
「steelseriesのArctis Nova Proっていうゲーミングヘッドセットが気になってるんだよね。かなり良いって話はチラホラ聞くんだけど実際のところはどうなの?」って人に読んでほしいページだよ。
このページの内容は以下の通り。
- Arctis Nova Proのカタログスペック
- Arctis Nova Pro独自の特徴
- Arctis Nova Proの実際の使用感
Arctis Nova Proはsteelseries渾身のハイエンドゲーミングヘッドセットだ。このページを読めば、Arctis Nova Proがどんなゲーミングヘッドセットで、自分にピッタリなのかどうかがわかる。
旧型のArctis Pro+GameDACも所有しているので、旧型との比較も交えつつ新型のArctis Nova Proをレビューしていく。
Arcitis Nova Proの製品概要
Arctis Nova Pro(新型) | Arctis Pro(旧型) | |
ヘッドホン型式 | 密閉型 | 密閉型 |
接続方式 | 有線 | 有線 |
重さ(本体) | 298g | 350g |
イヤーパッド素材 | レザー | Airweaveファブリック |
ケーブル特徴 | 着脱式 | 着脱式 |
対応デバイス | PC PS4、PS5 Switch Mac |
PC PS4、PS5 Mac |
ドライバー口径 | 40mm | 40mm |
ヘッドホン周波数特性 | 10~40,000Hz | 10~40,000Hz |
ヘッドホンインピーダンス | 38Ω | 32Ω |
マイク方式 | 完全格納式 | 格納式 |
マイク極性パターン | 双方向性ノイズキャンセリング | 双方向性ノイズキャンセリング |
マイクインピーダンス | 2200Ω | 2200Ω |
ノイズキャンセリング | あり | あり |
Game DAC再生周波数特性 | 5~40,000Hz | 5~40,000Hz |
オーディオ形式 | 最大96kHz、24ビット | 最大96kHz、24ビット |
価格 | $279.99 | $279.99 |
Arctis Nova ProはArctis Pro+GameDACの後継機に位置付けられ、steelseriesの傑作ゲーミングヘッドセットだ。付属品のGameDACもGen2に進化していて、性能・デザイン性が向上している。
公式サイトによれば新型も旧型も価格が同じだったが、Amazonなどでは新型は約35,000円、旧型は30,000円以下になっている。
また、PC以外でも使用可能だが、Arctis Nova Proの機能を100%活かそうと思ったらWindows PCで使用する必要がある。
Arctis Nova Proの外観

左が新型Arctis Nova Pro。旧型とはデザインがかなり異なり、高級感を感じる。
steelseriesの本社がデンマークにある縁か、Arctis Nova Proはデンマークの世界的デザイナーであるヤコブ・ワグナー氏と共同で設計している。
そのおかげか、既存のゲーミングヘッドセットよりもスタイリッシュな印象を受け、良い意味でゲーミング感を感じないデザインになっている。
個人的にはゲーミングデバイスにゲーミング感はいらないと思っていたため、かなり求めていたデザインだ。

左がArctis Nova Pro。イヤーパッドはレザー製でクッション性が強くてスベスベ。旧型と同じAirweave製だと嬉しかったがレザーの質が良いので満足。

左がArctis Nova Pro。マイクを完全に格納できるようになり、デザインを損なうことが無くなった。よりゲーミング感がない雰囲気を感じる。

左がArctis Nova Pro。旧型と同じく左のイヤーカップにミュートボタンと音量調節ダイヤルが付いている。旧型よりイヤーカップが小さくなった影響か、ボタンやダイヤルも小さくなっている。

左がArctis Nova Pro。従来のArctisシリーズはゴムバンドのみで大きさ調節をしていたが、Arctis Nova Proではゴムバンドに加えてイヤーカップ部分で調節できるようになった。今までArctisシリーズを敬遠していたユーザーも安心だ。

Arctis Nova Proは性能・機能が旧型より向上しているが、重量は約50g軽くなっている。より高い快適性が期待できる。
Arctis Nova Pro独自の強み
Arctis Nova Pro独自の強みは以下の通り。
- 快適性と高品質の両立
- 専用ソフト「steelseries GG」をフル活用できる
- PCやコンソール機との接続を簡単に切り替えられる
快適性と高品質の両立
Arctis Nova Proはsteelseriesが満を持して発表したゲーミングヘッドセットだ。Arctis Nova Pro発表前にはTwitterなどで「何かが起きる」的な雰囲気を醸し出し、重大発表を匂わせていた。
そんなArctis Nova Proの品質が高いのは使用しなくても感じ取れるが、それだけでなく298gという軽さには驚くしかない。
通常、高品質なゲーミングヘッドセットは多機能・良デザインを実現するために重量が重くなりがちだ。重いゲーミングヘッドセットを毎日数時間着用していると、日に日に首回りが重くなってくる。つまり重いゲーミングヘッドセットは快適性に劣るのだ。
その点Arctis Nova Proは298gしかなく、ゲーミングヘッドセット全体で見ても軽量の部類に入る。快適性と品質が両立していると考えると、steelseriesが自信を持って発表するのも理解できる。
快適性と品質の両立は、Arctis Nova Proの他にはなかなか無い特徴と言える。
専用ソフト「SteelSeries GG」をフル活用できる
steelseriesが提供する外部ソフト「steelseriesGG」の機能にSonarというものがある。Sonarでは用途に応じたイコライザー設定以外にも細かい音の設定が可能だ。
SonarはArctis Nova Pro発売と同時にリリースされた機能で、まさにArctis Nova Proのための機能と言っても過言ではない。(Arctis Nova Pro以外のヘッドセットでも使用可能)
Sonarを使うことで、より高次元のゲーム体験が可能になるというわけだ。
PCやコンソール機との接続を簡単に切り替えられる
Arctis Nova Proの特徴というより付属品のGameDAC Gen2の特徴だが、GameDAC Gen2にはUSB端子が2つ付いている。片方はPCと接続、もう片方はコンソール機と接続、というように2つのデバイスと接続可能だ。
どちらの音声を聞き取るかはGameDAC Gen2のボタン操作で簡単に切り替えが可能となっている。いちいちコードを付け替える必要がないのは、2つのデバイスを持っている人にとって嬉しい機能だ。
Arctis Nova Proを実際に使って感じたこと【新旧比較も交えつつ】
2023年1月10日時点で、約半年間Arctis Nova Proを使用した。1日に6時間以上は使っているヘビーユーザーなので、その視点からArctis Nova Proの実際の使用感を紹介する。
軽いので長時間の着用でも疲れにくい
Arctis Nova Proの重量は298gだ。これは旧型より約50g軽く、ゲーミングヘッドセット全体で見ても軽い部類に入る。
50gと聞くとほんのわずかなように思えるが、ゲーミングヘッドセットにおける50gはとても大きな差だ。
旧型を使っていたときは3時間ほど連続で着用していると、首から肩にかけて疲労がたまっていた。それに日に日に首回りに疲労が蓄積していっているのを感じた。
そこでちょうどArctis Nova Proが発売されて乗り換えてみたところ、疲労感をほとんど感じなくなった。連続で6時間着用しても疲労が蓄積することはなくなった。
やはり長時間着用するなら300g以下が望ましい。
側圧が強くないので、長時間着用できる
Arctis Nova Proの側圧はほどよい強さだ。
旧型は大きさ調節ができない関係か、側圧がかなり強かった。数週間側圧を弱めてようやく長時間使えるレベルだった。
一方でArctis Nova Proは大きさ調節ができるのもあって側圧がほど良い。側圧を弱めることなく眼鏡ありで6時間連続着用しても問題なかった。
密閉性が高くて、外部の音が聞こえにくい
Arctis Nova Proは密閉性が高く、外部の音が聞こえにくいのもポイントだ。
没入感が大事なRPGや集中したい対戦ゲームでは、外部の音は聞きたくない。いかにゲーム音に集中できるかがゲーム体験に影響する。
Arctis Nova Proはイヤーパッドがレザー製なのもあって密閉性が向上している。音楽が流れている状態だとキーボード(steelseries Apex7赤軸)を叩く音がかすかにしか聞こえないレベルだ。
外部の音に惑わされることなくゲームに集中できる。
密閉性の反動で声が大きくなりがち
Arctis Nova Proの密閉性の反面、ボイスチャット時のリアルの声量が大きくなりがちだ。
Arctis Nova Proにはサイドトーンがあるものの、ゲーム音を大きくしようとすると相対的にサイドトーンの音量が小さくなる。
すると自分の声が聞こえにくくなるので、ついつい声量が大きくなってしまう。あまり声量を出せない環境でゲームをしている人は注意が必要だ。
音質や定位感は旧型より向上した
Arctis Nova Proのヘッドホンの質は旧型より向上している。
旧型の時点でかなり優れたヘッドホン音質ではあったが、Arctis Nova Proのほうがより音を身近に感じられるようになった。今まで聞こえなかった音が聞き取れるようになり、ゲーム環境が一段階上がった印象を受けた。
定位感に関しても旧型の時点で優れていたのでわずかな向上ではあるが良くなっているように感じた。
マイク音質は少し向上している
一緒にゲームをプレイしている知り合いのプレイ動画を見返してみると、旧型を使っていたときの私の声とArctis Nova Proを使い始めてからの声が違う。
旧型のときはクリアさが少し欠けているが、Arctis Nova Proのときは旧型と比べるとクリアに聞こえる。Arctis Nova ProはSonarを通してはいるがイコライザーなどの設定はせずにデフォルトのままで使っているため、Sonarによる影響はないと思う。
ゲーミングヘッドセットのマイク音質は微妙な傾向にあるが、Arctis Nova Proのマイク音質はかなり良いほうだと感じだ。
Arctis Nova Proはハイエンドモデルを探している人におすすめ
「ハイエンドゲーミングヘッドセットを探しているならArctis Nova Proがおすすめ」と言えるレベルでArctis Nova Proが気に入っている。
音質や定位感と言ったヘッドホン品質はもちろん、298gという軽さと付け心地、スタイリッシュなデザインなど、Arctis Nova Proのすべてがドストライクだ。Arctis Nova Proに代わるゲーミングヘッドセットはないと言えるほどだ。
Arctis Nova Proと同時にリリースされたSonarを併用することで、ハードとソフトの両面から最高のゲーミングヘッドセットになっていると感じた。
旧型と比較してもほぼ全てにおいてグレードアップしている。旧型は特に重さがネックだ。手に持っただけで旧型の重さ・Arctis Nova Proの軽さを実感できる。ゲーミングヘッドセットにおいて軽さは正義だ。
総合的に見てArctis Nova Proはハイエンドクラスにふさわしい最上級のゲーミングヘッドセットだと感じた。次世代のバージョンが出ない限りはArctis Nova Proをリピートしたい。
ワイヤレスモデルはどうなのか?
Arctis Nova ProのワイヤレスバージョンとしてArctis Nova Pro Wirelessもある。
個人的にはワイヤレスはおすすめしていない。理由はワイヤレスなぶん重くなるからだ。Arctis Nova Proは298g、Arctis Nova Pro Wirelessは338gだ。この40gの差はかなり大きく、経験上338gでは快適度は高くない。
もちろん有線かワイヤレスかは人によって大きく意見が分かれるところだが、私は利便性より快適性を重視したいので有線を選ぶ。
Arctis Nova Proのレビューまとめ
- Arctis Nova Proは快適性と高品質を両立したゲーミングヘッドセット
- ソフトとハードの両面から最高の一品になっている
- 旧型やワイヤレス版よりArctis Nova Proをおすすめしたい