
「ゲーミングPCって新品で買うと10万円以上するよね。さすがに高いから、メルカリとかヤフオクで安いのないかなって見てみたら、SwitchとかPS4買えるくらいの値段で売っててびっくりしたよ。これでゲームできるなら、わざわざ高価な新品買う必要ないよね」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- メルカリやヤフオクの激安中古ゲーミングPCをおすすめしない理由
- 激安中古ゲーミングPCのやばさを実例で解説
- そもそも中古のゲーミングPCがおすすめできない
ゲーミングPCを買うときにネックになるのが価格の高さだ。安い中古品を探してしまう気持ちもわかる。ただこのページを読んでメルカリやヤフオクを含む中古のゲーミングPCを買う怖さを知り、損をしないようにしてほしい。
メルカリやヤフオクで中古の激安ゲーミングPCを買うのをおすすめしない理由
一言で言えば大損をする可能性が非常に高いからだ。損をして嬉しいという人はいない。
損をすると言ってもいくつかのパターンがある。以下はその3つのパターンだ。
- 安値でゴミを売りつけられる可能性が高いから
- 高値でゴミを売りつけられる可能性が高いから
- 本当にハイスペックでも、中古なのに新品より高く売りつけられることがあるから
どのパターンでも、「このゲーミングPCは高性能なのだ!」ということをアピールしている。初心者であれば引っかかっても無理はないところがたちが悪い。
理由1:安値でゴミを売りつけられる可能性が高いから
メルカリやヤフオクでは70%くらいがこのパターンだ。「Apex動作確認済」「フォートナイトできます」などと魅力的な売り文句を書いていて、3万円くらいの安値で売っていることが多い。
はっきり言うが、3万円で今人気のPCゲームはプレイできない。eスポーツ系の軽めのゲームなら起動はするだろうが、60fpsすら出せないものも多い。
重いゲームの場合は起動すらしないこともある。
公式が出しているゲームの最小要件(=ゲームが起動できるくらいの性能)すらクリアできていないものがほとんどなので、そんなPCでゲームができるはずがない。
理由2:高値でゴミを売りつけられる可能性もあるから
理由1の時点でかなり悪質だが、もっとひどい場合がある。10万円以上の価格で10年前のゲーミングPCが売られているのだ。
10万円もあれば、現役のゲーミングPCを購入できる。当然10年前のゲーミングPCに10万円の価値はない。
「フォートナイト・Apexプレイ可能!」などと書かれていると、初心者が買ってしまっても無理はない。だが、本当に損をするだけだ。
理由3:本当にハイスペックでも、中古なのに新品より高く売りつけられることがあるから
メルカリやヤフオクで売られているゲーミングPCには、まれに現役のゲーミングPCが出品されている。体感10%以下だが。
現役のゲーミングPCであれば当然Apexやフォートナイトなどの人気ゲームのプレイが可能だ。
ただ問題が1つあり、価格が高いケースがほとんどだ。出品者がそのゲーミングPCを購入した価格、もしくは購入価格より少し上乗せして出品していることが多い。忘れてはならないのが、中古品ということだ。中古なら新品より安くなるべきだが、そうはなっていないのだ。
ちゃんとしたパソコンショップなら新品で安く売られているため、メルカリやヤフオクで買う意味が全くない。
実際にメルカリやヤフオクで出品されているゲーミングPCを見る
実際に出品を見ていき、メルカリやヤフオクで出品されているゲーミングPCのやばさを認識してもらいたい。
わかりやすくするために、売り文句としてよく見かけるフォートナイトとApexの推奨要件(=最低限の快適度を確保するためのライン)と比べる。いろいろ書いてもややこしくなるため、CPUとGPUという重要なパーツだけに絞る。必ずしも新しいパーツほど性能が良いというわけではないが、ゲーミングPCの知識が0の人でもわかりやすくするために記載してある。
フォートナイト | Apex | |
推奨CPU | Intel Core i5-7300U(2017年) AMD Ryzen3 3300U(2019年) |
Intel Core i5-3570T(2012年) |
推奨GPU | NVIDIA GTX960(2015年) AMD R9 280(2014年) |
NVIDIA GTX970(2014年) AMD R9 290(2013年) |
例1:Xeon搭載のゲーム向けではないゲーミングPC
搭載CPU | Intel Xeon E3-1220(2013年) |
搭載GPU | NVIDIA GTX760(2013年) |
フォートナイトの推奨CPUには全くこれっぽっちも届いていない一方で、Apexにはギリギリ届いている。ただ注意したいのはXeonというシリーズは業務用サーバーなどに使われるCPUで、個人向けではなく法人向けだ。ゲーム用でもない。そしてXeonはメルカリやヤフオクのゲーミングPCによく搭載されている。注意しよう。
GPUに関してはフォートナイトもApexも満たしていない。発売年がほぼ同じだが下位のシリーズになっているため、Apex推奨GPUの半分ほどの性能しか持っていない。これではゲームを快適にプレイすることはできないだろう。
このゲーミングPCはストレージがSSDではなくHDDとなっている。簡単に言うと、読み込み速度がめちゃくちゃ遅く、PCの立ち上げやゲームのロードの時間が長くなるということだ。HDDは特にゲームプレイにおいてストレスを感じやすいと言える。
つまり全体としてフォートナイトやApexが快適にプレイできるような構成になっていない。
例2:「高性能なCore i7搭載!」のゲーミングPC
搭載CPU | Intel Core i7-3770(2012年) |
搭載GPU | NVIDIA GTX760(2013年) |
CPUに関してはApexの推奨要件は余裕をもってクリアできている。フォートナイトのほうもギリギリではあるがクリアしている。つまりCPUに関しては推奨要件をきちんをクリアできている。
ただこの出品に書かれている「第3世代のi7なのでまだまだ現役」という表現が良くない。確かにCore i7-3770は普通に使う分にはまだ使えるし、ゲーム用でもギリギリいけなくもない。ただ、「現役」という表現は正しくない。定年ギリギリ過ぎてるか過ぎてないかくらいのおじいちゃんを「現役」と言ってバリバリ働かせているようなものだ。
実はメルカリやヤフオクでは「高性能Core i7搭載!」というニュアンスの書き方をしている出品が少なくない。PCの知識が少しだけある人は「Core i7=高性能」と勘違いしているため、そういった人をターゲットにしているのだろう。Core i7だからと言って高性能とは限らないので注意が必要だ。
GPUに関しては事例1と同じものとなっている。フォートナイト・Apexともに推奨GPU以下のものだ。特にApexはGPU要求が高く、半分ほどの性能しかないこのGPUではまともにプレイできないだろう。
つまりCPU性能はまずまずなものの、ゲームで最も重要なGPU性能が全く足りていないゲーミングPCとなっている。
例3:新品と同額の中古ゲーミングPC
搭載CPU | Intel Core i7-4770(2013年) |
搭載GPU | NVIDIA GTX1660Super(2019年) |
CPU・GPUともに、フォートナイト・Apexの推奨要件をクリアできている。CPUが古いが、これでも十分プレイ可能だ。
細かいところを見ていくと、メモリが16GBでSSD240GB、HDD1TB搭載となっている。キーボード、マウス、モニターまでセットでついて来る。SSDが少ないが、他の出品と比べると十分な性能だ。
ただしおすすめするかと言われると、おすすめはしない。理由は以下の通り。
- 新品でもっと良いのが売っている
- 周辺機器の詳細がわからない
周辺機器がついているため厳密な比較はできないが、大手パソコンショップでは、CPUをスコアで約2倍の性能にしてSSDの容量を2倍にしたものが、新品でほぼ同じ価格で売られている。性能が低く中古のPCを同じ価格で買う意味はない。
周辺機器もセットになっているが、画像を見た限りよくわからない無名メーカーのデバイスだ。有名メーカーで安くて質が高いものを選んだほうが幸せだろう。
つまり性能的には悪くないが、わざわざ中古で買うようなものでもないということだ。
例4:新品より高くて性能の低い半中古ゲーミングPC
搭載CPU | Intel Core i7-5820K(2014年) |
搭載GPU | NVIDIA GTX1060(2016年) |
CPU・GPUともに性能は問題ない。型落ち気味なのは毎度のことだが、フォートナイト・Apexの推奨要件は超えている。
ただし即決価格が約15万円となっている。15万円もあればCore i5-12400(このPCの約2倍の性能)、RTX3060(このPCの約1.7倍の性能)のゲーミングPCを新品で購入できる。
しかも「Core i7-5820KはあのCore i7-7700より性能が高い!」ということをアピールしているが、Core i7-7700は既に新品では扱われていないようなCPUだ。何をアピールされているのかわからない。
新品なら約2倍の性能が手に入るので、このゲーミングPCを選ぶ意味がない。
例5:はるか昔のゲーミングPC
搭載CPU | Intel Core i7-860(2009年) |
搭載GPU | NVIDIA GTS250(2009年) |
問題しかないゲーミングPCだ。これをゲーミングPCと呼んで良いものか悩むレベルだ。CPUもGPUもほぼ最底辺となっている。
この出品は執拗に高性能アピールをしている。「激速i7」「超高性能GTS250」「超高速SSD」「超大容量HDD」など、とにかく高性能であることを強調している。ただし実際はそのすべてが大したことない。現代のゲームを快適にプレイしようと思ったら、この数倍~十数倍レベルの性能が必要だ。
確かにこの性能でも、昔からあるような軽いブラウザゲーム程度であればプレイ可能だ。ただしそのような軽いゲームは普通のPCでもプレイできる。そのレベルのPCを「超高性能!」と言い、ゲーミングPCとしてアピールするのはいかがなものだろうか。
実際にメルカリの「ゲーミングPC」を買ったらゴミが送られてきた
ゲーミングデバイスを頻繁に扱っている「たこまる」さんというYouTuberが、自身のチャンネルでメルカリのゲーミングPCを実際に購入していた。
リンクを貼っておくので詳細が気になる人は後で見てほしいが、要点をまとめると以下の通り。
- 梱包のダンボールがボコボコで送られてきた
- 最低限の清掃すらされていない状態、汚くて臭い
- 一部完全に破損している
- ソフトやゲームのインストールに8時間かかる
- 当然PCゲームはできないに等しい
要するに粗大ゴミだ。絶対に買わないようにしてほしい。
そもそも中古のゲーミングPC自体おすすめできない
メルカリやヤフオクに限らず、中古のゲーミングPC自体あまりおすすめできない。「安物買いの銭失い」という言葉があるように、結果的に損をしてしまう可能性が高いからだ。
理由1:いつ壊れるかわからないのにサポートがほぼない
新品と中古、どちらの壊れるリスクが高いだろうか。もちろん中古のほうだ。
ゲーミングPCのパーツは使い方次第では大きく劣化している可能性がある。ゲーミングPCを使うとパーツから熱が発生し、その熱によってパーツがダメージを受けていく。使えば使うほど確実にダメージが蓄積されているということだ。最悪の場合、購入翌日に壊れる可能性もあるのだ。
にもかかわらず中古のゲーミングPCのサポート期間は短い。パソコンショップで買っても1か月間しかないし、メルカリなんかだと1週間に設定している出品者が多い。
理由2:性能が追い付かずに買い替えることになる
中古として出回っているゲーミングPCは、性能の低いモデルが圧倒的に多い。現役の下位モデルもあるが、多くは型落ちに近いようなモデルだ。
型落ちモデルだと最新のゲームが満足にプレイできないことが多い。最新ゲームは推奨要件が高く、それなりのスペックが必要だ。
型落ちモデルを使っていると、どこかで不満が出てくる可能性が高い。型落ちモデルを使うくらいなら、PS5やPS4などのコンソール機で十分だからだ。せっかくゲーミングPCを買うのであれば、コンソール機以上の性能が欲しいところだ。
どうしても安く買いたいなら中古専門店で
そうは言っても「中学生だから大金持ってない」「ゲーミングPCに何十万もかけられない」という人がいて、そういう人たちがメルカリやヤフオクで買おうとしていることも理解している。
そのような「どうしても激安で買いたい」「新品のゲーミングPCは高すぎる」という人は中古専門店を利用してほしい。中古専門店ではきちんとした検査を行っていて、サポートや保証も充実している。フリマサイトでよくわからない個人から買うのとは大違いだ。
もちろん、中古専門店だからといって故障するリスクがないわけではない。ただリスクを軽減することができるということだ。
10万円以下のゲーミングPCを紹介したページがあるので、「どうしても」という人は参考にしてほしい。
≫10万円以下のゲーミングPCを紹介&注意点を解説
メルカリやヤフオクの中古ゲーミングPCをおすすめしない理由まとめ
- メルカリやヤフオクでゲーミングPCを買うと損をしてしまう可能性大
- 性能が低すぎたり価格が高すぎたりする
- 中古のゲーミングPC自体、故障リスクや性能の面からおすすめできない
このページではメルカリやヤフオクの中古ゲーミングPCをおすすめしない理由を紹介した。損をして後悔をしてしまう可能性が高いことがわかったのではないだろうか。
中古ゲーミングPC以外にも、ゲーミングPCを買う前に知っておいた方が良いことはたくさんある。メルカリやヤフオクで買おうとしていた人はあまり知識がない人だと思う。後悔しないためにも以下のページを読んでおくと良いだろう。
≫ゲーミングPCを買って後悔しないためのチェックリスト