
「RTX4070Tiってどんな性能なの?RTX30シリーズやRTX4080との性能差を知りたいな」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- RTX4070Tiのカタログスペックを見る
- RTX4070Tiの実際の性能を見る
- RTX4070Ti搭載のゲーミングPCをおすすめのBTOショップから紹介
RTX4070Tiは2023年1月5日に販売開始されたミドルハイクラスのグラフィックボードだ。このページを見れば、RTX4070Tiがどんな性能なのかが分かり、自分に合ったグラフィックボードなのかを判断できる。
RTX4070Tiのカタログスペックを比較
RTX3070Ti | RTX4070Ti | RTX4080 | |
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace | Ada Lovelace |
GPUコア | GA104 | AD104 | AD103 |
プロセス | 8nm | 4nm | 4nm |
CUDAコア | 6144基 | 7680基 | 9728基 |
レイトレーシングコア | 第2世代48基 | 第3世代60基 | 第3世代76基 |
Tensorコア(DLSS) | 第3世代192基 | 第4世代240基 | 第4世代304基 |
ベースクロック | 1.58GHz | 2.31GHz | 2.21GHz |
ブーストクロック | 1.77GHz | 2.61GHz | 2.51GHz |
GPUメモリ | 8GB GDDR6X | 12GB GDDR6X | 16GB GDDR6X |
メモリクロック | 19Gbps | 21Gbps | 22.4Gbps |
メモリバス幅 | 256bit | 192bit | 256bit |
メモリバス帯域 | 680GB/s | 504GB/s | 716.8GB/s |
TDP | 290W | 285W | 320W |
推奨電源 | 750W | 700W | 750W |
RTX4070Tiは、RTX4080のメモリ12GB版として発売されるはずだったグラボだ。しかし性能差が大きく、同じRTX4080という名前なのはおかしいということで急遽RTX4070Tiとして発売されることになった。
そんなRTX4070Tiをカタログスペックから見ていこう。
RTX4070TiのGPUコアはAD104で、NVIDIAがRTX4090およびRTX4080用のコアとして発表していたものだ。AD104に搭載されているCUDAコア数は7680、レイトレーシングコアが60、Tensorコアが240だ。
この数値とRTX4070Tiのコア数を見比べると完全に一致しているので、RTX4070TiはAD104のコアがすべて開放されているフルスペックだとわかる。
CUDAコア数7680はRTX4080の79%であり、前世代RTX3070Tiの125%だ。しかもクロック数は2.31GHzでありRTX4080とほぼ同等、RTX3070Tiの146%となっている。
コア数から見るとRTX4070TiはRTX3070Tiより大幅に進化していることが分かる。
RTX4070TiのGPUメモリはGDDR6Xの12GBで、これはRTX3080Tiと同じだ。ただしメモリ性能はミドルハイクラスとしては低めだ。
メモリクロックは21Gbpsで高いものの、メモリバス幅は192bitでありかなり低い。エントリークラスのRTX3060と同じメモリバス幅だ。そのためメモリバス帯域は504GB/sであり、RTX4080の70%に留まっている。おそらくRTX4080から16GB→12GBにする際、メモリバス幅も256bit→196bitと4分の3になったのだろう。
フルHDやWQHDのようなそこそこの負荷の時はほとんど差が出ない一方、4Kのような高負荷がかかるときにメモリ性能による差があらわれてくると予想できる。
消費電力に関してはかなり効率が良く、TDPはRTX3070Tiの290Wより低い285Wで推奨電源は700Wだ。RTX3070Tiより性能に対する消費電力が少ないことがわかる。
カタログスペックから総合的に考えると、RTX4070Tiはミドルハイクラスに恥じない性能になっている。
RTX4070TiはRTX3090Tiと同等レベルの性能
グラフィックボード | 3DMarkスコア | フレームレート目安(4K) | 解像度目安 | 搭載PCの価格 |
RTX4090 | 35964 | 140fps | 4K | 50万円~ |
RTX4080 | 28066 | 100fps | 4K | 37万円~ |
RTX4070Ti | 22652 | 70fps | ~4K | 30万円~ |
RTX3090Ti | 21742 | 80fps | ~4K | 43万円~ |
RTX3090 | 19838 | 70fps | ~4K | 35万円~ |
RTX3080Ti | 19581 | 70fps | ~4K | 32万円~ |
RTX3080 | 17554 | 60fps | ~4K | 25万円~ |
RTX3070Ti | 14835 | 50fps- | ~WQHD | 25万円~ |
3DMarkスコアとはグラボ同士のおおよその力関係を示した数値だ。(参考:https://benchmarks.ul.com/compare/best-gpus)
RTX3070Ti以上のグラボはフルHD性能は十分なので、4K性能のみを記載している。また、フレームレートは設定やゲームによって全く異なるのであくまで目安として捉えてほしい。
RTX4070Tiはミドルハイクラスでありながら、前世代最強のRTX3090Tiと同等レベルの性能を誇る。それにもかかわらず搭載PCの価格は30万円~であり、表には載っていないがRTX3080(12GB)と同じくらいの価格だ。
とはいえ完全にRTX3090Tiと同等というわけではなく、4K性能ではRTX3090Tiに及ばない。4K性能はだいたいRTX3090と同じくらいだ。やはりメモリ性能が弱いと4Kのような高負荷時に不利になるということだ。
RTX4070Tiのゲーム性能を比較
- CPUはCore i9-13900K
- 解像度は4K
RTX4070Tiは4K解像度に適性があるグラボなので、同じく4K適性があるグラボで最も安いRTX3080と、1ランク上のRTX4080と比較する。
画質設定は適宜調整を加えているが、おおむね最高設定で行っている。ただしここでの数値はあくまで目安であり、実際のフレームレートとはズレが生じる可能性があることに注意。
RTX3080 | RTX4070Ti | RTX4080 | |
Cyberpunk2077 | 33~37 | 44~48 | 52~57 |
God of War | 87~102 | 80~97 | 120~139 |
Red Dead Redemption 2 | 61~70 | 74~83 | 94~107 |
Hitman 3 | 85~94 | 112~126 | 134~146 |
Forza Horizon 5 | 67~79 | 105~118 | 117~122 |
RTX4070Tiの4K性能は以上の通り。RTX3080より大幅に高い4K性能ではある一方、RTX4080と比べると大差をつけられている。やはりGPUメモリが12GBしかないことが響いている。
God of WarだけはRTX3080に負けてしまっているが、RTX3080やRTX4080のデータは以前取ったものなので設定などに違いが出てしまっている可能性がある。参考程度に見てほしい。
今回の検証に使用した5タイトルはどれも重めのゲームだが、それでもRTX4070Tiは十分すぎるフレームレートを叩き出している。4K性能最低限のRTX3080との差は歴然だ。(RTX3080も十分な4K性能ではあるが)
RTX3080搭載ゲーミングPCは25万円~、RTX4070Ti搭載ゲーミングPCは30万円~であり、この差をどう見るかは人それぞれだが、より高い4K性能を求めるならRTX4070Tiは十分に視野に入ってくるグラボと言える。
RTX4070Tiは約30万円の予算を組んでいるヘビーゲーマーにおすすめ
RTX4070TiはRTX3090Tiほどの総合力を持ち、申しぶんない性能を持っている。タイトルにもよるが4Kで100fps以上を叩き出せるのを見ると十分すぎる性能であることがわかる。
とはいえ、予算に余裕があるのであればRTX4080以上を選んだほうが良いのも事実だ。RTX4070TiとRTX4080との間には大きな差がある(NVIDIAがRTX4080(12GB)ではなくRTX4070Tiとして急遽リネームして発売したのが良い証拠だ)し、総合力の割に4K性能が低いので4K目当てで選ぶのならRTX4070Tiのコスパは良いとは言えない。RTX3080やRTX4080のほうが4K性能でのコスパは上だ。
これらを加味すると、RTX4070Tiは「なるべく高い性能が欲しいけど、30万円ほどで収めたい」という人向けのグラボということだ。
RTX4070Ti搭載のゲーミングPCをおすすめBTOから紹介
おすすめ1 | おすすめ2 | おすすめ3 | |
外観 | ![]() |
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![]() |
BTOショップ | フロンティア | フロンティア | サイコム |
セール期間 | ~1月27日15時 | ~1月27日15時 | – |
CPU | Core i7-12700F | Core i7-13700F | Core i7-13700K |
GPU | RTX4070Ti | RTX4070Ti | RTX4070Ti |
価格(税込) | 284,800円 | 299,800円 | 383,970円 |
安さを求める人と品質を求める人の両方に応えられるように、フロンティアとサイコムからそれぞれおすすめを紹介する。
おすすめ1:RTX4070Ti×Core i7-12700F搭載の最安値レベルのモデル
FRGAG-H670/WS105 | |
BTOショップ | フロンティア |
セール期間 | ~1月27日15時 |
CPU | Core i7-12700F |
GPU | RTX4070Ti |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB NVMe M.2 SSD |
電源 | 850W GOLD |
価格(税込) | 284,800円 |
公式サイト |
※2023年1月20日時点での情報
おすすめ1つめはセール価格が売りのフロンティアのセール対象モデルだ。CPUはCore i7-12700Fで、かなり性能高めのCPUが搭載されている。ミドル~ハイエンドモデルによく搭載されているCPUだ。RTX4070Tiと組み合わせたいCPUの中で最も安価なものの1つでもある。
メモリは32GBになっていて、RTX4070Tiにピッタリの容量だ。ストレージはSSD1TBで十分だ。動画ファイルを大量に扱うならHDDを追加すると良い。
ケースが新GAシリーズというケースになっていて、マザーボードを上下逆にすることで熱を持ちやすいグラボを直接冷やせるように設計されている。スペースを確保することで拡張性も保たれているのが特徴だ。
全てを確認できているわけではないが、Core i7-12700F×RTX4070Ti搭載のゲーミングPCの中で、このモデルが最安値レベルだ。30万円以内でなるべく高い性能を手に入れたい人におすすめだ。
おすすめ2:最新世代CPUを搭載したクリエイター向けゲーミングPC
FRGH670/WS105 | |
BTOショップ | フロンティア |
セール期間 | ~1月27日15時 |
CPU | Core i7-13700F |
GPU | RTX4070Ti |
メモリ | 32GB(16GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB NVMe M.2 SSD |
電源 | 850W GOLD |
価格(税込) | 299,800円 |
公式サイト |
※2023年1月20日時点での情報
おすすめ2つめもセール時の安さが売りのフロンティアのセール対象モデルだ。おすすめ1との違いはCPUとケースだ。
CPUはCore i7-13700Fで、おすすめ1に搭載されているCore i7-12700Fの次世代版という立ち位置だ。
Core i7-12700Fは12コア20スレッドなのに対し、このCore i7-13700Fは16コア24スレッドとなっている。ざっくり言えば、コア数やスレッド数が多いほど性能が高い。
Core i7-12700Fの時点で十分な性能ではあるが、Core i7-13700Fは特にAdobeや動画編集などのクリエイティブ的作業で力を発揮してくれる。
おすすめ2つめのケースはGHシリーズというケースで、前面と背面にある大型ファンや強化ガラスが特徴のケースだ。接続端子の違いはほぼないので、おすすめ1と2のどちらのケースデザインが好きかで選んでも構わない。
ゲーム以外に、CPU性能が必要なクリエイティブ的作業をする人向けのモデルだ。
おすすめ3:サイコムの品質重視のこだわりゲーミングPC
G-Master Spear Z790/D5 | |
BTOショップ | サイコム |
セール期間 | – |
CPU | Core i7-13700K |
GPU | RTX3060→RTX4070Ti |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR5-4800 |
ストレージ | 500GB NVMe M.2 SSD |
電源 | 750W GOLD |
価格(税込) | 290,760円→383,970円 |
公式サイト | 公式サイトで見てみる![]() |
※2023年1月9日時点での情報
おすすめ3つめはサイコムの品質重視のモデルだ。サイコムでは元となる構成からCPUやGPUを変更するシステムだ。このモデルはもともとRTX3060を搭載していたので、RTX4070Tiに換えたときの価格を記している。
おすすめ1や2より高額な理由は、質やグレードが高いパーツを搭載しているからだ。CPUはCore i7-13700Kで、おすすめ2のCore i7-13700Fよりさらに高性能だ。CPUクーラーは空冷最強と言われるNoctua製であり、チップセットはZ790というグレードの高いものだ。それに伴いメモリはDDR5となっている。
ちなみに搭載パーツをダウングレードすることもでき、ダウングレードした際はその分の金額も差し引かれるので安心だ。
良いパーツを搭載することで冷却性や耐久性が向上し、結果として長く使えることにつながる。性能だけではなくパーツにもこだわった高品質ゲーミングPCが欲しい人向けだ。
RTX4070Tiの性能と搭載ゲーミングPCまとめ
- RTX4070Tiは、前世代最強のRTX3090Tiと同等の総合性能
- RTX4070Tiの4K性能はひかえめでRTX3090並
- RTX4070Ti搭載ゲーミングPCは30万円~なので、予算が30万円ほどのヘビーゲーマーにおすすめ
RTX4070Tiを選ぶか選ばないかで迷っている人は以下のグラボの選び方についてのページを読むと良い。
≫【初心者でもわかる】グラボ性能の選び方とおすすめを解説