「ゲーミングPCをBTOショップで買おうと思ってるんだけど、ストレージって1TBのSSDで良いの?イメージしづらくてわからないんだよね」って人に読んでほしいページです。
ゲーミングPCに搭載するSSDについて、どれほどの容量を搭載すれば良いのかは初心者が迷うところだ。
このページでは、ゲーミングPCのSSDとして標準的な1TBで足りるのかどうかを中心に解説している。
このページを読めば、ゲーミングPCに最適なストレージ容量・構成がわかる。
ゲーミングPCのSSD容量は1TBで足りるのか?
ほとんどの人は1TBのSSDで十分だ。
大量のゲームを同時並行でプレイする人は少数だ。クリアしたゲームはアンインストールすれば良いので、ゲームで1TBを圧迫することは少ない。
フォートナイトやApexのように終わりのない対戦ゲームだとしても、10個も20個もプレイすることはなく、せいぜい3タイトル程度だろう。
一方で、1つのゲームで躓いては新しいゲームに手を出すような人は、1TBでは足りない可能性がある。積みゲーとしてたくさんのゲームを放置してしまうタイプなら、2TBにしておいたほうが安全だ。
プレステやSwitchなどでゲームをプレイした経験がある人も多く、自分がどのタイプのゲーマーなのかわかっているはずだ。
実際に使えるSSDの容量
SSDの容量を決める前に、実際に使用できる容量は全容量の7割程度であることを知っておかなければならない。例えば1TBのSSDなら、700GB程度が実際に使えることになる。
SSDの容量と、Windowsが認識する容量の違い
SSDメーカー | Windows |
---|---|
512GB | 477GB |
1TB | 931GB |
2TB | 1862GB |
例えば1TBのSSDを選んでも、Windowsでは1TB以下として認識される。SSDメーカーとWindowsとで、容量の計算の仕方が違うからだ。
SSDメーカーは、1GB=1000MB=1000000KB=1000000000Bと換算する。
Windowsは、1GB=1024MB=1048576KB=1073741824Bと換算する。
SSDメーカーは1000000000Bで1GBとみなすが、Windowsは1073741824Bで1GBとみなすため、ズレが生じるのだ。
SSDに記載されている容量の9割強が、実際にWindowsで認識される容量となる。
SSDを容量限界まで使うべきではない
SSD容量 | 適切な使用量 |
---|---|
512GB | 382GB |
1TB | 745GB |
2TB | 1490GB |
「SSDの使用率は80%程度に留めておくのが吉」というのが通説だ。
SSDの使用率が多くなると、SSDの速度が遅くなり、ゲームの起動やロードに時間がかかる。
色々なものが詰まった引き出しより、中身が少ない引き出しのほうが、目当てのものを見つけやすいのと同じだ。
SSD使用率が多いと、寿命が短くなるとも言われているので、80%程度に抑えておくのが吉だ。
必ずしも80%にこだわる必要はないが、目安として80%という数字を使う。ギリギリまで使いきらないことが重要だ。
Windowsが認識する容量と合わせると、SSDの75%が実際に使える容量というわけだ。
Windows11は25GBほどの容量を使う
SSD容量 | 適切な使用量-Windows11 |
---|---|
512GB | 357GB |
1TB | 720GB |
2TB | 1465GB |
Windows11の容量が25GBほどだ。Windows11以外のソフトが何も入っていない状態で、25GBのストレージを消費している。
512GBのSSDの場合、357GBを自由に使うことができ、1TBのSSDの場合、720GBを自由に使うことができる。
いずれの容量の場合も約7割が自由に使える容量となる。
ゲーミングPCで使用するSSD容量
ゲーミングPCのメイン用途はゲームなので、ゲームの容量を見ていく。
範囲 | 該当タイトル数 | 割合 | 累積比率 |
---|---|---|---|
10GB未満 | 10 | 13.9% | 13.9% |
10GB以上20GB未満 | 16 | 22.2% | 36.1% |
20GB以上30GB未満 | 8 | 11.1% | 47.2% |
30GB以上40GB未満 | 8 | 11.1% | 58.3% |
40GB以上50GB未満 | 4 | 5.6% | 63.9% |
50GB以上60GB未満 | 11 | 15.3% | 79.2% |
60GB以上70GB未満 | 4 | 5.6% | 84.7% |
70GB以上80GB未満 | 3 | 4.2% | 88.9% |
80GB以上90GB未満 | 2 | 2.8% | 91.7% |
90GB以上100GB未満 | 1 | 1.4% | 93.1% |
100GB以上 | 5 | 6.9% | 100% |
※「PCゲーム おすすめ」で検索して出てきたタイトルを中心にまとめた
平均使用量は38.7GBだ。平均から考えれば512GBで問題なさそうだが、実際はそう単純ではない。
確かに約半数のゲームは30GB未満であり小さい容量だ。
とはいえ50~60GBのゲームは15.3%で2番めに多く、50GB以上のゲームは約20%もある。Apexのような人気ゲームや、美麗グラフィックが売りの大作ゲームは容量が大きい傾向にあることも無視できない。
さらに先ほど解説したように、実際に使えるSSD容量は7割だ。512GBの場合は約360GBが実際に使える容量となる。
ゲーム容量と実際に使える容量を合わせると、512GBでは足りず2TBでは多すぎる。使うかわからない容量をはじめから搭載する必要はない。1TBが多くの人にとって最適というわけだ。
ソフトの容量から見るストレージ
ゲームに比べると、ソフトの容量はかなり少ない。
ソフト・アプリ | 容量 |
---|---|
Steam | 0.5GB |
OBS Studio | 0.25GB |
Chrome | 0.5GB |
GIMP | 1GB |
Photoshop | 4GB |
Adobe Premiere Pro | 8GB |
PhotoshopやPremiere Proのような本格的なクリエイター向けソフトの容量は大きいが、それでも10GBに満たない程度だ。一般的なソフトは1GB以下のものが多い。
多く見積もっても20GB程度の使用量だと思われる。
画像や動画の容量から見るストレージ
画像・動画 | 容量 |
---|---|
フルHD画像(JPG) | 250KB~ |
フルHD画像(PNG) | 2MB~ |
フルHD動画(1時間) | 6GB~ |
画像の使用容量はたかが知れている。PNGの画像1万枚でも20GBなので、たいした容量ではない。
動画の場合は、1時間で6GBほどだ。仮に毎日1時間の録画をすると、1か月で180GBとなる。
自分のゲームプレイを録画して見直す、ということをする場合、動画の容量は無視できない。
ちなみに、動画を多く扱う予定なら、SSDではなく大容量のHDDを搭載するのがおすすめだ。
ゲーミングPCに最適なストレージ構成を考える
ゲーミングPCに搭載するストレージであれば、以下の4パターンになることが多い。
- 512GBのSSD:ライトゲーマー向け
- 1TBのSSD:ミドルゲーマー向け。おすすめ
- SSD+SSD:富豪やヘビーゲーマー向け
- SSD+HDD:クリエイター向け
512GBのSSDで十分な人
特定の1~2本のゲームにしか興味がない人であれば、512GBのSSDで十分だ。
512GBのSSDの場合、自由に使えるのは360GBほどだが、数本のゲーム程度であれば問題なくインストールできる。
対戦ゲームを1本程度しかプレイしない予定であったり、ストーリー性のゲームを1本ずつクリアしていくタイプの人であれば、512GBのSSDで十分だ。
1TBのSSDにする人
ゲーミングPCで色々なゲームをプレイしたい人や、容量に余裕を持っておきたいという人には、1TBのSSDがおすすめだ。
1TBのSSDの場合、自由に使えるのは720GBほどだ。
720GBもあればたくさんのゲームをインストールできるし、多少の動画ファイルも扱える。
BTOで512GB→1TBのアップグレードは5~6,000円程度で可能なので、軽い気持ちで1TBを選んでもOKだ。
SSD+SSDにする人
- NVMe SSD+SATA SSD(比較的安価)
- NVMe SSD+NVMe SSD(高価)
SSDを2つは、富豪用の組み合わせだ。1つのゲームで躓いたら別のゲームに手を出していくタイプの人向けとなる。
なお、2TBのSSDを1枚搭載するより、1TB+1TBで2枚搭載したほうが安くなる傾向にある。
最近だとNVMeとSATAの価格差は小さくなってきているので、NVMe+NVMeも現実的な選択肢だ。
SSD+HDDにする人
大量の動画ファイルを扱う人は、HDDを搭載するべきだ。
HDDは速度が遅い代わりに安価で大容量なので、動画ファイルのようなデータを保存するのに向いている。
YouTubeに動画を投稿しているようなクリエイターは、SSD+HDDがおすすめだ。
SSDの製造メーカーについて
SSDメーカーのおすすめは以下の通り。あまり挙げすぎてもキリがないので、3つに絞った。
- Crucial
- Samsung
- Western Digital
これら3メーカーは信頼性が高い。SSDに載っているチップを自社開発している。
他の格安メーカーは、外部からチップを購入してきてSSDに組み込んでいる。
中には、選別に落ちた廃棄されるべきチップを搭載していることもあると言われていて、ハズレを引く可能性が高い。(実際に問題になったケースが過去にある)
安心と信頼の定番メーカーを選ぶべきだ。
【基礎知識】SSD・HDDとは:記憶装置の種類
メリット | デメリット | |
---|---|---|
SSD | 読み書き速度がはやい 駆動部分がないため静音 | 価格が高い |
HDD | 大容量・安価なため、大量のデータを扱う人にぴったり | 読み書き速度が遅い 駆動部分があるため、動作音がする。衝撃に弱い |
SSDの特徴は読み書き速度の速さ
メリット | デメリット | |
---|---|---|
SSD | 読み書き速度がはやい 駆動部分がないため静音 | 価格が高い |
SSDの最大の特徴は、速度がはやいことだ。
SSDにWindowsを入れておけばPCの起動が速くなるし、ゲームを入れておけば起動やロード時間が短くなる。HDDと比べて半分以下の待ち時間になることが多い。
SSDのデメリットとしては、HDDより価格が高いことだ。1GBあたりの価格を比べると、SSDはHDDの3~10倍ほどになる。
とはいえ1TBのSSDで1万円ほどであり、HDDと比べて高額というだけだ。
NVMe・SATAは接続規格の種類
メリット | デメリット | |
---|---|---|
NVMe | 転送速度がはやい | SATAより高額 |
SATA | 価格が安い | 転送速度が遅い |
SSDに記載されている「NVMe」「SATA」は、接続規格を表している。SSDの種類と思って良い。
NVMeはSATAより新しい規格で、転送速度がはやい。とはいえ、実際の体感速度は数秒程度なことが多い。転送速度以外がボトルネックとなるからだ。
OSやゲームくらいであれば、SATAでも十分な速度を出せる。ただし大容量ファイルを扱うなら差が出やすいので、NVMeに軍配が上がる。
BTOショップでは、標準構成でNVMe SSDが搭載されていることがほとんどだ。
最近だとNVMeとSATAの価格差がかなり小さくなってきているので、2枚目のSSDを選ぶ場合もNVMeを選びやすくなっている。
PCIeとは、拡張バスや拡張スロットの接続規格
PCIeは、拡張バスや拡張スロットの接続規格のことだ。パーツをPCに取り付けるときの端子のようなものと思って良い。
PCIe4.0やPCIe(Gen4)のように書かれていることが多く、数字が大きいほど新しい規格で速度がはやい。
とはいえ、新しい規格でも体感速度は数秒レベルしか変わらないので、こだわりがないなら気にする必要はない。
ただしこちらも大容量ファイルを扱う場合は差が出やすいので、新しい規格であるGen4を選ぶと良い。(最新はGen5だが、癖があるし主流ではない)
HDDの特徴は大容量・安価
メリット | デメリット | |
---|---|---|
HDD | 大容量・安価なため、大量のデータを扱う人にぴったり | 読み書き速度が遅い 駆動部分があるため、動作音がする。衝撃に弱い |
HDDの特徴は、大容量で安価なことだ。
SSDが1TBで1万円ほどなのに対し、HDDは4TBで1万円という製品もある。動画ファイルなどで大量のストレージが必要な場合は、HDDが必須だ。
HDDのデメリットは、速度が遅いことだ。
HDDにWindowsを入れるとPCの起動速度がかなり遅くなるし、ゲームを入れると起動やロードのたびに待ち時間が発生する。SSDの2倍以上の待ち時間になる。
大量のストレージが必要になるクリエイターであれば、SSD+HDDにすると快適だ。
ゲーミングPCのストレージが不足したときの対処法
- 要らないゲームやファイルを削除する
- 外付けSSD・HDDを利用する
要らないゲームやファイルを削除する
クリア済みのゲームや、使っていない動画ファイルなど、不必要なデータを削除することで容量を確保できる。
Steamのゲームやオンラインゲームは、クラウドやサーバー上にデータがあるので、PCからゲームを消してしまっても問題ない場合が多い。
他にも、ゲーミングPCにデフォルトで入っている不必要なソフト・アプリを消すことで、わずかではあるが容量を確保できる。
≫Windowsの不要アプリ・ソフトを削除してゲーミングPCをスッキリさせよう
外付けSSD・HDDを利用する
外付けSSDやHDDを利用することで、ストレージを増やせる。
外付けタイプは内蔵タイプより低性能な傾向にあるが、最近では高性能な外付けタイプもある。内蔵タイプに見劣りしないレベルの製品もあるのでおすすめだ。
USB接続でPCに差し込むだけなので、PC内部に増設するよりハードルが低いのもポイントと言える。PCに詳しい人はPC内部に増設すると良い。
ゲーミングPCのSSD容量は1TBで足りるかのまとめ
このページでは、ゲーミングPCのSSD容量は1TBで足りるのかを中心に解説した。
内容をまとめると以下の通り。
- 実際に使えるSSD容量は7割強ほど
- 数本のゲーム程度なら512GBで十分
- 多くのゲームに興味があったり、余裕を持たせたいなら1TB
- 積みゲーとして大量のゲームを放置する癖がある人は2TB
1TB SSDは512GBより5~6,000円高額なだけなので、予算的にも1TBを選びやすい。個人的には1TBがおすすめだ。
BTOショップのカスタマイズについて迷っている人は、以下のページを読むと良い。
›BTOパソコンのおすすめカスタマイズを紹介
ゲーミングPCの選び方について知りたい人は以下のページを読むと良い。
›ゲーミングPCの選び方を初心者でもわかるように解説