「ゲーミングPCを買おうと思ってるんだけど、なるべく安く済ませたいんだよね。RTX3050なら価格が安くて性能も十分そうだから気になってるけど、どんな感じのグラボなの?」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- RTX3050の特徴を解説
- RTX3050の性能ベンチマークを比較
RTX3050は2022年1月27日に販売開始されたエントリークラスのグラボだ。
このページを見ればRTX3050の性能がわかり、RTX3050を選ぶべきなのかどうかを比較検討できる。
RTX3050の特徴
RTX3050はRTX30シリーズのローエンドに位置するグラボだが、積極的にはおすすめしづらいというのが正直な評価だ。
RTX3050は2560基のCUDAコアに1.55GHzのベースクロック、メモリは8GBでメモリバス幅は128bitだ。
ローエンドグラボなので仕方がないが、クロック以外はかなり低い数値と言わざるを得ない。
実際のゲームにおいても快適にプレイできるラインを超えないことも多いので、RTX3050はどうしてもお金がない人向けのグラボという評価となる。
RTX3050の性能表を比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
アーキテクチャ | Ampere | Ampere |
GPUコア | GA106 | GA106 |
プロセス | 8nm | 8nm |
CUDAコア | 2560基 | 3584基 |
RTコア世代 | 第2世代 | 第2世代 |
RTコア | 20基 | 28基 |
Tensorコア世代 | 第3世代 | 第3世代 |
Tensorコア | 80基 | 112基 |
ベースクロック | 1.55GHz | 1.32GHz |
ブーストクロック | 1.78GHz | 1.78GHz |
GPUメモリ | 8GB | 12GB |
メモリタイプ | GDDR6 | GDDR6 |
メモリクロック | 14Gbps | 15Gbps |
メモリバス幅 | 128bit | 192bit |
メモリバス帯域 | 224GB/s | 360GB/s |
TDP | 130W | 170W |
推奨電源 | 550W | 550W |
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
CUDAコア | 2560基 | 3584基(140%) |
ベースクロック | 1.55GHz | 1.32GHz(85%) |
GPUメモリ | 8GB | 12GB(150%) |
メモリクロック | 14Gbps | 15Gbps(107%) |
メモリバス幅 | 128bit | 192bit(150%) |
メモリバス帯域 | 224GB/s | 360GB/s(161%) |
TDP | 130W | 170W(131%) |
RTX3060はRTX3050の1ランク上に位置付けられるエントリークラスのグラボだ。
RTX3050とRTX3060には様々な違いがあるが、特筆したいのはGPUメモリ関連だ。
RTX3050には8GBのGPUメモリが搭載されている。8GBは標準的な容量であり、現在のグラボの最低ラインだ。
一方でRTX3060には12GBのGPUメモリが搭載されている。
12GBという容量はかなり大容量であり、RTX30シリーズだとハイクラスのRTX3080(12GB)以上のグラボに、RTX40シリーズだとミドルクラスのRTX4070以上のグラボに搭載されているような容量だ。
GPUメモリが多いことのメリットは、フレームレートの底上げができる可能性があることだ。
最近では8GB以上のGPUメモリを消費するゲームもあり、そのようなゲームをプレイするときには8GBより多いGPUメモリを搭載しているグラボが有利になる。
全体的に見ても、RTX3060はRTX3050の150%ほどのカタログスペックとなっていて、差は非常に大きい。
RTX3050の性能ベンチマークを比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
3DMark | 6203 | 8703 |
割合 | 100% | 140% |
RTX3050のグラフィック性能を、定番ベンチマーク「3DMark」で比較した。
RTX3050はRTX3060に40%のスコア差をつけられていて、大きな性能差があることがわかる。RTX3060もエントリークラスなので決して高性能というわけではないが、それでも40%の差だ。
RTX3050はRTX30シリーズ最低の性能ということもあり、性能目当てでRTX3050を選んではいけない。
RTX3050のゲーム性能を比較
- RTX3050のフルHD性能を比較
- RTX3050のDLSS性能を比較
RTX3050のフルHD性能を比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 40 | 60 |
God of War | 43 | 57 |
Red Dead Redemption 2 | 31 | 43 |
The Last of Us Part 1 | 37 | 52 |
Witcher 3 NextGen | 56 | 61 |
平均 | 41.4 | 54.6 |
割合 | 100%(基準) | 132% |
※CPUはRyzen7 5800X、フルHD最高設定
RTX3050はフルHDでもかなり苦しい。
重いゲームばかりということもあるが、RTX3050は平均で60fps以下なだけでなく、どのゲームも60fpsを達成できていない。平均41.4fpsということで、60fpsには程遠い。
RTX3060と比べると差は歴然で、32%の差がついている。RTX3060も平均60fpsには届いていないものの、かなり60fpsに近く、画質を多少妥協すれば60fpsに到達できるはずだ。
RTX3050はフルHDでのゲームプレイでもかなりカツカツで、RTX3060に大差をつけられている。
RTX3050のDLSS性能を比較
Cyberpunk 2077 | RTX3050 | RTX3060 |
---|---|---|
ネイティブ | 40 | 60 |
DLSS(UP) | 85 | 107 |
DLSS(Q) | 54 | 82 |
RT DLSS(UP) | 56 | 72 |
RT DLSS(Q) | 36 | 47 |
※CPUはRyzen7 5800X、フルHD最高設定
※(UP)=フレームレート重視、(Q)=画質重視、RT=レイトレーシング
RTX3050はDLSSを使っても、フルHDでのゲームプレイは苦しい。60fpsを超えているのがDLSSを最大まで強めて画質を犠牲にしたときのみだ。
一方でRTX3060であれば、DLSSを弱くかけて画質を重視した設定で82fpsであり、60fpsを大きく超えている。
DLSSは強力な機能ではあるが、RTX3050の素の性能が低すぎて、DLSSで補助しようにもしきれていないというのが正直な評価となる。
RTX3050のクリエイティブ性能を比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
Premiere Pro Pugetbench | 29.0 100% | 44.2 152% |
Photoshop Pugetbench | 118.2 100% | 121.4 103% |
Blender | 1660 100% | 2531 152% |
RTX3050のクリエイティブ性能は低い。
Photoshopの負荷は軽く、グラボによる差が出にくいが、Premiere ProやBlenderでは50%の差をRTX3060につけられている。
そもそもエントリークラスのグラボにクリエイティブ性能を求めること自体が間違いだが、RTX3050はクリエイティブ性能でもRTX3060に大敗している。
RTX3050の消費電力とワットパフォーマンスを比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
Cyberpunk 2077 | 126W | 174W |
God of War | 129W | 182W |
Red Dead Redemption 2 | 119W | 173W |
The Last of Us Part 1 | 99W | 137W |
Witcher 3 NextGen | 114W | 159W |
平均 | 117.4W | 165.0W |
ワットパフォーマンス | 0.35 | 0.33 |
※ワットパフォーマンス=フレームレート÷消費電力 高いほうが良い
RTX3050のワットパフォーマンスはRTX3060よりわずかに優れていて、消費電力は100~130W程度に収まっている。
消費電力でグラボを決めることはないが、RTX3050は消費電力に限っては優秀だ。
RTX3050の価格とコスパを比較
RTX3050 | RTX3060 | |
---|---|---|
グラボ価格 | 3.0万円 | 3.9万円 |
コスパ(ゲーム) | 13.8 | 14.0 |
コスパ(ベンチ) | 0.207 | 0.223 |
※コスパ(ゲーム)=平均フレームレート÷グラボ価格(万円)
※コスパ(ベンチ)=3DMark÷グラボ価格
RTX3050は安価だが、コスパはRTX3060に負けている。
RTX3050とRTX3060の性能差は、ベンチマークやクリエイティブ性能では40~50%、ゲーム性能では30%程度なので、ゲームでのコスパならRTX3050とRTX3060は同等だ。一方でベンチマークでのコスパはRTX3050が負けている。
RTX3050はどちらかと言えばゲーム向けのグラボであり、安さ重視のライトゲーマーに向いている。
ここまで見てきたようにRTX3050の性能には期待できないということを知った上で、なるべく安くPCゲームをプレイしたいという人にだけおすすめだ。
RTX3050に関してよくある質問
- RTX3050と組み合わせるのにおすすめのCPUは?
- RTX3050の推奨電源は?
- RTX3050を使うと電気代はいくらになる?
RTX3050と組み合わせるのにおすすめのCPUは?
PassMark | Cinebench シングル | Cinebench マルチ | コア/スレッド | |
---|---|---|---|---|
Core i5-12400 | 19533 | 1623 | 12454 | 6/12 |
Ryzen5 5600X | 21936 | 1593 | 10988 | 6/12 |
RTX3050は低価格が売りなので、その特徴を活かすためにも低価格が売りのCPUと組み合わせるべきだ。
特にRyzen5 5600Xは、低価格ながらエントリークラスとして十分な性能を有している。
RTX3050の推奨電源は?
RTX3050の公式での推奨電源は550Wとなっている。
RTX3050のTDPは130Wで、仮にCore i7-13700Kを搭載すると+125Wで255Wとなる。
使用電力の約2倍ほどの電源容量が望ましいとされているので、550Wというわけだ。
RTX3050を使うと電気代はいくらになる?
ゲーム時の消費電力平均 | 1日5時間使用 | 30日間使用 | |
---|---|---|---|
RTX3050 | 117.4W | 18.20円 | 545.91円 |
RTX3060 | 165W | 25.58円 | 767.25円 |
※環境によって電気代は異なる
グラボのみで計算。実際はCPUなどの他パーツのぶんが加算される。
RTX3050の性能ベンチマークの比較まとめ
このページではRTX3050の性能ベンチマークを比較した。
RTX3050について振り返ると以下の通り。
- RTX3050はローエンドのグラボであり、性能は物足りない
- RTX3050は低価格だがコスパは微妙
- RTX3050は性能は度外視で、安さだけを追求したい人にだけおすすめ
RTX3050を選ぶべきかどうか悩んでいる人や、グラボを選び方を知りたい人は以下のページを読むと良い。
≫ゲーミングPCに載せるグラボ性能の選び方とおすすめを初心者でもわかるように解説
参考サイト
このページで紹介したベンチマークスコアは、以下のサイトから引用している。
- 3DMark:https://benchmarks.ul.com/
- Blender:https://opendata.blender.org/