
「高性能なゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、グラボで迷ってるんだよね。とりあえずRTX3080の性能を知りたいな」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- RTX3080の特徴
- RTX3080の性能ベンチマークを比較
- RTX3080に関する諸々を解説
RTX3080は、2020年9月に販売開始されたハイクラスのグラボだ。
このページを読めば、RTX3080の性能がわかり、他グラボと比較検討できる。
次世代のRTX4080は、以下のページで解説している。
›RTX4080の性能ベンチマークを比較解説
RTX3080の特徴
RTX3080はRTX30シリーズのハイクラスグラボで人気もあったが、RTX4070の登場によって立場を危ぶまれているグラボだ。
RTX3080は10GBのGPUメモリを搭載している。1ランク下のRTX3070Ti以下のグラボは8GBなので、10GBのメモリはRTX3080の特徴と言える。
ただしその特徴も、12GBのメモリを持つRTX4070と比べると霞む。
RTX4070はRTX3080と同性能であり、RTX30シリーズの次世代にあたるRTX40シリーズのミドルクラスグラボだ。
RTX4070とRTX3080が完璧に同性能というわけではないが、RTX3080はRTX4070に押されているというのが正直な評価だ。
›RTX4070の性能ベンチマークを比較解説
RTX3080の性能表を比較解説
RTX3080 (10GB) | RTX3070Ti | RTX4070 | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ada Lovelace |
GPUコア | GA102 | GA104 | AD104 |
プロセス | 8nm | 8nm | 5nm |
CUDAコア | 8704基 | 6144基 | 5888基 |
RTコア世代 | 第2世代 | 第2世代 | 第3世代 |
RTコア | 68基 | 48基 | 46基 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第3世代 | 第4世代 |
Tensorコア | 272基 | 192基 | 184基 |
ベースクロック | 1.44GHz | 1.58GHz | 1.92GHz |
ブーストクロック | 1.71GHz | 1.77GHz | 2.48GHz |
メモリ容量 | 10GB | 8GB | 12GB |
メモリタイプ | GDDR6X | GDDR6X | GDDR6X |
メモリクロック | 19Gbps | 19Gbps | 21Gbps |
メモリバス幅 | 320bit | 256bit | 192bit |
メモリバス帯域 | 760GB/s | 608GB/s | 504GB/s |
TDP | 320W | 290W | 200W |
推奨電源 | 750W | 750W | 650W |
RTX3080(10GB) | RTX3070Ti | |
---|---|---|
GPUコア | GA102 | GA104 |
CUDAコア | 8704基 | 6144基(71%) |
ベースクロック | 1.44GHz | 1.58GHz(110%) |
メモリ容量 | 10GB | 8GB(80%) |
メモリバス幅 | 320bit | 256bit(80%) |
メモリバス帯域 | 760GB/s | 608GB/s(80%) |
TDP | 320W | 290W(91%) |
RTX3070Tiは、RTX3080の1ランク下に当たるグラボだ。
RTX3080とRTX3070Tiの大きな違いはGPUメモリ容量だが、実際はさほど大きな差ではない。
RTX3080のメモリは10GBだが、RTX3070Tiのメモリは8GBだ。
現在の最低ラインは8GBであり、8GBもあれば基本的には事足りる。
もちろんメモリ容量が多いに越したことは無いが、RTX3080の10GBはそこまで有利にならない。
というのも、8GBで足りない場合は10GBでも足りないことが多いからだ。
ごく一部の最新ゲームは、12GB以上のGPUメモリを要求する。12GB未満だと動作が不安定になり、突然ゲームが落ちるのだ。
8GBだろうが10GBだろうが、十分なときは十分だし、足りないときは足りないというわけだ。
RTX3080(10GB) | RTX4070 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ada Lovelace |
GPUコア | GA102 | AD104 |
プロセス | 8nm | 5nm |
CUDAコア | 8704基 | 5888基(67%) |
RTコア世代 | 第2世代 | 第3世代 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第4世代 |
ベースクロック | 1.44GHz | 1.92GHz(133%) |
ブーストクロック | 1.71GHz | 2.48GHz(145%) |
メモリ容量 | 10GB | 12GB(120%) |
メモリクロック | 19Gbps | 21Gbps(111%) |
メモリバス幅 | 320bit | 192bit(60%) |
メモリバス帯域 | 760GB/s | 504GB/s(66%) |
TDP | 320W | 200W(63%) |
推奨電源 | 750W | 650W(87%) |
RTX4070は、RTX3080と同程度の性能を持つと言われているグラボだ。
RTX3080とRTX4070の大きな違いは以下の通り。
- メモリ性能
- DLSS 3への対応有無
RTX3080のメモリ性能は、RTX4070より高い。
RTX4070のメモリバス幅はRTX3080の60%であり、非常に大きな差だ。
メモリ性能が低いと、主に高解像度でのパフォーマンスが低下する。RTX3080は4Kが適正のグラボだが、メモリ性能が低いRTX4070はWQHDが適正のグラボだ。
RTX3080とRTX4070の総合的な性能は同じだが、RTX3080のほうが高解像度への適性がある。
RTX3080とRTX4070には、機能面でも大きな違いがある。
RTX3080はDLSS 2に対応していて、画質をなるべく保ったままフレームレートを向上させる「DLSS」という機能を使用できる。
RTX4070はDLSS 3に対応していて、従来のDLSSに加えて、「フレーム生成」という機能を使用できる。
RTX3080とRTX4070の素の性能は同程度だが、RTX4070はフレーム生成を利用することで、パフォーマンスを大きく向上させることができる。
≫RTX3080とRTX4070のDLSS性能を見る
RTX3080の性能ベンチマークを比較
RTX3080のグラフィック性能を、定番ベンチマーク「3DMark」で比較した。
RTX3080はRTX3070Tiに15%の差をつけていて、RTX4070とは同性能だ。RTX3070TiはRTX3070に近い性能であり、魅力が薄いということを加味すると、RTX3080の選びやすさがわかるはず。
次世代RTX40シリーズのミドルクラスであるRTX4070と比べると、同等の性能となっている。RTX4070はあくまでミドルクラスでありメモリ周りが弱いので、すべてのシーンでRTX3080と同じパフォーマンスを発揮できるわけではない。
とはいえ、グラフィック性能ではRTX3080と並ぶRTX4070という存在を知っておくべきだ。
RTX3080のゲーム性能を比較する
- RTX3080のWQHD性能を比較する
- RTX3080のDLSS性能を比較する
RTX3080のWQHD性能を比較する
RTX3080 | RTX3070Ti | RTX4070 | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 36 | 26 | 35 |
Watch Dogs Legion(RT) | 51 | 39 | 52 |
God of War | 115 | 95 | 104 |
Red Dead Redemption 2 | 71 | 60 | 69 |
Horizon Zero Dawn | 143 | 127 | 143 |
平均 | 83.2 | 69.4 | 80.6 |
割合 | 100%(基準) | 83% | 97% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、最高設定
RTX3080は十分なWQHD性能を備えている。RTX3070Tiに対して17%の差をつけ、グラフィック性能では2%だけ負けていたRTX4070に対して3%の差をつけている。
RTX4070に対する差は誤差の範囲ではあるが、グラフィック性能のときとは逆転している。重いゲームのWQHD解像度ということで、メモリバス幅が狭いRTX4070が不利になったと考えられる。
RTX3080はハイクラスでメモリバス幅が広いので、WQHD解像度でも高いパフォーマンスを発揮できるというわけだ。
RTX3080のDLSS性能を比較する
DLSS/フレーム生成 | RTX3080 | RTX4070 |
---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 62 | 97 |
Hogwarts Legacy | 89 | 132 |
Marvel’s Spider-Man Remastered(RT) | 73 | 138 |
DLSS平均 | 74.7 | 122.3 |
ネイティブ平均 | 61.0 | 57.7 |
上昇率 | 122% | 212% |
※RTX3080はDLSS、RTX4070はDLSS+フレーム生成
※DLSSは「クオリティ(画質優先)」に設定
※フレーム生成を使うには、ゲーム側が対応している必要がある
RTX3080は、フレーム生成を使ったRTX4070に大敗している。
DLSSやフレーム生成は、画質をなるべく保ったままフレームレートを向上させる機能のことで、RTX3080ではDLSSを利用でき、RTX4070では従来のDLSSに加えて、フレーム生成も利用できる。
DLSSオフのネイティブの状態では、RTX3080はRTX4070にわずかに勝っている。
一方でDLSSオンの勝負では、RTX4070の圧勝だ。
RTX3080のDLSSによる恩恵は1.2倍程度だが、RTX4070のDLSS+フレーム生成による恩恵は2倍以上だ。
DLSSやフレーム生成は対応しているゲームでしか使えないが、快適に遊べるゲームや設定の範囲が大幅に広がるという点で、RTX3080にはない特徴と言える。
RTX3080のクリエイティブ性能を比較
RTX3080 | RTX3070Ti | RTX4070 | |
---|---|---|---|
Premiere Pro Pugetbench | 61.6 100% | 63.5 103% | 69.2 112% |
Photoshop Pugetbench | 135.0 100% | 141.1 105% | 133.1 99% |
Blender | 5215 100% | 4104 79% | 5996 115% |
RTX3080は、クリエイティブ性能での優位性はほぼない。
RTX3080はBlenderでRTX3070Tiに勝っているだけで、他では同等かそれ以下の性能となっている。
特にRTX4070と比べると差は歴然だ。
負荷が小さく差が出ないPhotoshopは無視するとして、Premiere ProやBlenderで10%以上の差をつけられている。
クリエイティブ性能目的でRTX3080を選ぶ意味は薄い。
RTX3080の消費電力とワットパフォーマンスを比較
RTX3080 | RTX3070Ti | RTX4070 | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 308W | 249W | 185W |
Watch Dogs Legion(RT) | 302W | 240W | 188W |
God of War | 318W | 282W | 195W |
Red Dead Redemption 2 | 312W | 276W | 190W |
Horizon Zero Dawn | 303W | 268W | 190W |
平均 | 308.6W | 263W | 189.6W |
ワットパフォーマンス | 0.27 | 0.26 | 0.43 |
※ワットパフォーマンス=フレームレート÷消費電力 高いほうが良い
RTX3080のワットパフォーマンスはRTX30シリーズでは平均的だが、RTX4070と比べると圧倒的に劣る。
RTX3080とRTX3070Tiのワットパフォーマンスは同等だ。若干RTX3080が優れているが、誤差の範囲と言える。
RTX3080とRTX4070のワットパフォーマンスには歴然の差がある。RTX4070はプロセスルールが細かくなっているだけでなくメモリバス幅が狭いので、電力効率が良いのだ。
消費電力の観点から見ても、RTX3080はRTX4070に劣っている。
RTX3080の価格とコスパを比較
RTX3080 | RTX3070Ti | RTX4070 | |
---|---|---|---|
グラボ価格 | 9.0万円 | 7.0万円 | 8.5万円 |
搭載PC価格 | 19万円 | 19万円 | 19万円 |
コスパ(ゲーム) | 9.24 | 9.91 | 9.48 |
コスパ(ベンチ) | 0.195 | 0.212 | 0.210 |
※搭載PC価格は、管理人が確認した限りの最安値
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷グラボ価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=3DMark÷グラボ価格
RTX3080の価格やコスパはこの中だと悪い。
1ランク下のRTX3070Tiにコスパで劣っているのは仕方がないとしても、同性能のRTX4070にも負けてしまっている。
グラボの価格や搭載PCの価格で見ても、RTX3080とRTX4070は同等クラスなので、あえて旧シリーズのRTX3080を選ぶ意味はかなり薄い。
RTX3080に関してよくある質問
- RTX3080の推奨電源は?
- RTX3080を使うと電気代はいくらになる?
RTX3080の推奨電源は?
RTX3080の公式での推奨電源は750Wだ。とはいえ、850Wはあっても良い。
RTX3080のTDPは320Wで、仮にCore i7-13700Kを搭載すると+125Wで、合計445Wだ。
使用電力の2倍弱の電源が望ましいとされているので、750W~850Wほどが良い。
RTX3080を使うと電気代はいくらになる?
ゲーム時の消費電力平均 | 1日5時間使用 | 30日間使用 | |
---|---|---|---|
RTX3080 | 308.6W | 47.83円 | 1434.99円 |
RTX3070Ti | 263.0W | 40.77円 | 1222.95円 |
RTX4070 | 189.6W | 29.39円 | 881.64円 |
※環境によって電気代は異なる
グラボのみで計算。実際はCPUなどの他パーツの電力も加算される。
RTX3080の性能ベンチマークの比較まとめ
このページでは、RTX3080の性能ベンチマークを比較した。
RTX3080について振り返ると以下の通り。
- RTX3080はRTX30シリーズのハイクラスグラボ
- RTX40シリーズ登場前ならかなりおすすめだったが、RTX40シリーズ登場後は微妙になった
- RTX4070のほうがおすすめ
RTX3080と同じような性能を求めるならRTX4070のほうが良い。
グラボの選び方を知りたい人は、以下のページを見てほしい。
≫ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方とおすすめを初心者でもわかるように解説
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している
- 3DMark:https://benchmarks.ul.com/
- Blender:https://opendata.blender.org/