
「ゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、性能高めのやつにしようと思ってるんだよね。12世代のCore i7ってどんなCPUなんだろ?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Core i7-12700/12700Kの特徴を解説
- Core i7-12700/12700Kの性能ベンチマークを比較
- Core i7-12700/12700K搭載のゲーミングPCをBTOから紹介
Core i7-12700は2022年1月、Core i7-12700Kは2021年11月に発売開始されたCPUだ。
このページを読めば、Core i7-12700/12700Kがどんな性能なのかが分かり、自分に合ったCPUかどうかを判断できるだけでなく、おすすめのCore i7-12700/12700K搭載PCを知ることができる。
Core i7-12700/12700Kの特徴
Core i7-12700/12700Kは、ミドル帯のゲーミングPCに搭載するのにピッタリなCPUだ。
Core i7-12700/12700Kはマルチスコアが高く、クリエイティブ作業やマルチタスクに向いている。
前世代のCPUなので、値下がりしていて選びやすいのもポイントだ。
マルチスコアと価格を両立したいなら、Core i7-12700/12700Kは魅力的な選択肢になる。
特徴1:従来のコアに加え、Eコアが追加
Intel12世代のCPUから、PコアとEコアという2種類のコアに区分されるようになった。
Pコアは高性能なコアで、従来のコアと同じと思って良い。追加されたEコアは低性能だが電力効率が良く、小型であることを活かして多数搭載することで並列処理を得意とする。
例えばゲーム+配信をする場合。メインのゲームを高性能なPコアが処理し、バックグラウンドでの配信をEコアが処理する。Pコアに些末な処理をさせずに重いゲームの処理に集中させることで、ゲームのフレームレートを高く保てるというわけだ。
Eコアによってコア数を増やすことで、マルチ性能を伸ばすことが可能になっている。
特徴2:Windows11下で威力を発揮しやすい
Core i7-12700/12700KはPコアとEコアに分かれているが、使い分けを行うのはOSだ。Windows11で最適化をなされているので、Windows10ではコアの振分けがうまくいかないことがある。
例えば、Pコアに割り振るべき作業をEコアに振ってしまうことがある。すると性能が出ないというわけだ。
BIOSでEコアを無効化することはできるが、マルチ性能が低下するし、何よりCore i7-12700/12700Kの利点を潰すことになるので、対策としては弱い。
Windows11に抵抗があって使いたくない人は、Core i7-12700/12700Kの性能を発揮しにくいということは知っておくべきだ。
Core i7-12700/12700Kの性能表を比較
i7-12700 i7-12700K | i7-13700 i7-13700K | R7 5700X | |
---|---|---|---|
コア数 (P/E) | 8コア/4コア | 8コア/8コア | 8コア |
スレッド数 | 20スレッド | 24スレッド | 16スレッド |
定格クロック (P/E) | 2.1GHz/1.6GHz 3.6GHz/2.7GHz | 2.1GHz/1.5GHz 3.4GHz/2.4GHz | 3.4GHz |
最大クロック (P/E) | 4.8GHz/3.6GHz 4.9GHz/3.8GHz | 5.1GHz/4.1GHz 5.3GHz/4.2GHz | 4.6GHz |
L2/L3キャッシュ | 12MB/25MB | 24MB/30MB | 4MB/32MB |
PCI-Express (Gen/レーン) | 5.0/16レーン, 4.0/4レーン | 5.0/16レーン, 4.0/4レーン | 4.0/16レーン |
対応メモリ | DDR4-3200, DDR5-4800 | DDR4-3200, DDR5-5600 | DDR4-3200 |
基本消費電力 | 65W 125W | 65W 125W | 65W |
i7-12700 | i7-12700K | |
---|---|---|
定格クロック(P/E) | 2.1GHz/1.6GHz | 3.6GHz/2.7GHz |
最大クロック(P/E) | 4.8GHz/3.6GHz | 4.9GHz/3.8GHz |
Core i7-12700とCore i7-12700Kとの違いは以下の通り。
- クロック
- オーバークロックが可能かどうか
Core i7-12700KはCore i7-12700より特に定格クロックが高く、安定して高いパフォーマンスを発揮できる。
コアをさほど消費しないゲーム用途での差は小さいが、コアを多く消費するようなクリエイティブ用途であれば差が大きくなるので、クリエイターはCore i7-12700Kを選ぶと快適だ。
ただしCore i7-12700Kは高性能な分、消費電力や発熱が多く、冷却性能に気を使う必要がある。
実際、Core i7-12700には純正クーラーが付属しているが、Core i7-12700Kには付属していない。「自分で強力なクーラーを買ってね」というIntelからのメッセージだ。
Core i7-12700とCore i7-12700Kの2つめの違いは、オーバークロック可能かどうかだ。
オーバークロックとは限界を超えてクロックを引き上げることであり、Core i7-12700KのようなK付きモデルで可能だ。
オーバークロックすると、より高い性能を引き出すことができるが、デメリットが多い。
知識0でオーバークロックすると、ほぼ確実に故障や事故につながる。
「オーバークロックっていうのがあるんだな」程度に知っておけば良い。
i7-12700 i7-12700K | i7-13700 i7-13700K | |
---|---|---|
コア数 | 8コア/4コア | 8コア/8コア |
スレッド数 | 20スレッド | 24スレッド |
Core i7-13700/13700Kは、Core i7-12700/12700Kの後継にあたるCPUだ。
Core i7-12700/12700KとCore i7-13700/13700Kの大きな違いは、Eコアの数だ。
Core i7-13700/13700Kの方が4つ多く、マルチタスク性能がさらに高い。
「裏で動画をエンコードしながら、表で別の作業をする」というように、ガッツリしたマルチタスクの場合、Eコアが多いCore i7-13700/13700Kに軍配が上がる。
さらに12世代と13世代とではPコア/Eコアの挙動が違う。13世代ではコアの振分けの正確性が上がっていて、より快適に作業をこなせるようになっている。
i7-12700 i7-12700K | R7 5700X | |
---|---|---|
コア数 | 8コア/4コア | 8コア |
スレッド数 | 20スレッド | 16スレッド |
L2/L3キャッシュ | 12MB/25MB | 4MB/32MB |
PCI-Express | 5.0/16レーン, 4.0/4レーン | 4.0/16レーン |
対応メモリ | DDR4-3200, DDR5-4800 | DDR4-3200 |
Core i7-12700/12700KとRyzen7 5700Xの大きな違いはコアだ。
Core i7-12700/12700Kは12コア、Ryzen7 5700Xは8コアを持つ。
ゲーム用途では8コアで十分だが、クリエイターやマルチタスクが多い人であれば、12コアのCore i7-12700/12700Kを選んだほうが良い。
もっとも、Core i7-12700/12700KのほうがRyzen7 5700Xより高性能なので、純粋な性能を求める人もCore i7-12700/12700Kを選ぶべきだ。
Core i7-12700/12700Kの性能ベンチマークスコアを比較
i7-12700 | i7-12700K | i7-13700 | i7-13700K | R7 5700X | |
---|---|---|---|---|---|
PassMark | 31127 90% | 34730 100% | 36280 104% | 47094 136% | 26671 77% |
Cinebench シングル | 1862 96% | 1939 100% | 2107 109% | 2126 110% | 1532 79% |
Cinebench マルチ | 21568 95% | 22812 100% | 24770 109% | 31062 136% | 13802 61% |
※PassMarkはCPUの総合性能。シングルスコアはコア1つぶんの性能であり、ゲーム性能に近い。マルチスコアは全コアの性能であり、クリエイティブ性能に近い。
Core i7-12700/12700Kのベンチマークスコアはかなり高い。特にCore i7-12700KはCore i7-13700に迫るほどのスコアだ。
Core i7-13700Kと比べると、特にマルチスコアで大差をつけられている。Core i7-13700→Core i7-13700Kでのマルチスコアの伸びが大きいことが原因だ。
Core i7-12700→Core i7-12700Kでの伸びが小さいこともあり、Core i7-13700Kのマルチスコアが目立つ。
Ryzen7 5700Xと比べると、圧倒的にCore i7-12700/12700Kの勝ちだ。シングルスコアでもマルチスコアでも圧勝している。
Ryzen7 5700Xは価格重視のCPUなので、Core i7-12700/12700Kとは別物と考えたほうが良い。
Core i7-12700/12700Kは前世代のCPUということもあって価格が下がっているので、特にCore i7-12700Kはゲーマー兼クリエイターにおすすめだ。
≫おすすめのCore i7-12700/12700K搭載PCを見てみる
Core i7-12700/12700Kのゲーム性能を比較
無印モデルとK付きモデルはシングルスコアの差が小さく、ゲーム性能の差も小さいので、無印モデルは省いて比較する。
i7-12700K | i7-13700K | R7 5700X | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 112 | 118 | 83 |
Forza Horizon 5 | 210 | 226 | 194 |
Microsoft Flight Simulator | 101 | 111 | 101 |
Horizon Zero Dawn | 209 | 217 | 198 |
Red Dead Redemption 2 | 170 | 173 | 157 |
平均 | 160.4 | 169.0 | 146.6 |
割合 | 100%(基準) | 105% | 91% |
※RTX4090、フルHD
Core i7-12700Kのゲーム性能はやや不満が残る結果となった。
Core i7-13700Kとの差が5%なのは問題ないが、意外にもRyzen7 5700Xが9%の差で食らいついている。
ゲームによっては30%弱の差がついているが、さほど差がないゲームも多い。
おそらく、ゲームの処理の中でも軽い処理をEコアに任せることができるゲームではCore i7-12700Kの長所が活かされ、Ryzen7 5700Xとの差が大きくなるのだろう。
一部のゲームではCore i7-12700Kが圧倒的なパフォーマンスを見せるが、ゲームだけが目的でCore i7-12700Kを選ぶほどではないというのが本音だ。
Core i7-12700/12700Kのクリエイティブ性能を比較
i7-12700 | i7-12700K | i7-13700 | i7-13700K | R7 5700X | |
---|---|---|---|---|---|
Blender | 245 83% | 295 100% | 323 109% | 398 135% | 203 69% |
V-Ray | 13613 91% | 15001 100% | 16251 108% | 20653 138% | 10336 69% |
PCMark10 画像編集 | 13216 79% | 16677 100% | 17314 104% | 21512 129% | 17254 103% |
PCMark10 動画編集 | 7018 92% | 7627 100% | 7793 102% | 7793 102% | 6418 84% |
VRMark オレンジルーム | 14686 90% | 16229 100% | 17985 111% | 16897 104% | 14551 90% |
特にCore i7-12700Kのクリエイティブ性能が優秀だ。
Core i7-12700KはCore i7-12700に対して10~20%の差をつけていて、Core i7-13700には10%弱の差しかつけられていない。
Ryzen7 5700Xと比べると、コア数の差が影響しやすいBlenderやV-Rayで大差をつけている。
Core i7-13700Kと比べるとさすがに大負けしているが、Core i7-13700Kのマルチスコアの伸びを考えれば仕方がない。クリエイティブ性能を重視したいならCore i7-13700Kを選ぶべきだ。
比較的安価ということもあり、特にCore i7-12700Kはクリエイティブ性能目的で選びやすいCPUだ。
≫おすすめのCore i7-12700/12700K搭載PCを見てみる
Core i7-12700/12700Kの価格やコスパを比較
i7-12700 | i7-12700K | i7-13700 | i7-13700K | R7 5700X | |
---|---|---|---|---|---|
価格 | 4.8万円 | 4.8万円 | 6.1万円 | 6.4万円 | 2.7万円 |
コスパ (ゲーム) | – | 33.42 | – | 26.40 | 54.30 |
コスパ (ベンチ) | 0.69 | 0.72 | 0.59 | 0.74 | 0.99 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=PassMark÷価格(円)
Core i7-12700/12700Kのコスパは標準的だ。
Core i7-12700はCore i7-13700より高コスパとなっている。Core i7-13700とCore i7-13700Kの差がかなり大きいことからわかるように、Core i7-13700の性能が伸びきっていないのが原因だ。
Core i7-12700KとCore i7-13700Kのベンチマークにおけるコスパは同程度だが、ゲームではCore i7-12700Kのほうがコスパが良い。Core i7-12700K→Core i7-13700Kにおける大きな変化はEコアの数であり、ゲームとは関係が薄いからだ。
Ryzen7 5700Xと比べるのはさすがに野暮だろうか。Ryzen7 5700Xは値下がりによって非常に高コスパになっていて、価格自体も非常に低い。
特にCore i7-12700Kはコスパに優れていて、価格面でおすすめできるCPUだ。
Core i7-12700/12700K搭載のゲーミングPCをBTOから紹介
おすすめ1 | |
---|---|
外観 | ![]() |
特徴 | 品質重視 |
CPU | Core i7-12700K |
GPU | RTX4060(変更可) |
価格(税込) | 211,680円 |
Core i7-12700やCore i7-12700K搭載のゲーミングPCを扱っているBTOは数少ない。
おすすめ1:高品質なサイコムの定番ゲーミングPC×Core i7-12700K

G-Master Velox Ⅱ Intel Edition | |
---|---|
セール期間 | ~1月8日 |
CPU | Intel Core i7-12700K(要変更) |
GPU | GeForce RTX4060(変更可) |
メモリ | 16GB(8GB×2) DDR4-3200 |
ストレージ | 1TB M.2 NVMe SSD |
価格(税込) | 211,680円 |
※パーツのカスタマイズで迷ったらサイコムのゲーミングPCでできるおすすめカスタマイズを紹介を参照すると良い
おすすめ1は、高品質なパーツをふんだんに搭載していることで人気のあるサイコムのゲーミングPCだ。
このシリーズはサイコムのゲーミングPCの中で最も人気が高く、売れ筋1位の代表的モデルだ。
サイコムで採用しているパーツはどれも有名メーカーの定番パーツであり、信頼性が高い。冷却性や耐久性が高いというわけだ。
Core i7-12700Kは発熱量も多く冷却性に力を入れるべきなので、冷却性に優れたサイコムのゲーミングPCは必見だ。
Core i7-12700/12700Kに関してよくある質問
- Core i7-12700/12700Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
- Core i7-12700KとCore i7-12700KFの違いは?
Core i7-12700/12700Kと組み合わせるのにおすすめのグラボは?
Core i7-12700/12700Kは高性能なCPUなので、ミドルクラスのグラボと組み合わせたい。
RTX4070やRTX4070TiはGPUメモリが多く、汎用性が高い。Core i7-12700/12700Kもコアが多くて汎用性が高いので、RTX4070やRTX4070Tiと組み合わせると良い。
RTX4080以上のグラボと組み合わせても良いが、RTX4080ともなると最新のCPUやCore i9と組み合わせたい。
Core i7-12700KとCore i7-12700KFの違いは?
Core i7-12700KとCore i7-12700KFの違いは、内蔵GPUを使用できるかどうかだ。
Core i7-12700Kの場合は内蔵GPUを利用できるので、グラボがなくても映像出力が可能だ。
一方でCore i7-12700KFの場合は内蔵GPUを利用できないので、映像を出力するためにはグラボが必須だ。
ゲーミングPCであればグラボを搭載するので、どちらを選んでも問題ない。
ただしCore i7-12700KFの場合は、グラボが故障すると画面が映らなくなることに注意。
Core i7-12700/12700Kの性能ベンチマークと搭載ゲーミングPCまとめ
このページでは、Core i7-12700/12700Kの性能ベンチマークと搭載ゲーミングPCを紹介した。
Core i7-12700/12700Kについて振り返ると以下の通り。
- Core i7-12700/12700Kは、マルチタスク性能が売り
- クリエイティブ作業を仕事でやっているような人は、Core i7-13700Kのほうが良い
- Core i7-12700/12700Kは、マルチタスク性能と価格の両方を妥協したくない人向け
Core i7-12700/12700Kは、ゲームだけでなく、趣味でクリエイティブ作業をしているような人におすすめだ。
≫おすすめのCore i7-12700/12700K搭載PCを見てみる
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- PassMark:https://www.cpubenchmark.net/
- Cinebench R23:https://www.cpu-monkey.com/ja/
- Blender:https://opendata.blender.org/
- V-Ray:https://www.chaos.com/vray/benchmark
- PCMark10:https://www.3dmark.com/