
「ゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、そこそこ良いのが欲しいんだよね。予算がめちゃくちゃあるわけじゃないからRTX3070あたりが良いかなって思ってるんだけど、どんな性能なんだろ?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- RTX3070の特徴を解説
- RTX3070の性能ベンチマークを比較
RTX3070は2020年10月に発売開始されたミドルクラスのグラボだ。
このページを読めば、RTX3070の性能がわかり、他のグラボとの比較検討ができる。
次世代のRTX4070は、以下のページで解説している。
›RTX4070の性能ベンチマークを比較解説
RTX3070の特徴
RTX3070は、1ランク上のRTX3070Tiに近い性能を持っているという特徴がある。
RTX3070もRTX3070Tiも、6144基のCUDAコアを持つ「GA104」というGPUコアを採用している。RTX3070の時点で6144の96%に当たる5888基が有効化されているのだ。
コア数だけでグラボの性能が決まるわけではないが、RTX3070はRTX3070Tiに近い性能であるということは知っておきたい。
RTX3070の性能表を比較解説
RTX3070 | RTX3060Ti | RTX3070Ti | |
---|---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ampere | Ampere |
GPUコア | GA104 | GA104 | GA104 |
プロセス | 8nm | 8nm | 8nm |
CUDAコア | 5888基 | 4864基 | 6144基 |
RTコア世代 | 第2世代 | 第2世代 | 第2世代 |
RTコア | 46基 | 38基 | 48基 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第3世代 | 第3世代 |
Tensorコア | 184基 | 152基 | 192基 |
ベースクロック | 1.50GHz | 1.41GHz | 1.58GHz |
ブーストクロック | 1.73GHz | 1.67GHz | 1.77GHz |
メモリ容量 | 8GB | 8GB | 8GB |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 | GDDR6X |
メモリクロック | 14Gbps | 14Gbps | 19Gbps |
メモリバス幅 | 256bit | 256bit | 256bit |
メモリバス帯域 | 448GB/s | 448GB/s | 608GB/s |
TDP | 220W | 200W | 290W |
推奨電源 | 650W | 600W | 750W |
RTX3070 | RTX3060Ti | |
---|---|---|
CUDAコア | 5888基 | 4864基(83%) |
ベースクロック | 1.50GHz | 1.41GHz(94%) |
ブーストクロック | 1.73GHz | 1.67GHz(97%) |
TDP | 220W | 200W(91%) |
RTX3060Tiは、RTX3070の1ランク下に位置付けられるグラボだ。
RTX3070とRTX3060Tiとの大きな違いは、適正解像度だ。
RTX3070はWQHDが適正だが、RTX3060TiはフルHD向けのグラボとなる。
RTX3070は、RTX3060Tiより17%だけコア数が多く、このコアの差が適正解像度の違いに繋がっている。
コア数以外は微々たる差であったり、まったく同じだったりだ。
RTX3070 | RTX3070Ti | |
---|---|---|
CUDAコア | 5888基 | 6144基(104%) |
ベースクロック | 1.50GHz | 1.58GHz(105%) |
ブーストクロック | 1.73GHz | 1.77GHz(102%) |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6X |
メモリクロック | 14Gbps | 19Gbps(136%) |
メモリバス帯域 | 448GB/s | 608GB/s(136%) |
TDP | 220W | 290W(132%) |
推奨電源 | 650W | 750W |
RTX3070Tiは、RTX3070の1ランク上に位置付けられるグラボだ。
RTX3070とRTX3070Tiの大きな違いは、メモリ性能だ。
RTX3070TiのメモリタイプはGDDR6Xであり、RTX3070より高性能だ。
RTX3070Tiのほうがメモリクロックも36%大きい。
メモリ性能の差は、主にWQHD解像度などの高負荷時のパフォーマンスに表れる。
RTX3070もWQHD適性があるグラボだが、RTX3070Tiのほうがより高いWQHD適性を持つというわけだ。
RTX3070とRTX3070Tiは、メモリ以外ではほぼ差が無い。
特にコア数はほぼ同じなので、メモリ性能を重視しないなら、RTX3070Tiに魅力を感じないだろう。
RTX3070の性能ベンチマークを比較
RTX3070のグラフィック性能を、定番ベンチマーク「3DMark」で比較した。
RTX3070はRTX3070Tiに近い性能スコアとなっている。
RTX3070はRTX3070Tiに10%しか差をつけられていない。
RTX3070とRTX3070Tiはクロックなどに違いがあるものの、コア数はほぼ同じだからだ。
RTX3060Tiと比べると14%の差となっていて、RTX3070Tiのときより差が大きい。RTX3060Tiもかなり優秀なエントリー向けグラボであり、RTX3070に近い性能を有するので、14%の差に収まっているのだ。
RTX3070は他グラボとの差が小さめではあるが、RTX3070Tiに近い性能を持っている。
RTX3070のゲーム性能を比較
- RTX3070のフルHD性能を比較
- RTX3070のWQHD性能を比較
- RTX3070のDLSS性能を比較
RTX3070のフルHD性能を比較
RTX3070 | RTX3060Ti | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 45 | 38 |
God of War | 89 | 78 |
Red Dead Redemption 2 | 59 | 54 |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 43 | 30 |
Hogwarts Legacy | 76 | 71 |
平均 | 62.4 | 54.2 |
割合 | 100%(基準) | 87% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、フルHD最高設定
RTX3070はミドルクラスのグラボでWQHDが適正なこともあり、フルHD性能には余裕がある。
RTX3070のフルHD性能は、RTX3060Tiに13%の差をつけて勝っている。おおよそ60fpsを達成できる性能だ。
とはいえRTX3060Tiでも十分なフレームレートであり、少し画質を下げれば60fpsを達成できる域にある。フルHDでプレイする人なら、最高設定へのこだわりが薄い人が多いはず。
RTX3070のフルHD性能は十分だが、フルHDならRTX3060Tiでも良いというのが正直なところだ。
RTX3070のWQHD性能を比較
RTX3070 | RTX3070Ti | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 24 | 26 |
God of War | 89 | 95 |
Red Dead Redemption 2 | 57 | 60 |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 31 | 33 |
Hogwarts Legacy | 59 | 67 |
平均 | 52.0 | 56.2 |
割合 | 100%(基準) | 108% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、WQHD最高設定
RTX3070はWQHDが適正のグラボではあるが、いまいちパッとしない結果になった。
よりリアルな描画を可能にするレイトレーシング(RT)をオンにしたゲームは仕方がないが、60fpsを達成しているゲームが1つしかない。ギリギリ達成できていないとはいえ、RTX3070Tiとの大きな違いと言える。
WQHDでゲームをプレイするような人は、画質へのこだわりも強いはずなので、最高設定で60fpsに届かないのは残念だ。
とはいえかなり重いゲームだと60fpsに届かないだけであって、God of Warのような重いゲームでは60fps達成できている。
RTX3070のWQHD性能は万能ではないが、適正はあると言える。
RTX3070のDLSS性能を比較する
DLSS/WQHD | RTX3070 | RTX3070Ti |
---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 24→47 | 26→51 |
Hogwarts Legacy | 59→81 | 67→89 |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 31→42 | 33→44 |
DLSS平均 | 38.0→56.7 | 42.0→61.3 |
上昇率 | 149% | 146% |
※CPUはRyzen7 5800X3D、WQHD最高設定
※DLSSの強さはクオリティ(画質優先)
DLSSは、RTX3070のWQHD性能を強化してくれる。
RTX3070のDLSSは、ネイティブからおよそ1.5倍のフレームレートにしてくれる。レイトレーシング(RT)をオンにする場合、60fpsに届かないが、レイトレーシングを使わなければ60fpsを達成できると見て良い。(ネイティブの状態で、RTX3070は60fpsに届くか届かないかくらいの性能なので)
DLSSは対応しているゲームでしか使えないという欠点はあるが、RTX3070の性能を補ってくれることに間違いない。
RTX3070Tiと比べても劇的に見劣りするというわけでもないので、DLSSを前提にすると、RTX3070はWQHD向けのグラボとしてかなり優秀だ。
RTX3070のクリエイティブ性能を比較
RTX3070 | RTX3060Ti | RTX3070Ti | |
---|---|---|---|
Premiere Pro Pugetbench | 50.6 100% | 50.6 100% | 63.5 125% |
Photoshop Pugetbench | 135.8 100% | 132.7 98% | 141.1 104% |
Blender | 3700 100% | 3216 87% | 4104 111% |
RTX3070のクリエイティブ性能はパッとしない。
RTX3070はRTX3060Tiに対してBlenderでは13%の差をつけているが、他では同等のスコアとなっている。
RTX3070Tiと比べると明らかに負けていることから、クリエイティブ性能目当てでRTX3070を選ぶ意味は薄い。
RTX3070の消費電力とワットパフォーマンスを比較
RTX3070 | RTX3060Ti | RTX3070Ti | |
---|---|---|---|
Cyberpunk 2077(RT) | 242W 229W | 208W | 249W |
God of War | 248W 265W | 217W | 282W |
Red Dead Redemption 2 | 229W 250W | 212W | 276W |
The Witcher 3 NextGen(RT) | 242W 263W | 196W | 279W |
Hogwarts Legacy | 240W 254W | 197W | 281W |
平均 | 240.2W 252.2W | 206.0W | 273.4W |
ワットパフォーマンス | 0.26 0.21 | 0.26 | 0.21 |
※RTX3070の上段とRTX3060TiがフルHD、RTX3070の下段とRTX3070TiがWQHD
RTX3070のワットパフォーマンスは、RTX3060TiやRTX3070Tiと同等だ。
RTX3070はRTX3070Tiに近い性能なので、消費電力もRTX3070Tiに近い。RTX3070Tiより20~30W低い程度だ。
RTX3060Tiと比べると平均では34Wほどの差だが、ゲームによっては50Wほどの差がある。
消費電力はグラボ選びの決め手にはなりづらいが、ワットパフォーマンスはどのグラボも同じだ。
RTX3070の価格とコスパを比較
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷グラボ価格(万円) 上段はフルHD、下段はWQHD
※コスパ(ベンチ)=3DMark÷グラボ価格
RTX3070は値下がりの影響もあって高コスパだ。
以前まで高コスパなことで人気だったRTX3060Ti以上のコスパであり、価格も4,000円の差しかない。RTX3070はWQHDが適正とはいえ、フルHDでの使用も違和感ないので、RTX3060Tiの代わりにRTX3070を選ぶのもアリだ。
RTX3070Tiと比べると1万円安く、コスパも勝っている。RTX3070とRTX3070Tiの性能差は10%程度であり、10%に1万円をかけるのは高すぎる。
RTX3070はフルHD・WQHD性能を安く手に入れたい人におすすめできるグラボだ。
RTX3070に関してよくある質問
- RTX3070と組み合わせるのにおすすめなCPUは?
- RTX3070の推奨電源は?
- RTX3070を使うと電気代はいくらになる?
RTX3070と組み合わせるのにおすすめなCPUは?
PassMark | Cinebench シングル | Cinebench マルチ | コア/スレッド | |
---|---|---|---|---|
Core i7-12700 | 31127 | 1862 | 21568 | 12/20 |
Core i7-13700 | 36280 | 2107 | 24770 | 16/24 |
Core i5-13400 | 26355 | 1749 | 14865 | 10/16 |
Ryzen7 5700X | 26671 | 1532 | 13802 | 8/16 |
RTX3070搭載PCは低価格を売りにすべきなので、比較的低価格なCPUと組ませると良い。Core i5-13400やRyzen7 5700Xは、かなり低価格なのでおすすめだ。
RTX3070の推奨電源は?
RTX3070の公式での推奨電源は650Wだ。
RTX3070のTDPは220Wで、仮にCore i7-13700KをCPUに採用すると+125Wで、合計335Wになる。
使用電力の約2倍弱の電源を搭載するのが望ましいとされているので、650Wになるというわけだ。
RTX3070を使うと電気代はいくらになる?
ゲーム時の消費電力平均 | 1日5時間使用 | 30日間使用 | |
---|---|---|---|
RTX3070 | 252.2W | 39.09円 | 1172.73円 |
RTX3060Ti | 206.0 | 31.93円 | 957.9 |
RTX3070Ti | 273.4W | 42.38円 | 1271.31円 |
※環境によって電気代は異なる
グラボのみで計算。実際はCPUなどの他パーツの電力も加算される。
RTX3070の性能ベンチマークの比較まとめ
このページではRTX3070の性能ベンチマークを比較した。
RTX3070について振り返ると以下の通り。
- RTX3070は、WQHD解像度が適正のミドルクラスグラボ
- RTX3070は高コスパなので、フルHDやWQHDでゲームをプレイしたい人におすすめ
グラボの選び方を知っておきたい人は、以下のページを参照してほしい。
≫ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方とおすすめを初心者でもわかるように解説
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- 3DMark:https://benchmarks.ul.com/
- Blender:https://opendata.blender.org/