
「PS5ってゲーミングPCと同等だって聞いたことがあるんだけど、だとしたらゲーミングPCを買う意味ってあるの?ゲーミングPCとPS5とで実際には何が違うのかを知りたいな」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- PS5の性能とゲーミングPCとの比較
- PS5よりゲーミングPCをおすすめする
このページではゲーミングPCとPS5を比較する。このページを読めば、どっちを買うのかを決めることができるようになるだろう。
PS5の基本的な性能について
CPU | Ryzen Zen2 8コア/12スレッド |
GPU | AMD Radeon RDNA2-based graphics engine |
メモリ | 16GB(GDDR6) |
ストレージ | 825GB SSD |
価格(税込) | 通常版:60,478円 デジタルエディション:49,478円 ※2022年9月15日より値上げされた |
PS5の主な性能は表の通りだ。メモリやストレージはともかく、CPUやGPUは聞きなれないのではないだろうか。
PS5のような家庭用ゲーム機に搭載されるCPU・GPUは専用のものにカスタマイズされている。そのためゲーミングPCに詳しくても聞きなれないのは無理もない。
肝心の性能についてだが、具体的な性能については非公開情報となっているため、正確な性能はわからないというのが実情だ。
PS5のCPUはAMD 4700Sと同等の性能か
AMD 4700Sは中国のサイトに突如現れた謎のCPUとされている。BTOショップでの取り扱いはないので知らない人がほとんどだろう。
PS5 CPUとAMD 4700Sの仕様を見てみよう。
PS5 CPU | AMD 4700S | |
定格クロック | 3.5GHz | 3.6GHz |
最大クロック | – | 4.0GHz |
コア数 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 |
クロック数がほぼ同じでコア数・スレッド数も同じだ。この他にも類似点が多いことから、AMD 4700Sの元になっているのがPS5 CPUだろうと言われている。
とはいえ、AMD 4700Sという謎のCPUを持ち出されてもよくわからないだろう。実はAMD 4700SはRyzen7 3700XやCore i7-10700とほぼ同性能だ。仕様比較は以下の通り。
PS5 CPU | AMD 4700S | Ryzen7 3700X | Core i7-10700 | |
定格クロック | 3.5GHz | 3.6GHz | 3.6GHz | 2.9GHz |
最大クロック | – | 4.0GHz | 4.4GHz | 4.8GHz |
コア数 | 8 | 8 | 8 | 8 |
スレッド数 | 16 | 16 | 16 | 16 |
ベンチマークの結果では、AMD 4700Sに最も近いのがCore i7-10700だ。Core i7-10700は第12世代IntelCPUが出るまで人気だったが、現在は型落ち気味だ。(AMD製とIntel製を並べるのはナンセンスかもしれないが、Intelのほうが有名なのでわかりやすくするために持ち出した)
この予想がどこまで正確かはわからないが、PS5は家庭用ゲーム機としては性能の高いCPUを搭載している一方で、現在のゲーミングPCとしては型落ちに近いCPUを搭載しているということだ。
PS5のGPUはRadeon RX5700以上の性能か
PS5 GPU | Radeon RX5700 | |
コア数 | 2304 | 2304 |
定格クロック数 | 非公開 | 1625MHz |
最大クロック数 | 2230MHz | 1725MHz |
GPUメモリ | 16GB GDDR6 | 8GB GDDR6 |
演算ユニット | 36 | 36 |
ROP | 64 | 64 |
テクスチャ―ユニット | 144 | 144 |
メモリバス帯域 | 448GB/s | 448GB/s |
PS5 GPUとRadeon RX5700を比べると類似点が多い。PS5 GPUはRadeon RX5700が元になっていると考えても不自然ではない。ただし最大クロック数がPS5のほうが高いため、Radeon RX5700より性能が高いと予想できる。
AMD Radeonはゲーム性能ではNVIDIA GeForceに負けることも多く、知名度もGeForceの方が高い。そのためPS5 GPU(Radeon RX5700)をGeForceで換算しよう。
するとPS5 GPUは大体RTX3060~RTX3060Tiの中間くらいになる。GeForceのゲーミング適性の高さを考えると、PS5 GPUはRTX3060くらいのゲーム性能と見積もるのが妥当ではないだろうか。
PS5のメモリはGPUメモリと共有
ゲーミングPCはメインメモリの他にGPUメモリも搭載している。メインメモリが16GB、GPUメモリが8GB以上、合計で24GB以上というのが通常のゲーミングPCだ。
一方でPS5の場合はメインメモリとGPUメモリが共有されていて、全部で16GBしかない。メモリ容量はデバイスのパフォーマンスに影響するため多いほうが良い。
ではメモリにおいてPS5が劣っているのかというとそういうわけではない。詳しい話は後述する。
ゲーミングPCとPS5の性能を比較
PS5と性能が近いゲーミングPC | |
CPU | Intel Core i7-10700 |
GPU | GeForce RTX3060 |
メモリ | 16GB |
ストレージ | 1TB SSD |
価格 | 約14万円 |
PS5をゲーミングPC換算すると、14万円くらいになると予想できる。PS5の定価は5~6万円なので、PS5は性能の割に超安価なことがわかる。
ただし、ここで安易に「ゲーミングPCよりPS5のほうが優れている」と決めつけてはいけない。
Core i7-10700×RTX3060はすでに現役のゲーミングPCではない。この性能のゲーミングPCを扱っているBTOショップはまずない。今では同額で性能が高いゲーミングPCがあるし、1年後2年後…と年を経るごとにゲーミングPCの性能は高くなることを忘れてはいけない。
このことを頭に入れたうえで読み進めてほしい。
PS5のフレームレートの上限は120fps
PS5のフレームレートは最大で120fpsとなっている。ただしすべてのゲームで120fpsが出せるわけではない。
120fpsに対応しているゲームはそこまで多くない。基本的には60fpsでのゲームプレイになると思っていたい方が良いだろう。
一方でゲーミングPCであればゲームの設定次第で200fps以上も可能だ。例えば高画質の必要がないフォートナイトであれば、パフォーマンスモードで240fps以上に到達する。
フレームレートで見るとゲーミングPCに分があると言わざるを得ないだろう。
PS5の真価はSSD関連の技術
- 高めのSSD転送速度
- ロード時間の短縮
- グラフィックの向上
PS5は「超高速SSD」が売りの1つだ。とはいえPS5のSSDの転送速度は5.5GB/sで、実はゲーミングPCから見ると特別速いわけではない。それに、SSDの転送速度が2倍、3倍…と上がったとして、実際のゲームのロード時間が2倍、3倍…と上がっていくわけではない。実際の短縮時間はわずか数秒程度になる。
これはSSDからメモリにデータを転送する過程で作業が発生するからだ。ボトルネックとも言えるだろう。要するに、「SSDから読み込んだ圧縮データを展開する工程」「展開したデータをメモリに配置する工程」の2つの工程に時間がかかるのだ。
この2つの工程にかかる時間がある以上、SSDの速度とロード時間は直結しない。この問題を解決したのがPS5だ。
正直な話、技術的な話はよくわからないし知る必要もないだろう。超技術によって無駄な過程がなくなってロード時間が短くなったということが重要だ。
そしてPS5の技術はロード時間短縮だけではない。SSDの高速化に伴い、メモリの活用方法も変わった。従来であれば転送速度が遅いため、あらかじめ大量のデータをメモリに送り込んでおく必要があった。そのためメモリがパンパンになりパフォーマンスの低下が起こっていた。
一方PS5でSSDの転送速度が劇的に向上したため、必要な時に必要な分だけデータをメモリに送れば良くなった。これによりメモリに余裕ができ、パフォーマンスが向上している。PS5はメインメモリとGPUメモリが共有されているが、容量不足の心配は要らないということだ。
この変化によってグラフィックの向上も実現している。先ほども言ったように、従来であれば大量のデータによってメモリはパンパンであったため、1つ1つのデータの質を下げる必要があった。一方PS5はメモリにかなりの余裕があるため、1つ1つのデータの質を保てる。
具体的には遠くにあるオブジェクトのグラフィックだ。従来は遠くのオブジェクトを荒いグラフィックで表示することでデータを削減していた。PS5では遠くのオブジェクトすらもくっきりとしたグラフィックで表示できるようになったのだ。
PS5はSSDの爆速化によって、ロード時間の短縮だけでなく、パフォーマンスの上昇、グラフィックの向上を実現している。これはゲーミングPCにはない特徴だ。
ゲーミングPCとPS5を実用面から比較
ここではゲーミングPCとPS5を、性能以外の実用面から比較していく。
汎用性ではゲーミングPCが圧勝
ゲーミングPCはゲームもできるPCであり、普通のPCでできることはなんでもできる。ネットサーフィン・ゲーム配信・動画編集・3Dモデリングなどなど、ゲーミングPCでできることは無数にある。
一方でPS5はゲームがメインだ。ゲーム配信やブラウザ機能が付いているとはいえ、ゲーミングPCと比べると自由度が低いと言わざるを得ない。
PS5でできることはゲーミングPCでもできるため、使用用途の広さではゲーミングPCの圧勝と言える。
PS5はオンライン利用に料金がかかる
基本的にPS5をオンライン利用するためにはPS Plusに加入しなければならない。12か月プランで5,143円~となっている。高くはないが、毎年かかってくるとなると総合的な出費は大きくなる。
ちなみに、フォートナイト・Apex・原神のような無料ゲームであればPS Plusに加入せずにオンラインプレイが可能だ。
PS5は置き場所に困らない
PS5の大きさは104mm×390mm×260mmで重さは4.5kgだ。ゲーミングPCは平均で200mm×450mm×450mmくらいで重さが10kg以上だ。
圧倒的にPS5のほうがコンパクトで軽く、置き場所や持ち運びに困らない。
ゲーミングPCは基本的に移動させず場所を固定して使用すると思っておいた方が良いだろう。
入手難易度はゲーミングPCが圧勝
ゲーミングPCはBTOショップでいつでも購入可能だ。一方でPS5は正規価格での入手がいまだに難しい。
メルカリなどのフリマサイトでは10万円ほどでPS5が売られている。しかしPS5を10万円で買うなら、最低限の性能を持つ10万円のゲーミングPCか、少し予算を足してPS5以上のゲーミングPCを買ったほうが満足度が高いだろう。
入手難易度においてゲーミングPCはPS5を圧倒している。
「結局ゲーミングPCで良くね?」が本音
5~6万円で中古の型落ちゲーミングPCを買うくらいであればPS5を買う。PS5は現役最底辺ゲーミングPCくらいの性能があるからだ。
しかし新品ゲーミングPCとPS5を比べるとどうしてもゲーミングPCに軍配が上がる。確かにゲーミングPCは高価だが、PS5以上の性能で120fps以上出せる。しかもゲーム以外の使用方法もあって持ち腐れになりにくいというメリットもある。
ゲーミングPCかPS5かで迷うくらいであれば、ゲーミングPCを選んだほうが満足度が高くなる。
ゲーミングPCとPS5の比較まとめ
- PS5は家庭用ゲーム機としては高性能だが、現役ゲーミングPCと比較すると最底辺レベル
- PS5にもメリットはあるものの、ゲーミングPCのほうが総合的な満足度が高くなる
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