「PCはCPU温度を気にする必要があるってことを初めて知ったんだけど、CPU温度ってどうやって確認するの?」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- CPU温度を確認できるソフト
- CPUの温度に関する知識
このページを読めば、自分のPCのCPU温度が適正なのかどうかを知り、冷却性能を見直すべきなのかどうかを判断できる。
CPU温度を確認できるソフト
CPU温度を確認できるソフトは様々なものがあるが、ここではHWMonitor(ハードウェアモニター)を紹介する。
HWMonitorはCPU温度を確認できるソフトの中で有名であり、CPUだけでなくグラボやSSDなどの温度や状態を測定できるという特徴がある。
さらにHWMonitorは「CPU-Z」という有名フリーソフトも提供しているので、なじみがある人も多いのだ。
HWMonitorのインストール方法と使い方
- 公式サイトに入り、「VERSIONS」にある「SETUP・ENGLISH」をクリック
- 「DOWNLOAD HWMONITOR」にある「DOWNLOAD NOW!」をクリック
- ダウンロードしたセットアップアプリを立ち上げ、画面の指示に従ってインストール
- HWMonitorを立ち上げ、自分が使用しているCPUの欄にある「Temperatures」でCPU温度を見ることができる
CPU温度を確認できるソフトに関する注意事項
HWMonitorに限らずモニタリングソフト全般に言えることだが、ソフトとPCとの相性が悪い場合、異常値が記載されることがある。例えば一箇所だけ100度を超えていたり、逆にマイナスになっていたりする。
こういった異常値は、ソフト側がその部分のデータを測定できていないといった相性問題であり、よくあることなので気にしなくて良い。
ソフトを使わずにWindowsの機能でCPU温度を確認できるが…
パフォーマンスモニターやコマンドプロンプトを使えば、外部ソフトを使わなくてもCPU温度を確認できる。とはいえ、PC側がサポートしていない場合は使えない方法だ。
CPU温度を気にするような人はCPU温度以外も気になるはずなので、PCの状態を一括で見ることができるHWMonitorの使用をおすすめする。
- Windowマークにマウスカーソルを合わせ、右クリック。「コンピューターの管理」を選択
- 「パフォーマンス」をダブルクリック。「モニターツール」をダブルクリック。「パフォーマンスモニター」をクリック。上側にある「追加ボタン」をクリック。
- 「Thermal Zone Information」をダブルクリック。「Temperature」を選択し追加して、OKを押す。
- パフォーマンスモニターに戻り、上側にある「グラフの種類の変更」をクリックし、「レポート」を選択。
- ケルビンという単位でCPU温度が表示されるので、表示されている数字から273を引けば摂氏(℃)にできる。何も表示されない場合はPCがサポートしていないので、別の方法を使わなければならない。
- 画面下の検索窓で「コマンドプロンプト」と入力し、「管理者として実行」する。
- wmic /namespace:\\root\wmi PATH MSAcpi_ThermalZoneTemperature get CurrentTemperature と打ち込み、Enterキーを押す。
- 表示された数字を10で割り、273を引けばCPU温度を確認できる。エラーが出た場合はPCがサポートしていないので、別の方法を取る必要がある。
CPUの適正温度
CPUの適正温度はアイドル時で35度付近、高負荷時で70~80度付近だ。90度近くになると、冷却性能が不足していると考えて良い。
Intel製CPUの場合は基本的に100度、最新のAMD製CPUの場合は95度が上限となる。上限に達すると「サーマルスロットリング」といって、クロックを下げることで温度を下げる安全機能が働く。
サーマルスロットリングが発生するということは冷却性能が不足しているというだけでなく、CPUの性能を活かしきれないということなので、冷却性能の見直しが必要だ。
最近のCPUはコア数が多くクロックも高いので、温度が高くなりやすい。特にCore i9やRyzen9のような高グレードのCPUを使うのであれば、冷却性能の充実が必須だ。
CPUが熱暴走すると起きる症状
- 電源が落ちる
- フリーズする、操作できなくなる
- ブルースクリーンが起きる
- 再起動を繰り返す
CPUが熱暴走(サーマルスロットリングが起きている状態)すると、PCに異常が発生するようになる。
熱暴走の原因はCPUを冷やせていないことだ。CPUクーラーの性能不足や故障、ホコリによる冷却性能低下、気温が高すぎる部屋での使用などによって、CPUの発熱に冷却性能が追いついていないことで熱暴走が起きる。
CPU温度を下げる方法
- PC内部のホコリ除去
- CPUクーラーの交換
- グリスの塗り直し
- 使用環境の見直し
PC内部のホコリ除去
PC購入時より冷えなくなった場合は、PC内部にホコリが溜まっている可能性がある。
PCは外気を吸い込んでCPUを冷やし、熱くなった空気を外に排出することで冷却を行う。
ところが吸気口や冷却ファンにホコリが溜まると冷却力が落ちてしまう。冷却ファンの表面にホコリがついて滑らかでなくなることで、風を送る力が弱まるからだ。
エアダスターや除電ブラシなどを使ってPC内部のホコリを除去することで、ファンの冷却力を取り戻せる。
CPUクーラーの交換
使っているCPUに対してCPUクーラーの性能が低い場合、CPUクーラーを交換することでCPU温度を下げられる。
CPUに付属しているクーラーを使っていたり、グレードの高いCPUを使っている場合はクーラーの冷却力が足りていない可能性がある。
さらにCPUクーラーはピンキリで、無名メーカーの製品は冷えないことが多々ある。例えば無名メーカーの360mm簡易水冷が、有名メーカーの240mm簡易水冷より冷えないということは多い。
CPUクーラーは間接的ではあるがPCの性能に関わってくるところなので、有名メーカーの製品を選んでおきたい。
›CPUクーラーの違いと選び方を初心者向けに解説
グリスの塗り直し
グリスとはCPUとCPUクーラーの間に塗る潤滑油のようなものだ。CPUで発生した熱をCPUクーラーに効率良く伝える役割を担う。
グリスの経年劣化が冷却性能に関係するかどうかは議論の余地があるところだが、そもそもグリスの塗り方が悪いと冷却性能を発揮できていない可能性がある。
特に自分でグリスを塗った場合は、薄すぎたり厚すぎたりしてCPUとCPUクーラーが密着できていないケースがあるのだ。塗り直すことで冷却性能が多少改善されるかもしれない。
使用環境の見直し
室温やPCの置き場所を変えることで、CPU温度を下げられる可能性がある。
PCは外気を吸ってCPUを冷却するので、室温が高いと冷却力が低下する。さらにPCからは熱い空気が排出されて室温が高くなりがちなので、負のサイクルとなる。真夏はエアコンをつけたほうが良い。
PCを壁際に置いている場合も注意が必要だ。基本的にPCは前面から空気を取り入れて背面から排出している。背面が壁際にあると排出がうまくいかず、熱い空気がPC内に留まってしまっている可能性がある。壁から30cmほどは離れた場所にPCを設置しておきたい。
CPU温度に関してよくある質問
- CPU温度はどうやって測っているのか
- CPU温度が100度になるとどうなる
- CPUはなぜ熱くなるのか
CPU温度はどうやって測っているのか
最近のCPUには温度を管理するためのセンサーが付いている。温度を確認できるソフトはそのデータを読み出すことでCPU温度を表示している。
ただし、センサーは温度を管理するためのものであり表示するためのものではないので、PCとの相性が悪い場合におかしな数値が表示されることがある。
CPU温度が100度になるとどうなる
CPU温度が100度になると、「サーマルスロットリング」という安全機能が働き、クロック(=性能)を落とすことで温度上昇を抑えるようになる。つまりCPUが性能を発揮できない状態になる。(AMD Ryzenの場合は95度)
CPUが100度になるということは冷却性能に何かしらの問題があるということなので、今すぐ使用を止めて冷却性能を見直す必要がある。
CPUはなぜ熱くなるのか
CPUが処理を行う際に電流が流れるが、部品や回路の電気抵抗によって熱が発生するために熱くなる。
電流とは電子の移動のことだが、電子の移動はスムーズにできるものではなく、様々な障壁を超える必要がある。そのときに熱が発生するというわけだ。(わかりやすさ重視でざっくりとした説明)
CPU温度を確認できるソフトと適正温度まとめ
このページではCPU温度を確認できるソフトを紹介し、適正温度などのCPU温度に関することを解説した。
内容を振り返ると以下の通り。
- CPU温度はHWMonitorというフリーソフトで確認できる
- CPUの適正温度は高負荷時で70~80度ほどであり、90度以上は高すぎる
- CPU温度が高すぎる場合は冷却性能に何らかの問題があるということなので、見直しが必要
PC初心者だとCPU温度になかなか気が回らないが、実はかなり重要な事項だ。CPU温度はPCの寿命にも関わってくるところなので、冷却性能の確認をしておきたい。