
「フレームレートがゲームでは大事って聞いたことあるけど、具体的にどんなものなのか知らないんだよね。自分のゲーミングPCで見れるものなの?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- フレームレートについて解説
- フレームレートとリフレッシュレートの違い
- 高フレームレートのメリットやフレームレートを高くする方法
- フレームレートに関するゲーミングPCの設定や、フレームレートの確認方法
このページを読めばフレームレートについて理解できる。ゲーミングPCを有効活用して、快適にゲームをプレイしたい人に読んでほしい。
フレームレートとはPCが1秒間に何枚の画像を処理できるかを表す
フレームレートはfpsとも呼ばれる。frame per secondの略で、PCが1秒間に何枚の画像を処理できるかを表す。言い換えれば、映像が1秒間に何枚の画像(フレーム)で構成されているかを表す単位だ。
私たちが見ている映像は、パラパラ漫画のように画像の連続で構成されている。複数枚の画像を高速で描画することで、映像として目に入ってくる。
例として下の画像は10fpsの場合を表している。10fpsということは、1秒間の動作が10枚の画像で構成されている。この10枚の画像を順番に高速で表示することで、キャラクターが走っているように見えるわけだ。
フレームレートとリフレッシュレートの違い
- フレームレートはPCが1秒間に作り出す画像の枚数を表す
- リフレッシュレートはモニターが1秒間に映し出せる画像の枚数を表す
リフレッシュレートは、モニターが1秒間に何枚の画像を順番に描画できるかを表す単位だ。フレームレートも大事だが、私たちが直接目にすることになるモニターのリフレッシュレートも見落としてはならない。
例えばゲーミングPCから1秒間に120枚の画像が送られてきたとして、モニター側が60Hzしかないのであれば、私たちは60fpsとしてしか認識できない。私たちはモニターを通して映像を見ているからだ。
フレームレートとリフレッシュレートは同じようなものだと思ってもらって構わないし混同して使っている人も多いが、実は異なるものだ。
この灰色の部分は少し込み入った話になる。難しかったり興味がなければ読み飛ばしても構わない。

横軸が時間。モニターは1番の画像を出力したら次は2番の画像を出力する…を繰り返す。PCはaの画像を処理したら次はbの画像を処理する…を繰り返す。
赤い棒のタイミングでモニターが画面を更新(リフレッシュレート)し、青い棒のタイミングでPCが映像処理を終える(フレームレート)。それぞれ10Hz、10fpsとしよう。モニターは1~10のように等間隔で画面に映す画像を更新している一方で、PCはa~jのように、画像の処理を完了する間隔が一定ではない。というのも、PCにかかる負荷は常に変動するからだ。例えば非戦闘時より戦闘時のほうが激しく動くため負荷が大きくなる。
そのため画像のように、モニター側とPC側の処理とではズレが生じることがある。このズレがわずかであれば問題ないが、ズレが大きくなると問題が発生する。
例えばf~g間を見てほしい。本来であればfは6、gは7と対応するはずだ。ところがPC側の処理が重くなりgがズレこんでいる。この場合、7と8の両方でfの画像を映し出していて、9でgの画像を映し出すことになる。つまり、7~8間において映像が止まったように見えるということだ。
今回の例のようにフレームレートとリフレッシュレートが揃っていれば、大きな不具合にはならない。
だが下の例のようにフレームレートとリフレッシュレートとの間に差がある場合、1つの画面に2つの映像が出力されて画面がズレてしまう「テアリング」が発生する。
そのため、フレームレートとリフレッシュレートは近い値にしておく必要がある。

リフレッシュレート(赤棒)に比べてフレームレート(青棒)が高すぎる例。
フレームレートとリフレッシュレートは合わせるのが基本
フレームレートとリフレッシュレートを近い値にしないのはそもそも無駄だ。
PC側で240fps出してるのに144Hzのモニターを使ってしまうと、144Hz(fps)でプレイすることになる。私たちが目にしているのはモニターが出力する映像だからだ。この場合は144fpsにしてPCの負荷を減らしてあげよう。
逆に、144fpsしか出ないPCを使っているのに240Hzのモニターを買うのも無駄だ。モニターは1秒間に240枚の画像を映し出そうとするが、PCから144枚の画像しか送られてこないからだ。この場合は144Hzのモニターが適切だ。
無駄をなくすためにもフレームレートとリフレッシュレートはなるべく合わせよう。
フレームレートが高いと対戦ゲームで有利になる
10fps→30fps→60fpsとフレームレートが上がるほど1つ1つの動作を細かく描写できるため、より滑らかでリアリティのある映像になる。
GIFなのでわかりづらいかもしれないが、60fpsの時は10fpsと比べてかなり滑らかな映像になっている。
フレームレートが高いと、自分のキャラを操作したときに滑らかに動いてくれるため非常にプレイしやすい。特に視点移動時に自分の思い通りに操作できる。それに敵の動きも滑らかなため、目で捉えやすくエイムしやすい。
フォートナイトやApexのような対戦ゲームでは自分も敵も常に動いているため、映像の滑らかさは非常に重要だ。
実際、私がフォートナイトで30fps→60fpsにしたとき、ショットガンのエイムが劇的に向上した。フレームレートが高くなるだけで、プレイに影響が出るのを身をもって体験した。
大手グラボメーカーNVIDIAの調査によれば、高フレームレートでプレイしているプレイヤーほど対戦ゲームの戦績が良い傾向にあるそうだ。もちろん、ゲームへの取り組み方の差などの要因もあるとは思うが、無視できない結果と言える。
ゲーミングPCならフレームレートはいくらほしい?
出せるフレームレートは使用しているデバイスによって変わる。SwitchやPS4だと最大60fps、PS5だと最大120fpsだ。デバイスの性能が高ければ最大フレームレートも高くなる。
ゲーミングPCの場合は搭載しているパーツの性能やゲームの設定によって上限フレームレートを設定できるのだ。
対戦ゲームなら144fpsはほしい
フォートナイトやApexのような対戦ゲームであれば144fpsが最低ラインかつ標準ラインだ。
PS5の最大フレームレートが120fpsなので、120fpsを下回るわけにはいかない。そしてゲーミングモニターは144Hzや165Hzが多いため、このあたりがゲーミングPCの標準ラインとなる。
144fpsもあれば快適にプレイできるし、対戦ゲームで明確に不利になるということはまずない。しかも現在主流なゲーミングPCであれば144fps張り付きを狙えるレベルの性能なので、そこまでお金を出さなくても到達できるのが144fpsだ。
対戦ゲームでも240fpsは必要ない
フォートナイトやApexのような対戦ゲームでも240fpsは必要ないと考えている。144fps→240fpsになったところで両者の違いをほとんど実感できないからだ。144fpsでエイムが悪い人が240fpsでプレイしたからといってエイムが良くなることはない。
「でもプロゲーマーは全員240fpsでプレイしてるよね?やっぱり240fpsじゃないとダメなんじゃないの?」と思う人がいるかもしれない。確かにプロゲーマーはたいてい240fpsでプレイしているが、それは彼らがプロだからだ。普通の人は勝率が0.1%上がったところで意味はない。
それに安定して240fpsを出そうとすると、それなりの性能を持つゲーミングPCが必要だ。144fps安定なら簡単にできるため、コスパで見ても240fpsはおすすめできない。
プロゲーマーやプロを本気で目指している人以外は144fpsで十分だ。
対戦ゲーム以外なら60fpsを目指そう
対戦ゲーム以外であれば、画質を最高設定にしたうえで60fpsを目指したい。対戦ゲームであればフレームレートが重要だが、対戦ゲーム以外であればフレームレートより画質の方が重要だからだ。
60fps未満になると目に見えて快適性が落ちるので60fpsを確保したい。
60fps以上出るに越したことはないが、グラフィック重視のゲームで144fpsとなるとかなりの性能が要求される場合が多い。それに対戦ゲーム以外で144fpsでプレイするメリットはほぼないので、60fpsを目安にしたい。
フレームレートを高くするためにできること
特にeスポーツ系のゲームではフレームレートの高さがプレイのしやすさ・勝敗に直結する。そこでフレームレートを高くするためにできることを紹介する。
結論を一言で言ってしまえば、ゲーミングPCにかかる負荷を減らしてあげればフレームレートは上がる。具体的に見ていこう。
ゲームの解像度をフルHDにする
フルHD・WQHD・4K…というのが解像度だ。
ゲームの解像度を上げるほど、細かい所まで描画され美麗なグラフィックを楽しめる反面、ゲーミングPCにかかる負荷が大きくなる。するとフレームレートは下がる。解像度に性能を割く分、フレームレートを下げざるを得ないのだ。
基本的にはフルHDでのプレイをおすすめする。フレームレートが大事になるようなeスポーツ系のゲームではグラフィックの質は二の次だ。
ゲームの画質を下げる
どんなゲームにも「描画設定」という設定欄があるはずだ。1フレーム1フレームをどんな具合で描画するかの設定だ。
低設定にするほど画質は悪くなるがフレームレートは向上する。画質が悪くなると言ってもそこまで気にするほどではない。eスポーツ系のゲームでは低設定でのプレイが普通だ。
特に「アンチエイリアス」「エフェクト」系の設定はすべてオフにしておくと良い。フォートナイトで爆発のエフェクトがリアルだったとしても嬉しくないだろう。
NVIDIAコントロールパネルで適切な設定をする
ゲーミングPCのほとんどがNVIDIA社のグラフィックボードを搭載しているはずだ。その場合、NVIDIAコントロールパネルでの設定が重要になる。
NVIDIAコントロールパネルで適切な設定をしておかないと「全然フレームレートがでない」「画質が良くない」という事態になってしまう。
設定事項が多いため、詳しいことは別のページで解説している。
≫NVIDIAコントロールパネルのおすすめ設定で快適にゲームをプレイしよう
性能が高いグラフィックボードを選ぶ
性能が高いグラフィックボードを選ぶことでフレームレートは向上する。すでにゲーミングPCを購入している場合はどうしようもないが、購入前の場合は自分の欲しい性能を明確にしておくのをおすすめする。
以下の表は現行の主流なグラボを性能順に並べたものだ。3DMarkスコアとはグラボ同士のおおよその力関係を表した数値、「フレームレート目安」はフルHDでの平均的なフレームレートを表している。(参考:https://benchmarks.ul.com/compare/best-gpus)
グラフィックボード | 3DMarkスコア | フレームレート目安 | 解像度目安 | 搭載PCの価格 |
RTX4090 | 35964 | 240fps+ | 4K | 48万円~ |
RTX4080 | 28066 | 240fps+ | 4K | 37万円~ |
RTX4070Ti | 22652 | 240fps+ | ~4K | 27万円~ |
RTX3080 | 17554 | 220fps | ~4K | 24万円~ |
RTX3070Ti | 14835 | 200fps | ~WQHD | 21万円~ |
RTX3070 | 13510 | 190fps | ~WQHD | 18万円~ |
RTX3060Ti | 11593 | 170fps | フルHD | 15万円~ |
RTX3060 | 8703 | 144fps | フルHD | 14万円~ |
RTX3050 | 6203 | 100fps | フルHD | 13万円~ |
144fpsを狙うのであれば、そこまで性能の高いグラボは必要ないことがわかる。自分に合ったグラボを選ぼう。
グラボの選び方や各グラボの詳細な性能は以下のページで解説している。グラボ選びで困っている人は読んでみると良い。
≫【初心者でもわかる】グラボ性能の選び方とおすすめを解説
フレームレート・リフレッシュレートの設定・確認方法
すでにゲーミングPCを持っている人や新しく買った人は、フレームレート・リフレッシュレートの設定・確認をしてほしい。
特にゲーミングPC初心者は「144fpsでプレイしてたつもりだったけど実は60fpsだった」というようなことが珍しくない。ゲーミングPCの性能を活かすためにも確認必須だ。
リフレッシュレートの設定方法
フレームレートはゲーム側で個別に設定するが、リフレッシュレートはPC側(モニター)で設定しておく必要がある。
設定箇所は2つある。1つ目は以下の通り。(画面はWindows11。Windows10だとUIは違うが手順自体は同じ)
- 画面の何もないところで右クリックし、「ディスプレイ設定」を左クリック
- 「ディスプレイの詳細設定」を左クリック
- リフレッシュレートを設定する。モニターがグラボにつながっているかどうかも確認できる
リフレッシュレートの2つ目の設定箇所は以下の通り。
- 画面下のタスクバーにある検索窓で「NVIDIA」と打ち、「NVIDIAコントロールパネル」をクリック
- 「解像度の変更」タブで解像度でリフレッシュレートを最大に設定する。解像度のところは「ULTRA HD」の欄ではなく、「PC」という欄にあるものを選ぶ。
フレームレートの確認方法
フレームレートは各ゲーム内で設定できる。だが例えば144fpsに設定したとして、本当に144fps出ているかはわからない。性能不足で100fpsしか出ていないこともある。
ゲームによっては現在のフレームレートを表示してくれる機能がついているが、外部のソフトを使ってフレームレートを表示させることもできる。様々な外部ソフトがあるが、ここではNVIDIA GeForce Experienceを紹介する。
フレームレート表示目的以外にも、NVIDIAのグラボを使っているなら必須のソフトなので必ずインストールすべきだ。ゲーミングPCには初めから入っていることも多い。
NVIDIA GeForce Experienceを使ったフレームレートの確認方法は以下の通り。
- GeForce Experienceの「設定」を開き、「ゲーム内のオーバーレイ」を有効にする。有効にしたらGeForce Experienceは閉じても良い。
- フレームレートを調べたいゲームを開き、ALT+Zを押してオーバーレイを開く。右の方にある設定歯車をクリック
- 「HUDレイアウト」をクリック
- 「パフォーマンス」をクリックして、フレームレートを表示したい位置を選ぶ。すると「遅延」「FPS」「ベーシック」「アドバンス」という選択肢が出てくるので、「FPS」をクリック。(他の選択肢を選んでもOK。フレームレート以外のPCのパフォーマンスが詳細に出てくる)
- 画面に今のフレームレートが表示される。実際にプレイしてみてフレームレートが安定していないようであれば、設定を調整したほうが良い。
フレームレートについての解説まとめ
- フレームレートとはPCが1秒間に何枚の画像を処理できるかを表す
- リフレッシュレートとはモニターが1秒間に何枚の画像を映し出せるかを表す
- PCにかかる負荷を小さくすることで、高フレームレートで有利にゲームをプレイできる
フレームレートについての知識はゲーミングPCを買った後だけではなく、ゲーミングPCを買う前にも大事な知識だ。
フレームレートについて知らなかった人はゲーミングPCについての知識も少ないと思う。以下のページを読んで失敗しないようにすると良いだろう。
≫初めてのゲーミングPCの選び方!初心者の「わからない」を解消!