うべき |
Office | 必要ならつけても良い |
セキュリティ | 必要ない |
無線LAN | ネットを有線接続する場合は必要ない |
延長保証 | 心配な人はつけると良い |
データ復旧サービス | 消失して困るようなデータを持っている人のみ |
下取りサービス | 使わなくなったパソコンがある人のみ |
設置・設定サービス | 必要ない |
BTOショップ別のおすすめカスタマイズ
BTOショップごとに詳しいカスタマイズ内容が異なる。
私がおすすめしているBTOショップのカスタマイズを個別に紹介する。
BTOパソコンのカスタマイズに関して知っておきたいこと
- BTOパソコンはカスタマイズせずに標準構成のままでも良い
- BTOパソコンのカスタマイズは割高になる可能性がある
BTOパソコンはカスタマイズせずに標準構成のままでも良い
BTOパソコンは、標準構成のままで問題なく使えるように設計されている。無理にカスタマイズする必要はない。
カスタマイズすればより快適に、より故障リスクを低めることができるというだけだ。
予算に余裕がないのであれば、標準構成のままで構わない。
BTOパソコンのカスタマイズは割高になる可能性がある
BTOパソコンを標準構成からカスタマイズすると、割高になる可能性が高い。アップグレードでもダウングレードでもだ。
例えばメモリにおいて、「市場価格では16GB→32GBで+4,000円のところ、BTOでカスタマイズすると+5,000円かかる」というようなことが普通にある。
とはいえ、自分でパーツを取り替えるとパーツ代が丸々かかってしまうし、パーツを取り替えるとパソコンの保証が効かなくなる。作業代ということで納得しておくのが良い。
BTOパソコンのおすすめカスタマイズまとめ
このページでは、BTOパソコンのおすすめカスタマイズを紹介した。
内容をまとめると以下の通り。
- カスタマイズの目的は「性能・容量アップ」と「故障のリスク低減」「快適性の向上」
- CPUクーラーとCPUグリスはぜひカスタマイズしたい
- カスタマイズの優先度が高い箇所と低い箇所がある
適切なカスタマイズをすることで、満足感が大きいゲーミングPCを手に入れることができる。
カスタマイズ以外で、ゲーミングPCについてわからないことがあるなら、以下のページを読むと良い。
›ゲーミングPCの選び方を初心者でもわかるように解説