「最近ゲーミングPCが気になってるんだけど、寿命ってどれくらいなの?高価なものだから長く使いたいんだよね」って人に読んでほしいページです。
このページの内容は以下の通り。
- ゲーミングPCの寿命は何年なのか
- ゲーミングPCの寿命が縮む原因と対策
- ゲーミングPCを長く使うためにできる購入時のコツ
- ゲーミングPCの寿命に関して知っておきたいこと
ゲーミングPCは安くて10万円以上するものなので、できれば長く使いたいはずだ。
このページを読めば、ゲーミングPCの寿命と延命する方法がわかり、せっかく買ったゲーミングPCを長く使うことができるようになる。
ゲーミングPCの寿命は何年?
ゲーミングPCの寿命には「故障による寿命」と「性能不足による寿命」の2種類がある。
故障による寿命と、性能不足による寿命の2つに分けて解説していく。
パーツの故障によるゲーミングPCの寿命
パーツ | 寿命 |
---|---|
CPU | 半永久的 |
グラフィックボード(グラボ) | 5年 |
メモリ | 半永久的 |
SSD | 5年 |
HDD | 3~4年 |
電源 | 2~5年 |
マザーボード | 5年 |
パーツの故障によるゲーミングPCの寿命は5年ほどだと言われている。
パーツごとに寿命は異なるが、5年もすればどこかのパーツが不具合を起こすと思って良い。
もちろんゲーミングPCの使い方や運に左右をされる部分もある。
CPUの寿命はないと考えて良い
CPUは非有寿命部品であり、物理的に壊したり排熱ができない環境にあったりしない限り半永久的に使える。
実際、マウスコンピューターのようなBTOショップ、NECのような電機メーカーの公式サイトを見ても、有寿命部品にCPUは含まれておらず、寿命はないことがわかる。
グラフィックボード(グラボ)は寿命は5年
一般的に、グラボの寿命は5年と言われている。
とはいえ、使用状況によって大きく異なる。
マイニングなどで常に高負荷をかけていたり、ホコリを放置して冷却機能が低下したまま使い続けたりすると、寿命は短くなる。
適切に使えば10年以上もつこともある。
メモリは半永久的に使える
メモリは物理的に壊れない限り、寿命が来ないパーツだ。
永久保証のメモリもあることからも、メモリの壊れる確率が限りなく低いことがわかる。
理論上、メモリは10の15乗回の書き込みができる。1秒に1回書き込んだとしても人生で使い切れない。メモリが使えなくなるより先に、他のパーツが故障することがほとんどだ。
SSDの寿命は5年
SSDはの寿命は5年と言われている。
SSDは、音や体感速度で劣化を感じることができず、ある日突然壊れることが多い。
バックアップを定期的に取っておきたい。
HDDの寿命は3~4年
HDDの寿命は3~4年と言われている。
HDDはデータを物理的に保存しているため衝撃に弱いということもあり、SSDより寿命が短い。
故障の前兆として異音が発生することが多く、故障に備えやすい。
電源の寿命は2~5年
電源の寿命は2~5年と言われている。
ゲーミングPC使用時に電源は常に動いているので、劣化しやすいパーツだ。
電源は「PCの心臓」と言われるほど重要なパーツで、電源が故障するとPCが使い物にならなくなる。
有名メーカーの電源を選んでおきたい。
電源の保証期間は3~5年の製品が多いが、まれに7~10年の製品もある。
マザーボードの寿命は5年
マザーボードの寿命は5年と言われている。
マザーボード故障の原因の1つが、コンデンサ(電気の流れを整える装置)の故障だ。
コンデンサの寿命は65℃で3.65年と言われている。
温度が上がれば故障リスクが跳ね上がるので、冷却が大事というわけだ。
パーツの性能不足によるゲーミングPCの寿命
パーツの性能不足によるゲーミングPCの寿命は3~5年と言われている。
ゲームは日々進化しているので、5年も経てば要求スペックが上がってしまい、古いパーツでは性能不足になってしまう。
「数年前まで最高設定60fpsが可能だったのに、今のゲームだと60fps出ない」ということはよく起きる。
性能不足による寿命はそこまで気にしなくて良い?
個人的な意見だが、性能不足による寿命はそこまで気にしなくて良いと思っている。
最新のグラボを搭載していないと遊べないゲームは、ほぼ存在しないからだ。
最新グラボだけでしか遊べないゲームはプレイする人がおらず、サービスとして成り立たない。
もちろん、最高設定でプレイするなら最新グラボが必要になるケースがある。
とはいえ、「最高設定じゃないとプレイする気が起きない」という人はほとんどいないはず。
実際、世界最大手のゲームプラットフォームであるSteamのデータを見れば、多くの人が最新グラボを使っていないことがわかる。
以下の表はSteamによる2022年12月のグラボ別シェアを示したものだ。
グラボ | 使用率 |
---|---|
GTX1650 | 6.21% |
GTX1060 | 5.65% |
RTX2060 | 4.65% |
GTX1050Ti | 4.41% |
RTX3060 Laptop | 4.03% |
RTX3060 | 3.88% |
RTX3070 | 2.72% |
GTX1660Super | 2.59% |
RTX3060Ti | 2.58% |
GTX1660Ti | 2.39% |
シェア率トップ10のうち、RTX3070以外はエントリークラスのグラボで、合計36.39%にもなる。
ちなみに10位以降もエントリークラスのグラボが多い。
多くの人が、高性能ではないエントリークラスのグラボでゲームをプレイできているのだ。
一部のヘビーゲーマー以外は、性能不足による寿命を考える必要はない。
【実体験】あるゲーミングPCの寿命は5475時間だった
私がBTOショップ「フロンティア」で買ったゲーミングPCの寿命は5475時間だった。
毎日朝起きてから寝るまで、おおよそ15時間ほどゲーミングPCを使っていて、約1年で電源周りに不具合が出始めた。
15時間×365=5475時間というわけだ。
1年というと短いようだが、5475時間を換算すると以下の通り。
想定される寿命 | |
---|---|
1日2時間使用 | 2737.5日(7.5年) |
1日3時間使用 | 1825日(5年) |
1日5時間使用 | 1095日(3年) |
1日10時間使用 | 547.5日(1.5年) |
この表から見ても、ゲーミングPCの寿命は3~5年だと考えて良さそうだ。
ゲーミングPCの寿命が縮む原因と対策
- 経年劣化
- 物理的な破損・水没
- 劣悪な保管環境
- PC内部に溜まったホコリ
- つけっぱなしの電源
- オーバークロック
- 高負荷をかけ続けている
対策できるものに関しては、対策も併せて紹介する。
経年劣化
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の1つめは、経年劣化だ。
ゲーミングPCは使うほどに劣化していくものであり、経年劣化を防ぐ方法はない。
経年劣化はBTOの保証対象になる可能性が高い。
標準保証期間は1年しかない場合がほとんどなので、不安な人は3~5年の延長保証に加入すると良い。
物理的な破損・水没
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の2つめは、物理的な破損や水没だ。
デスク上にゲーミングPCを設置している場合、地震による落下に気を付けたい。
デスク下にゲーミングPCを設置している場合でも、椅子の脚がPCに当たらないようにするべきだ。
ゲームをしながらジュースやエナジードリンクを飲むような人は、ゲーミングPCにこぼさないようにしなければならない。
ペットボトルなどの蓋がついた容器だと安心だ。
物理的な破損や水没は保証対象外になることも多いので、日ごろから気を付けたい。
劣悪な保管環境
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の3つめは、劣悪な保管環境だ。
特に窓際にゲーミングPCを置くべきではない。
窓際は直射日光が当たりやすいし、PC内部が結露してパーツの破損リスクが高くなるからだ。
PC内部に溜まったホコリ
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の4つめは、PC内部に溜まったホコリだ。
ゲーミングPCは、PC外部の空気を取り込むことでパーツの冷却をする。
ゲーミングPCを長期間使用すると、PC内部にホコリが溜まってしまうのだ。特に冷却ファンや吸気口にホコリが付着すると、冷却力が低下する。
冷却力が低下したままゲーミングPCを利用すると、パーツが熱にやられてしまい、ゲーミングPCの寿命が短くなるというわけだ。
3か月に1回や半年に1回など、定期的にPC内部を掃除すると良い。
ただしBTOによっては、サイドパネルを開けると保証対象外になる可能性もあるので、自己責任で。
つけっぱなしの電源
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の5つめは、つけっぱなしの電源だ。
電源をつけっぱなしにすると、その間も電源やその他のパーツに負荷がかかっている状態だ。
学校や仕事に行っている間、就寝中など、ゲーミングPCを数時間使わない場合は電源を落としたほうが良い。
一方で、電源のオンオフはSSDなどに負担をかける。
1時間程度の短時間ならつけっぱなしにしていたほうが負担を減らせる。
オーバークロック
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の6つめは、オーバークロックだ。
オーバークロックとは、CPUの限界を超えて性能を引き出すことだ。
オーバークロックさせれば、本来より高いパフォーマンスでゲームを楽しむことができる。
PCの知識がある人が、正しい冷却環境・設定でオーバークロックさせる分には構わない。
一方で知識が乏しい人がオーバークロックさせると、故障や事故につながる。
オーバークロックさせなくてもゲームはプレイできるので、初心者が軽い気持ちでオーバークロックさせるのはやめよう。
高負荷をかけ続けている
ゲーミングPCの寿命が縮む理由の7つめは、長時間の高負荷だ。
例えばマイニングは、常にグラボに高負荷がかかっている。
実際、マイニングで酷使されたグラボはかなりボロボロになっていることが多い。
常にゲーミングPCを酷使していると、パーツの劣化が速くなる。
ゲーミングPCの寿命を延ばすためにできる購入時のコツ
ゲーミングPCを長く使えるかどうかは、購入時から既に決まってくる。
デスクトップPCを選ぶ
デスクトップはノートより寿命が長い傾向にある。
デスクトップPCは内部が広く、熱がこもりにくい一方で、ノートPCは内部が狭く、熱がこもりやすいからだ。
ゲーミングPCの天敵は熱なので、排熱のしやすさは寿命に大きく関わってくる。
冷却パーツを充実させる
冷却性能が高いパーツを採用することで、ゲーミングPCの寿命を長くできる可能性がある。
ゲーミングPCの天敵は熱であり、熱によって寿命が短くなるからだ。
自作の場合は採用するCPUに合わせて適切なクーラーを自分で選ぶ必要がある。
BTOであれば、BTO側が構成に合わせたチューニングをしてくれているのでそこまで気にかける必要はない。
とはいえ標準のままだと最低限の冷却性能なので、カスタマイズで冷却性能を高める意味はある。
BTOのカスタマイズについては以下のページで解説している。
›BTOパソコンのおすすめカスタマイズを紹介
電源にお金をかける
高品質な電源を選ぶとゲーミングPCの寿命を長くできる可能性がある。電源はPCの心臓と言われるほど重要なパーツだからだ。
電源はPC全体に電力を行き渡らせる心臓のようなパーツで、電源に不具合が起きるとゲーミングPC全体に不具合が起きる。PC稼働時に常に動作しているので、酷使される。
BTOでカスタマイズする場合、メーカー名が記載されている電源を選ぶと良い。
›ゲーミングPCに搭載する電源ユニットの失敗しない選び方
高品質が売りのBTOを選ぶ
高品質なBTOを選ぶと、ゲーミングPCの寿命を長くできる可能性がある。
ゲーミングPCは様々なパーツから構成されていて、大手の有名BTOは中品質程度のパーツを多く採用することで価格を下げている。中品質なパーツでもBTOが採用するほどなので品質は担保されているが、高品質パーツと比べるとどうしても劣る。
そのため、品質にこだわりたいPC玄人は有名メーカーのパーツを採用して自作したり、高品質が売りのBTOを利用する。
高品質が売りのBTOとして有名な「サイコム」であれば、初心者でも選びやすい。標準構成の時点で高品質だからだ。
›サイコムの評判は悪い?どんなBTOかを解説
ゲーミングPCの寿命は運に左右される
ゲーミングPCの寿命を延ばすための対策をいくらしたところで、結局は運に左右される部分が大きい。
何も対策をしていないのに10年間使えているという人もいれば、半年で壊れてしまったという人もいる。
壊れるリスクを低くするに越したことはないが、どれだけ気を付けていても、壊れるときは壊れるということを理解しておく必要がある。
故障したパーツを交換すれば使い続けられる
ゲーミングPCが故障した際、故障したパーツを交換すれば使い続けられる。
ゲーミングPCは複数のパーツで構成されていて、どれか1つのパーツが故障すると、PCが正常に動作しなくなる。
逆に言えば、故障したパーツを取り換えれば、正常に戻る。
ただし、どのパーツが故障しているかを割り出すのは難しい。
症状から故障パーツを絞ることはできるが、断定するのは難しいのだ。自分で特定して取り換えるのは、特に初心者にはハードルが高い。
自分で修理するのが不安であれば、購入したBTOや修理業者に依頼すると良い。
故障が怖い場合はBTOショップの延長保証に入るべき
BTOでは、PCのカスタマイズ時に延長保証に入るかどうかを選べる。
BTOのゲーミングPCには標準で1年間の保証がついていることが多い。PCの到着から1年間は、自然故障を無償で修理してくれる。
1年間では短いと思うなら、延長保証に入ると良い。保証金を支払うことで、3~5年ほどに保証期間を延長できる。
メタ的なことを言えば、1年で壊れる可能性は低いので、標準保証が1年になっていると考えられる。仮に1年で壊れる可能性が高い一方で標準保証を1年間にしていると、BTOが大損するからだ。
もちろん延長保証に関しても同じことは言える。結局は個人がどう感じるかどうかであり、正解はない。
ゲーミングPCの寿命と、寿命を延ばすためにできることまとめ
このページでは、ゲーミングPCの寿命と、寿命を延ばすためにできることを解説した。
内容を振り返ると以下の通り。
- ゲーミングPCの寿命は5年と思っておく
- ゲーミングPCは精密機械なので、衝撃や水分に気を付ける
- 冷却性が高く、高品質なパーツを採用すると、ゲーミングPCの寿命が延びやすい
ゲーミングPCを長く使うためにも、高品質なパーツを選ぶのをおすすめする。
BTOを利用するなら、品質が売りのサイコムがおすすめだ。
›サイコムの評判は悪い?どんなBTOかを解説
ゲーミングPCの失敗しない選び方については、以下のページで解説している。
›ゲーミングPCの選び方を初心者でもわかるように解説