
「Arctis Pro+GameDACってどんなゲーミングヘッドセットなんだろ?けっこう高価だし、失敗したくないなあ」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Arctis Pro+GameDACのカタログスペック
- Arctis Pro+GameDACの独自の特徴
- Arctis Pro+GameDACを実際に使用して感じたこと
Arctis Pro+GameDACはSteelSeriesのゲーミングヘッドセットのハイエンドモデルだ。
初稿時時点で200時間ほど使用した上でのレビュー記事となる。このページを読めば、Arctis Pro+GameDACがどんなゲーミングヘッドセットなのかがわかり、自分にピッタリかどうかを判断できる。
Arctis Pro+GameDACの製品概要
ヘッドホン型式 | 密閉型 |
接続方式 | 有線 |
重さ | 350g |
イヤーパッド素材 | Airweaveファブリック |
ケーブル特徴 | 着脱式 |
対応デバイス | PC,PS4 |
ドライバー口径 | 40mm |
ヘッドホン周波数特性 | 10~40,000Hz |
ヘッドホンインピーダンス | 32Ω |
マイク方式 | 格納式 |
マイク極性パターン | 双方向性ノイズキャンセリング |
マイクインピーダンス | 2200Ω |
ノイズキャンセリング | あり |
Game DAC再生周波数特性 | 5~40000Hz |
オーディオ形式 | 最大96kHz、24ビット |
Arctis Pro+GameDACは、SteelSeriesのハイエンドゲーミングヘッドセットだ。
音質はもちろんだが、AirWeaveファブリック素材のイヤーパッドの使い心地の良さなど、ゲーマーにとって嬉しい要素が山盛りとなっている製品となっている。
Arctis Pro+GameDACの外観

AirWeaveのイヤーパッド。サラサラで触り心地が良く、長時間着用しても蒸れにくい。

ヘッドホンの大きさ調節はこのゴムバンドで行う。珍しい形式だが、慣れれば違和感なく着用できるので安心してほしい。

左イヤーカップの裏側にマイクミュートボタンや音量調節ダイヤルが付いている。

Arctis Pro+GameDACのマイクは完全に格納できるわけではない。奥まで収納しても、マイクの先が少しだけ出てしまう。
Arctis Pro+GameDAC独自の強み
Arctis Pro+GameDAC独自の強みは、ひとえにその音にある。
一般的なゲーミングヘッドセットの周波数特性は20Hz~20000Hz程度だ。どのゲーミングヘッドセットを見ても、大体このあたりの数値になっている。
対してArctis Pro+GameDACは、ゲーミングヘッドセット初の10Hz~40000Hzだ(いわゆるハイレゾ)。これが何を表すかというと、今まで聞こえなかった音を感じることができるということだ。
実は、人間の耳は個人差はあれど、20Hz~20000Hzの音しか聞き取れないと言われている。それだと10Hz~40000Hzは無駄じゃないかと思うかもしれない。しかし、20Hz~20000Hzというのはあくまで平均的な話であり、その範囲以外の音でも聞こえることもある。
実際、普通のゲーミングヘッドセットで聞いた後にArctis Pro+GameDACで聞いてみると、今まで聞こえていなかった音が聞こえるようになったという場面がしばしばあった。(後で詳しくレビュー)
今まで聞こえなかった細かい音が聞こえるとどうなるかと言うと、ゲームをよりリアルに感じられるということだ。さらにゲームだけではなく、音楽でもより迫力を感じることができる。
ここまで広い周波数特性を持つゲーミングヘッドセットはおそらく他にない。つまり、一般的なゲーミングヘッドセットより1段階上の体験ができるということだ。
GameDACは必要なのか
実は、GameDACがついていないモデルもあり、そちらも10~40000Hz対応だ。そこで、「GameDACは必要なの?」と思ってしまう人もいるはずだ。
結論から言うと、GameDACは必須レベルのつよつよアイテムだ。
Arctis ProをPCに直挿しした場合でも、確かに悪くはない。他の安価なゲーミングヘッドセットと比べると、明らかに定位感や音質に優れている。しかし、同価格帯のゲーミングヘッドセットと比べた時に、10~40000Hz対応の分優れてはいるがその差が小さく、人によってはArctis Proである必要性が薄いと感じてしまう。
そこでGameDACを使用することで、その小さかった差を大きく広げることができ、Arctis Pro”+GameDAC”である必要性を感じられる。実際GameDACを使うと、音に力が込められた印象を受け、ゲームだと足音がより聞こえるようになって敵の位置をより把握できるようになった。
GameDACは最高のゲーム体験の一助になってくれるアイテムであり、Arctis Proと組んだ時に最も力を発揮してくれると感じた。
そして、GameDACのような「アンプ」と呼ばれるデバイスは、より良いゲーム体験には必須だと言われていますし、私もそう思う。そういった意味でも、GameDACの役割は大きいのだ。
Arctis Pro+GameDACを実際に使って感じたこと
- ×側圧について
- △重さについて
- △GameDACの操作性について
- ○イヤーパッドの快適性について
- ○ヘッドホン音質について
- ○マイク音質について
- ○ケーブルについて
実際に使ってみて感じたことは、悪い点が3つ、良い点が4つだ。それぞれ詳しく説明していこう。
側圧が強すぎるので緩めないと使えない
密閉感を出すためか、ヘッドセット自体が小さめで、ヘッドバンドでしか調節ができない。そのせいか、側圧をかなり強く感じ、買ったばかりだと1時間くらいしかつけていられなかった。耳のあたりが本当に痛くなったのだ。
正直この時点では「失敗したか?」と思ったが、あきらめるにはまだ早いので、とりあえず側圧を弱めることにした。
ヘッドセットをティッシュ箱につけて馴らすのが一般的だが、ティッシュ箱がなかったのでデスクトップPCに付けることにした。自分の顔幅より少し大きいが、他に程よい幅のものがなかったからだ。
私の場合は、2週間側圧を弱めることで長時間の着用でも問題ないほどの側圧になった。はじめの方は効果も薄いので、1日のほとんどで弱めていたが、1週間もするとだいぶ効果が出てきて、6時間くらいは継続して使っても頭が痛くならなかった。そこからはかなりの時間ヘッドセットを使っていたので、弱めていたのは睡眠時(約8時間)くらいだ。
2週間も経つと、かなり側圧が弱まり、10時間とか着用しても大丈夫なようになった。
人によってこの辺の時間は違うと思うので、弱くなりすぎない程度に弱めれば問題なく使えるようになった。
買ってからすぐヘビーに使えないのはしんどいが、モノ自体は良いので我慢だ。
350gの重さは超長時間のプレイには向いていない
私は8時間連続でヘッドセットをつけながら、デスクワークやゲームをするというのが珍しくない
そんなヘビーユーザーからすると、350gは重すぎだ。8時間も使っていると、首から肩にかけて疲れが溜まってくる。
そもそもそんな長時間座って作業するのは身体に良くないというのもあるが、とにかく重さがデメリットの1つと言える。
重さばかりはこちらがどうしようもないので、超長時間着用する場合は大きなデメリットだ。
GameDACが少しだけ使いにくい
このモデルはArctis Pro+GameDACなので、GameDAC抜きで話はできない。音質の話は後にするとして、ここでは使い勝手の話をしよう。
端的に言うと、GameDACは少し使いにくい場面がある。音量調整やサラウンド機能のオンオフは簡単にできるが、問題はそこではなくイコライザー設定だ。
イコライザー設定をするときは、「ボリュームダイヤルを長押し」→「オーディオを選択」→「ダイヤルを回してイコライザーへ」→「ダイヤルを押す」という過程を経る必要がある。
常に同じイコライザー設定で使用する人にとっては何も感じないかもしれませんが、ゲーム用・youtube用・音楽用なんかでイコライザー設定を変える人にとっては、割と手間だと感じた。
このイコライザー設定をワンタッチで変更することができたら、間違いなく神製品と言えるだろう。
メッシュイヤーパッドのおかげで蒸れにくい
私はメッシュイヤーパッド信者だ。1つ前にメインで使用していたG733もメッシュだった。
メッシュは本当に快適だ。長時間付けていても蒸れが少なく、合成皮革と比べて不快感が小さい。今回のArctis Proも例にもれず、蒸れはなかった。
メッシュだからと言って高級感がないかと言えばそんなことはなく、ヘッドセット自体のデザインも相まって良い雰囲気になっていると感じている。
「メッシュだと密閉感がなくなるじゃないの?」と思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。音量やどんなキーボードを使っているのかにもよるとは思うが、私の場合、キーボードのカタカタ音がほぼ聞こえなかった。音量が0の場合だと多少聞こえるくらいだ。玄関のチャイムなんかもほとんど聞こえない。
今までの経験上、ゲーミングヘッドセットを長期間使った場合、合成皮革のイヤーパッドはボロボロになっていたが、メッシュタイプのイヤーパッドはボロボロになったことがないので、今回のArctis Proでも大丈夫なことを祈る。
フォートナイトなどのゲームや普段使いにも使える音質
気になる音質についてだが、かなり良いと感じている。このモデルは+GameDACなので、ヘッドセット単体の話ではなくGameDACを通したときの話になる。とりあえず私はイコライザー設定をスマイリー(低音と高音を強める設定)にして使用した。
まず一番気になるのはゲーム性能だろう。結論から言うと、フォートナイトでかなり快適に使用できました。
音がかなり聞き取りやすく、敵の足音が明確に聞こえた。例えば、序盤は建物に入ることが多いが、そのときに敵は来たか、どのあたりにいるのかがわかった。「階段のあたりで足音が消えたな。多分階段下で芋ってるな」と思ったら、本当にいたこともある。
中盤~終盤にかけての建築バトルにおいても効果を発揮してくれた。建築バトルでは上下左右に動き回るので、敵の位置の把握がとても大事だ。真下にいるとか、上に上がってくるということが音からわかるので、有利に立ち回ることができているなと感じられた。
他に試したゲームはマリオカートくらいだ。このゲームだと特筆するほど有利になる点はなかった。ただ1つ挙げるなら、音の解像度が良いため、今まで聞こえなかった環境音が聞こえるようになった。「そんなところ水の音聞こえたんだ」というように、新しい気づきを得た。
マリオカートだとその臨場感はあまりいらないが、他の美麗グラフィックのPCゲームなんかだと、こういった臨場感が大事になってくるので、細かい音まで聞こえるのはかなりゲーム体験を向上させてくれると感じた。
サラウンド機能については、オフにして使用した。というのも、オフの時より足音が聞きとりづらくなったからだ。リアルに近くなったからこそ、足音より他の音が入ってくると感じた。
サラウンド機能自体が悪いということはなく、臨場感は間違いなく増すが、シューティングゲーム用の機能ではないということだ。
ゲームについての話はここまでにして、ここからは普段使いについてだ。具体的にはYouTubeと音楽で使用した。
結論から言うと、特に問題なく普段使いでも使用できました。
例えばRAZERなどのゲーミングヘッドセットは低音が強めだったりして、ゲーム専用に作られているものが多い。しかしSteelSeriesのゲーミングヘッドセットは、フラット~気持ち中高音よりに作られていることが多く、今回のArctis Pro+GameDACもその傾向に感じだ。そのため、普段使いとして使っても違和感が少ない。
音楽に関して言うと、解像度が高いため「そこそんなメロディーなってたんだ」と、今まで気づかなかった音に気づけだ。また、歌詞も聞き取りやすくなり、今まで思ってた歌詞と違ったという場面もいくつがあった。(私はカラオケなどに行かないため、間違った歌詞で覚えていることがしばしばあるのだ)
普通のゲーミングヘッドセットと違って癖がないので、ゲームにしか使えないわけではないのが高評価だ。
小さな配信でも使えるレベルのマイク音質
一般的なゲーミングヘッドセットのマイク音質は悪い。悪いは言いすぎだとしても、不特定多数に聞かせる配信では使いたくないレベルのものが多い。
それに対し、今回のArctis Pro+GameDACのマイク音質は比較的良く、クリアに聞こえると感じた。私は自分が参加しているマリオカートチーム戦の動画を録画しているので、Arctis Pro+GameDACの使用前後で聞き比べてみたが、明らかにマイク音質が良くなっていた。今までのメイン機種はワイヤレスのG733だったので、当たり前と言えば当たり前ではあるが…。
そこで、マイク音質が良いG431とも比べてみたところ、この場合もArctis Pro+Game DACのほうがマイク音質は良いと感じた。やはり、サウンドカードよりゲームアンプを使用したほうが音質が良くなるということだろう。
チームメンバーからは「声が近くなった」「今の方が良い」と言われた。マイク(ヘッドセット)を替えたことが一発でばれたので、それなりの違いがある。
ただし、マイクを近くに持ってこないと、声量が割と小さくなる。マイクを引っ張り出して調節しないで使っていると、相手は聞き取りづらいかもしれない。口元から親指1本分くらいの位置だと良いと感じた。
中規模以上の配信ならちゃんとしたマイクを使ったほうが良いと思うが、小規模の配信ならArctis Pro+GameDACのマイクで十分だ。
1つ注意点としては、付属のマイクスポンジは付けたほうが良い。というのも、付けなかった場合、鼻をすする音や強い息がマイクに入ってしまう。強い息というのは吹き出すように笑ったときに出る息だ。マイクスポンジを付けるとこれらの音が入らなくなるので、付けたほうが良いと感じた。
ケーブルの長さがちょうど良い
有線ヘッドセットにまとわりつく問題がケーブルだ。
端的に言うと、私の場合はケーブル長はちょうど良いと感じた。GameDACからヘッドセットをつなぐケーブルは大体1mくらいだ。GameDACの置き場所などにもよるが、長すぎてケーブルが邪魔ということもなく、また、膝上でコントローラー使用時に引っ張られて邪魔になるということもない。
また、GameDACからPCのケーブル長もちょうどよく、私の場合はケーブルが床につかないので、ゲーミングチェアで踏んでしまうということもない。
ケーブルが着脱式というのも良くて、仮に断線したとしてもケーブルのみを買いかえれば良く、ヘッドセットを自体はそのまま使い続けることができる。
ちなみに、ケーブルは割と奥まで挿さるので、壊さない程度にきちんと奥まで挿す必要がある。そうでないと、音がとても小さくなったり、聞こえなかったりする。
勘違いして不良品だと思い込む前に、しっかりと奥まで挿しているのかを確かめよう。
Arctis Pro+GameDACの世間の評価
2022年1月25日現在、Amazonでの評価は星5中4.3だ。約2000件、評価されていた。
内訳は上の図のようになっていて、星5と星4がそれぞれ62%、24%で、全体の8割以上を占めている。世間の評価的にも良い評価を得ている。
低評価の理由
- 初期不良系
- ヘッドホン自体が破損した
- 音質が良くない
- サイズが小さい
正直、どのヘッドセットにもよくある低評価の理由だ。(サイズ以外)
サイズの小ささに関しては、SteelSeriesのArctisシリーズの特徴で、私自身も小さいなと感じている。長時間プレイするゲーマーなら、ほとんどの人が感じるのではないでしょうか。
サイズ以外のレビューに関しては、人によるとしか言いようがない。
私はこういうガジェットや精密機械系のデバイスを買って、初期不良に当たったことがないし、早期に壊れたとしても、心当たりがある場合がほとんどだ。なので、そこまで気にする必要はないのではと思っている。
実際、星1・2の割合は合計で10%なので、Arctis Pro+GameDACは、あなたにとって良いゲーミングヘッドセットである可能性が高いと言える。
高評価の理由
- 音や定位感が良い
- 装着感が良い
高評価の理由はおおよそ以上のようになっている。まあヘッドセットの口コミなので、こんなものだろう。
先ほども言ったが、私は側圧を弱めるまでは装着感は微妙だと感じましたし、多くの人にとっても同じだと思っている。逆に側圧を弱めてしまえば、装着感は良い。(重さはネックだが)
なので、「装着感が良い」という意見には半分しか賛同できないが、頭の小さい人であればちょうど良いのかなとも思う。
値段相応の価値があると感じている人が多い印象だ。
Arctis Pro+GameDACは最高峰のゲーミングヘッドセットです
- Arctis Pro+GameDACはハイエンドにふさわしい音質のゲーミングヘッドセット
- 側圧がかなり強いという明確な弱点があるが、数週間弱めれば長時間の着用もできるようになる。ただし、ただし約350gという重さは弱点
- 世間の評価的にもかなりの高評価を得ている
このページではArctis Pro+GameDACのレビューを行った。
Arctis Pro+GameDACは2018年発売のゲーミングヘッドセットなので、今では少し安くなっているのもポイントだ。
ハイエンドなゲーミングヘッドセットをお得に手に入れたい人にArctis Pro+GameDACはおすすめだ。