
「『ゲーミングPCはNVIDIAコントロールパネルでの設定が大事』って聞いたけど、設定項目多すぎるし謎な用語が多いしわけがわからない」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- NVIDIAコントロールパネルとはハードウェア制御アプリ
- NVIDIAコントロールパネルの起動方法
- NVIDIAコントロールパネルのおすすめ設定を紹介
NVIDIAコントロールパネルで正しい設定をしておかないと、「全然フレームレートが出ない」「思ったより画質しょぼい…」という事態に陥ってしまう。
ゲーミングPCの性能をフルに活かして快適にゲームをプレイするためにもしっかりと設定しておこう。
NVIDIAコントロールパネルとはハードウェア制御アプリ
NVIDIAコントロールパネルはNVIDIA社が提供するアプリだ。ゲーミングPCの多くがNVIDIA製のグラフィックボードを搭載しているので、多くの人に必須のアプリといえる。
NVIDIAコントロールパネルでは、主に映像に関する設定を行える。ゲームプレイの快適さに直結する設定ばかりなので、必ずPCにインストールしておこう。
ゲーミングPCにはデフォルトでインストールされていることが多い
NVIDIAコントロールパネルはNVIDIA製グラフィックボードを搭載しているゲーミングPCには必須のアプリなので、BTOショップ側があらかじめインストールしてくれている場合が多い。
もしインストールされていない場合は、Microsoft Storeからインストールしよう。
NVIDIAコントロールパネルはどこにある?起動方法を解説
NVIDIAコントロールパネルの起動方法がわからないという人が一定数いるようなので、起動方法を解説する。3つの起動方法があるので好きなものを選んでほしい。
方法1:「すべてのアプリ」から起動
一番めんどくさいが、おそらく誰でも使える起動方法だ。
- タスクバーの「スタート」をクリックし、右上の方にある「すべてのアプリ」をクリック
- インストールされているアプリがアルファベット順に並んでいるので、Nのところにある「NVIDIAコントロールパネル」をクリック
方法2:タスクバーから起動
簡単に起動できるが、人によってはNVIDIAコントロールパネルが出てこない可能性がある方法だ。
- タスクバー右の方の「^」を左クリックして、緑のアイコンを右クリック
- NVIDIAコントロールパネルを左クリックして起動
方法3:何もないところを右クリックで起動
簡単に起動できるが、人によってはNVIDIAコントロールパネルが出てこない可能性がある方法だ。
また、Windows10と11とで若干違いがある。
- デスクトップの何もないところを右クリックし、「その他のオプションを表示」をクリック
- 「NVIDIAコントロールパネル」が出てくるのでクリックして起動(Windows10の場合は手順1で右クリックした時点でこのメニューが出てくる)
NVIDIAコントロールパネルのおすすめ設定を紹介
- 「解像度の変更」タブ
- 「プレビューによるイメージ設定の調整」タブ
- 「3D設定の管理」タブ
大きくこの3か所の設定項目を見ていく。これらを設定すれば、ゲーミングPCが性能を最大限発揮できるようになる。
「解像度の変更」タブでの設定
「解像度の変更」タブで、自分のモニターの最大解像度と最大リフレッシュレートに変更しよう。
1920×1080はフルHDと呼ばれる解像度で、現在最も主流な解像度だ。フルHD以上に対応しているモニターを使っている場合は、もっと上の解像度の選択肢が出てくるはずだ。
また、解像度の設定で「Ultra HD、HD、SD」という欄と「PC」という欄がある。基本的には「PC」のほうを選ぶと良い。
違いを簡単に解説すると、「Ultra HD、HD、SD」のほうは映像を鮮明に表示できる一方、リフレッシュレートが伸びにくい。「PC」のほうは映像が滑らかに見えるという特徴がある。

「Ultra HD、HD、SD」という欄から選ばず、この下にある「PC」の欄から選んだほうがリフレッシュレートが伸びる
そもそも「1920×1080が選択肢にない」「240Hzモニターを使っているのに選択肢にない」という場合は以下の2つを確認してほしい。
- HDMIではなくDisplayPortを使おう
- マザーボード側(PC背面の上の方)ではなくグラボ側(PC背面の下の方)にモニターをつなごう
「プレビューによるイメージ設定の調整」タブでの設定
「詳細3Dイメージ設定を使用する」にチェックを入れよう。これによって3D設定を自分で管理できる。
「3D設定の管理」タブでのおすすめ設定
「3D設定の管理」での設定は、画質やフレームレートに直結する。必ず設定しておこう。
ただし「この設定が絶対に正解」というものではないため、あくまで参考程度にしてほしい。
「グローバル設定」と「プログラム設定」
- グローバル設定:PC全体に適用
- プログラム設定:アプリごとに適用
3D設定をするにあたって、PC全体に適用させるかアプリごとに適用させるかを選べる。
フレームレートと画質はトレードオフに関係にある。フレームレートを上げたければ画質を下げなければいけないし、画質を上げたければフレームレートは下げるしかない。
「eスポーツ系のゲームしかプレイしない」「グラフィック重視のゲームしかプレイしない」という場合はグローバル設定を選び、「いろいろなジャンルのゲームをプレイする」場合はプログラム設定でゲームごとに設定すると良いだろう。
イメージスケーリング
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
最近のモニターの多くはアスペクト比(横:縦)が16:9だ。そのためゲームも16:9になっていることが多い。
ただし古いゲームはアスペクト比が16:9ではないことがある。この場合、通常だと見栄えが悪くなるため、うまく調整するのがイメージスケーリング機能だ。
eスポーツ系のゲームやグラフィック重視のタイトルは最近のゲームであることが多く、イメージスケーリングを使う必要はないだろう。
CUDA-GPU
eスポーツ系のゲーム | すべて |
グラフィック重視のゲーム | すべて |
CUDAアプリケーションで使用するGPUを選べる。
CUDAとはNVIDIAが独自開発した並列計算の実行環境のことだ。ややこしい話はどうでも良いが、要するにゲームで物理演算などの処理をするときにどのGPUを使うかを選択する設定だ。
DSR-係数
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフorオン |
DSRをオンにすることで、低解像度のモニターを使っていても疑似的に高解像度でゲームを楽しむことができる。
例えばフルHDのモニターだったとしても、WQHDや4Kのような高解像度を疑似的に体験できる。
ただし負荷がかなりかかるため、オンにするのはあまりおすすめしない。
DSR-滑らかさ
eスポーツ系のゲーム | – |
グラフィック重視のゲーム | オフor33% |
DSRで高解像度に処理した際、滑らかさを決める設定だ。
「DSR-係数」をオフにしている場合はそもそも設定できない。オンの場合はデフォルトで33%になっている。そのままで良いだろう。
OpenGL GDIの互換性
eスポーツ系のゲーム | 自動 |
グラフィック重視のゲーム | 自動 |
OpenGLとは3DCGに関する高度なプログラムの規格のようなもので、GDIは簡易的な描画に関するプログラムの規格のようなものだ。
OpenGLとGDIとが混在しているアプリを利用するときのパフォーマンスに関する設定だ。「自動」で良いと思われる。
OpenGL レンダリングGPU
eスポーツ系のゲーム | 自動 |
グラフィック重視のゲーム | 自動 |
OpenGLアプリを利用したときに処理するGPUを選べる。ほとんどの人はグラボを1つしか搭載していないため「自動」で良い。
Vulkan/OpenGLの既存の方法
eスポーツ系のゲーム | 自動 |
グラフィック重視のゲーム | 自動 |
スミマセン。この項目は正直よくわかっていない。システムの開発環境の話が絡んできていてあまりにもわからないというのが本音だ。
「自動」にしておけば推奨される動作を適用できるらしいので「自動」で良いだろう。
アンチエイリアシング-FXAA
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オン |
エイリアスとは、画面上で斜めに線を引いたときにギザギザに見える現象のことだ。つまりアンチエイリアスとは、ギザギザではなく滑らかに見えるようにする処理を指す。
アンチエイリアシング-FXAAは、簡単で高速なアンチエイリアシングを実行する機能だ。アンチエイリアシングは画質が向上するものの、フレームレートが下がるという欠点がある。
アンチエイリアシング-ガンマ修正
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オン |
アンチエイリアスを施した際、色と3D画質を向上させる機能だ。アンチエイリアシングは画質が向上するもののフレームレートが下がるという欠点がある。
アンチエイリアシング-トランスペアレンシー
eスポーツ系のゲーム | – |
グラフィック重視のゲーム | マルチサンプル スーパーサンプル |
トランスペアレントとは、「透き通った」という意味だ。透き通ったテクスチャを持つ物体のエイリアスを最小にする機能となる。
アンチエイリアシングに関する他の設定をオンにしていないとそもそも使えない。
- マルチサンプル:優れたパフォーマンス
- スーパーサンプル:優れた画質
アンチエイリアシング-モード
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ以外 |
ゲームによってどのアンチエイリアシング設定を用いるかの設定だ。
- アプリケーションによるコントロール:ゲーム内のアンチエイリアシング設定を優先する
- アプリケーションの設定を強調する:ゲーム内のアンチエイリアシング設定を使用する
- アプリケーション設定の変更:ゲーム内にアンチエイリアシング設定がない場合にコントロールパネルの設定を使用する
アンチエイリアシング-設定
eスポーツ系のゲーム | – |
グラフィック重視のゲーム | オン |
数値を高くするほど強いアンチエイリアシング処理がなされ、オブジェクトのギザギザがなくなる。その代わりにフレームレートが下がる。
アンビエントオクルージョン
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | パフォーマンス クオリティ |
アンビエントオクルージョンとは、ゲーム内の光がどの程度さえぎられているかを計算する処理のことだ。オンにするとより正確な陰影を表現でき、リアリティが向上する。
- パフォーマンス:パフォーマンス重視で処理を加える
- クオリティ:クオリティ重視で処理を加えるため、フレームレートが下がりやすい
シェーダーキャッシュサイズ
eスポーツ系のゲーム | 無制限 |
グラフィック重視のゲーム | 無制限 |
シェーダーとは、陰影処理を行うためのプログラムだ。キャッシュとは一度行った処理を保存しておきおく貯蔵庫で、次同じ処理をするときに負荷を減らす役割がある。
この機能によってカクつき等を軽減できるためオン推奨だ。
スレッドした最適化
eスポーツ系のゲーム | 自動orオン |
グラフィック重視のゲーム | 自動orオン |
CPUが全てのコア・スレッドを使用できるようにする設定だ。古いゲームでマルチスレッドに対応していない場合は不具合が出る場合がある。
テクスチャフィルタリング-クオリティ
eスポーツ系のゲーム | ハイパフォーマンス |
グラフィック重視のゲーム | クオリティorハイクオリティ |
テクスチャの品質を決めるプリセットのような設定だ。
- クオリティ:テクスチャフィルタリング-トリリニア最適化がオン、テクスチャフィルタリング-異方性サンプリングがオフになる
- ハイクオリティ:テクスチャフィルタリング-トリリニア最適化がオフ固定になり、テクスチャフィルタリング-異方性サンプリングがオフ固定になる
- パフォーマンス:テクスチャフィルタリング-トリリニア最適化がオン、テクスチャフィルタリング-異方性サンプリングがオンになる
- ハイパフォーマンス:テクスチャフィルタリング-トリリニア最適化がオン、テクスチャフィルタリング-異方性サンプリングオンになる
テクスチャフィルタリング-トリリニア最適化
eスポーツ系のゲーム | オン |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
オンにすることで画面外のテクスチャの画質を下げ、負荷を減らしフレームレート向上を狙える。
テクスチャフィルタリング-ネガティブLODバイアス
eスポーツ系のゲーム | 許可 |
グラフィック重視のゲーム | クランプ |
LODとはLevel of Detailのことで、細かさのレベルを表す。
「クランプ」にすると静止画の画質が良くなるが、画面の動きが激しくなるとちらつくようになる。eスポーツ系ゲームには必要ない。
テクスチャフィルタリング-異方性サンプル最適化
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
オンにするとパフォーマンス向上につながるが、画面がちらつくことがある。
トリプルバッファリング
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
バッファリングとは、画面に表示するデータを一時的にメモリに蓄えておくことを指す。トリプルバッファリングとは、メモリに3つのデータを蓄えることを指す。これにより、ダブルバッファリングよりパフォーマンスの向上が見込める。
ただしこの機能は垂直同期をオンにしているときのみ意味がある。垂直同期の設定は後から出てくるが、オンにすると入力遅延が大きくなるためオフ推奨だ。よってトリプルバッファリングもオフで良い。
バックグラウンドアプリケーション最大フレームレート
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
バックグラウンドで動作するアプリのフレームレートを設定だ。オフで良い。
バーチャルリアリティ-可変レートスーパーサンプリング
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
VRを使用するときに関係のある設定。
バーチャルリアリティ レンダリング前フレーム数
eスポーツ系のゲーム | 1 |
グラフィック重視のゲーム | 1 |
VRを使用するときに関係のある設定。
マルチフレームサンプリングAA(MFAA)
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オン |
マルチフレームサンプリングAAは、複数のフレーム情報からアンチエイリアシングを行う機能だ。
画質に関する設定なため、オンにするとフレームレートは下がる。
低遅延モード
eスポーツ系のゲーム | ウルトラ |
グラフィック重視のゲーム | ウルトラ |
モニターへの出力遅延に関する設定だ。
- オフ:モニターへの描画を優先的に行うため、その分遅延が発生する
- オン:GPUによって処理される前にCPUが処理するフレーム数を1にすることで、遅延を少なくする
- ウルトラ:オフとオンの良い所取りのようなモード。
優先的に使用するリフレッシュレート
eスポーツ系のゲーム | 利用可能な最大値 |
グラフィック重視のゲーム | 利用可能な最大値 |
リフレッシュレート(フレームレート)を重視したいので「利用可能な最大値」で良いだろう。
垂直同期
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
モニターに映る映像は1枚絵ではなく、細長い帯状の映像が縦にたくさん並ぶことで1つの映像を作っている。
フレームレートとリフレッシュレートが大きく異なる場合、1つの画面に複数のフレームが同居することになり、画面の上下でズレ(=テアリング)が発生する。
垂直同期はフレームレートとリフレッシュレートを合わせることでテアリングを発生しなくする設定だ。ただし入力遅延が大きくなるため、オフ推奨だ。
最大フレームレート
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフ |
オンにすると、フレームレートの最大値を制限できる。グラボや電源への負荷を減らしたい場合にはオンにして任意の値を入力すれば良い。基本はオフで十分だ。
異方性フィルタリング
eスポーツ系のゲーム | オフ |
グラフィック重視のゲーム | オフorオン |
異方性フィルタリングとは、奥行き方向・斜めを正確に描写することで、よりリアリティのある映像に仕上げる設定だ。
大きな負荷がかかるため、オフで良い。ハイエンドグラボでグラフィック重視のゲームをプレイする場合はオンでも良いだろう。
電源管理モード
eスポーツ系のゲーム | パフォーマンス最大化を優先or標準 |
グラフィック重視のゲーム | パフォーマンス最大化を優先or標準 |
「パフォーマンス最大化を優先」にするとフレームレートが向上する分、常にグラボを酷使している状態になり、寿命が短くなる可能性がある。
フレームレートに余裕がある場合は「標準」でも良いだろう。
NVIDIAコントロールパネルのおすすめ設定まとめ
ゲームに合った設定にすることで快適なプレイが可能になる。正しい設定をして、快適なゲームライフを送ってほしい。
NVIDIAコントロールパネル以外にも、ゲーミングPCでやっておきたい初期設定がある。詳しくは別のページで解説しているので、気になる人は読んでみると良い。
≫ゲーミングPCが届いたらすること・初期設定を解説